クールの誕生はサファイアから

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煙草を止めてもう二十年近くになりましょうか。実はそれ以前にも何十回も禁煙には挑戦してるのですが、なにせ根が意志薄弱に出来てるもんで、いつも三日坊主。いや、三日も持てば良い方で、たいていは朝令暮改、朝から我慢してるのが仕事終わりのちょっと一杯で禁煙の決心はもろくも打ち砕かれていたというのが偽らざるところ。

そんな意志薄弱な私に固い禁煙の誓いを奮い起こさせたのは、その頃まだ小学生だった娘からのお願い。

「お父さんにはまだ死んでほしないから煙草やめて!」

泣かせますやろ?こんなん可愛い娘に言われたらそりゃ止めなしゃーないやん。

ただ、この禁煙いうのはきつかったですねー。なにせ先ほども言いました通り、たばこと酒はワンセット。酒が入るとどうしても煙草が欲しくなるという仕組み。

若い頃よく通った、JR大阪駅高架下にある新梅田食堂街という飲み屋街。そこにあるセヴンシーズという立ち飲みバーは、客が立って飲む足元に、カウンターに沿ってぐるっとブリキ張りの灰皿溝が這わせてあり、お客は酒の合間に吸った煙草の吸殻をポイポイとそこに捨てる仕掛け。その頃は酒は飲むけど煙草は吸わないなんて言う人は極めて少数派。中にはバーボンオンザロックダブルを二杯たて続け、ショートホープ一本吸い終わるまでに飲み干して、現金をカウンターにおいてサッと立ち去るツワモノもおりましたな~。

ですから根が酒飲みな私ですが、煙草を吸わずにお酒だけ飲むというのは何やら手持無沙汰で間が持たない。いきおいその隙間を埋めるために酒量が増えるといった悪循環にハマり、今度はそちらの方で健康を損なう危惧が出てくるといった塩梅。

ところで、人はなぜ煙草なんて不味いものをわざわざ吸うのでしょうか?

「今日も元気だ煙草が美味い」などと云う煙草の宣伝文句が昔ございましたが、実際煙草を初めて吸った人の十中八九は、あまりの不味さと煙にむせ返り、こんなもの二度と口にするものかと思うんじゃないでしょうか。それでもみんなが飽きずにトライしてめでたく喫煙者、つまりはニコチン中毒と相成る理由の一つに、煙草を吸う事はカッコいいという思いがあるからなのです。

今、テレビや映画を観ましても、煙草に関する規制があるのか、そういったシーンをあまり見かけることはございませんが、昔の銀幕のスターたちはこぞって煙草をカッコよく吸ってポーズをきめ、そのスターに憧れる若者が自ずとこれを真似るといった仕組み

例えば、わたくしが若かりし頃に人気だったテレビドラマ「太陽にほえろ」のボスこと昭和の大スター石原裕次郎なんか画面に映る度に、くわえたばこで眉間にしわ寄せて、歌舞伎役者よろしく見栄を切るように煙を吐き出しておりました。また、この番組にも出演していた松田優作なども後年主演ドラマ「探偵物語」の中で、ワザと炎を大きくしたライターで煙草に火を付けたりしてイキってましたな。あるいは東映の看板、実録任侠映画なんか、ワンシーンに映ってる役者全員が煙草をくゆらせているといった、もう燻製状態。

さて、こういった銀幕の中でカッコよく煙草を燻らすシーンの元祖、本家本元となったのが、かつてジュリーこと沢田研二が歌の中で「ボギー、あんたの時代は良かった」と羨んだボギーことハンフリー・ボガート。

ハンフリー・ボガートと言えば映画ファンなら誰でも知ってる不朽の名作「カサブランカ」で一躍日本でも有名となった、戦前戦後の時代に活躍したハリウッド俳優。ただし、この人の本領が発揮されるのは、この「カサブランカ」のようなふやけたラブロマンス物では無く、なんと言ってもダシール・ハメットやレイモンド・チャンドラーといったハードボイルドミステリー小説が原作の一連の、タフガイが主人公として活躍する探偵物語。

実際のハンフリーボガートという人は、アメリカ人としては小柄で、身長は170cmそこそこ。対して、例えば実際レイモンド・チャンドラーが描いた小説の中の探偵フィリップ・マーロウは186cm 86kgの堂々とした体格。その差を彼は卓越した演技力に加え、ダブルのトレンチコートを羽織り、ノックスの中折れ帽を被ることでこれを補い、さらには紙巻き煙草を吸う姿をその演技に巧みに生かすことで、このハードボイルドタッチの映画にさらにクールなスパイスを効かせたのでございます。

さて、このハンフリー・ボガートが演じた探偵フィリップ・マーロウが登場する映画「三つ数えろ」(原題:Big Sleep )でヒロイン役をつとめたのが、後にボガートの4番目、そして最後の妻となるローレン・バコール。

このバコールの煙草を吸う姿もまた実にサマになっててキマッてる。元祖クールビューティー、実にカッコいいんです。ハードボイルド映画のヒロインにまさにうってつけの配役。夫、ボガートにも引けを取らない、そのくゆらす煙草の紫煙が大変似合う女優さんなのです。

このローレンバコールのように、マイルスのクールなジャズが如何にもお似合いの、甘さを抑えた大人のハードボイルドテイストな女性には、やはりなんと言ってもそのクールな美しさを引き立てる宝石、サファイアをお着け頂きたいのでございます。

さあ、こちらご覧いただいておりますのは、サファイアとダイアモンドのトリリアントカットを交互に並べたレール留めのリング。ラウンドカットや四角いカットのレール留めなら普通によく見かけるデザインなのですが、こちらは全ての石が三角形。こういうのは滅多ございません。この三角の鋭角がプラチナの枠に映えて如何にもクールじゃございませんか。

こんな指輪をさり気なく着け、ギャバジン地のトレンチコートをウェストでぎゅっと絞って隙無く着こなした女性がオープンカフェの隣の席に腰かけ、フランス煙草ジタンなんぞををそのリング輝く指先に挟み、

Do you mind if I smoke ? ”

なんてハスキーヴォイスで尋ねられた日にゃあなた、思わず進んでライターで火をつけてあげそうになって、今更ながらライターなんて持ってないのに気がつき、まごつき、あたふたした挙句に" Yes!"なんて間違って意に反した言葉を発した結果、豹のようなCoolな目で睨まれ、飲みかけのカフェラテもそのままに、すごすご退散する羽目となるのがオチ。

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