アテンド仕事も楽じゃないの巻

 

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以前勤めておりました宝石店の香港支店開業にともない、わたくしが香港に移り住んだのは今から、なんと30年以上昔の1991年の事だったと記憶しております。

なにせ、人生初めての海外生活、色々戸惑う事も多く、毎日がカルチャーショックの連続。

日常の生活を営なむ、あるいは会社の業務をこなして行く上では、まあ拙い片言英語と広東語の断片的単語でなんとか乗り切っておりましたが、それでも馴れない外国での生活、さまざまな不具合が生じます。そんな折、大変助けになったのが、現地採用で会社が雇ってくれていた、日本語の流暢なエドウィン君の存在。

当時香港はまだ英国の植民地であった影響か、香港の人たちの多くは英語のファーストネームを名乗っていて、彼も本名は林青祐というれっきとした中国名があるにも関わらず、エドウィン・ラムと名乗っていたわけであります。ジャッキー・チェンみたいなもんやね。

さて、このエドウィン君、地元香港の高校を卒業すると日本は東京にある、ヒコみずの宝石カレッジという宝石の専門学校に留学し、日本で宝石学と日本語を習得。その後なんとアメリカに飛びGIA、米国宝石学協会にてGIA・GGの資格を取得したという、まさに宝石業界のエリート。

実際彼は香港の大手宝石卸業者に勤務しているところを、私が勤めていた会社の営業部長に香港出店に際してのサポート役として、その日本語能力を買われヘッドハンティングされたのでありました。

エドウィン君の最初の印象は、当時日本では未だ一般に広く普及していなかったバカでかい携帯電話をしょっちゅうかけまくっていて、その話の内容はもちろん広東語だからこっちにはチンプンカンプンのため、何やら怪しげ、胡散臭く映ったのです。しかし徐々に親しくなるにつけ、なかなか良い奴だとわかってまいりまして、私生活でも親しくお付き合いさせていただいたものでした。

実は彼の元々のルーツは台湾にあり、彼のお父さんは、戦前の日本の領土であった台湾で日本人として教育を受けた方で、後年、香港に移住して、当時は香港政庁にお勤めのいわば国家公務員、エリートの上級国民。一度電話でお話する機会があったのですが、その日本語たるや、エドウィン君の日本語など足元にも及ばない完璧な標準日本語。私などが話すローカルな河内弁よりよっぽど正しいスタンダードジャパニーズ。

さて、その電話で話した内容なのですが、外国人としてのわたくしを気遣い、何か困ったことや、災難が降りかかった際はお力になりますからご遠慮無きようにという事だったのですが、その実際の言い回しが物凄い。なにか不測の事態が起こればと言うところをお父さん、「一旦緩急あらば」と述べられたものですから、びっくり仰天。今どきの並みの日本人じゃ意味すらわかりまへんで、一旦緩急あらばって。

さて、エドウィン君、前職をなぜあっさりと辞めたかを聞くと、なんと取引先の日本人相手の接待が嫌だったからという事。確かに彼は日本語こそ堪能なれど、まったくの下戸。一滴もお酒が飲めない体質。日本人の接待と言えばなんと言っても昔から酒宴、酒盛りというくらいで、お酒とは切っても切れない訳。さだめしお酒の飲めない彼が、酔っ払いの相手をするのはつらかったろうと勝手に一人合点したのですが、実はそうじゃなかったのです。

実際彼が嫌がった日本人相手の接待業務というのは、最近ネットでも盛んに暴露系ユーチューバーの動画拡散によって広まった、人気女性芸能人が秘かに小遣い稼ぎの為にやってると噂のパパ活。それの手引きをする「アテンド」のお仕事。つまり、売春斡旋のお手伝い。

中国共産党の支配下にある現在の香港事情は全く分かりませんが、日本のバブル経済花盛り当時、香港の宝石産業界にとっての最大の得意先は日本企業。香港に買い付けに来る、日本の宝石問屋や百貨店、大手小売り店の仕入れ担当者、即ちバイヤーなどと呼ばれる人間に対する接待攻勢はもう半端ない。飲み食いだけの宴席なんかじゃ納まらない。文字通り酒池肉林、女性をあてがい、場合によってはこっそりキックバック、所謂袖の下を渡したりもする徹底ぶり。

香港の繁華街、夜の街にはナイトクラブと呼ばれる所謂女性の接待を伴うお店が乱立しているのは日本と同様。ただし日本と大きく異なるのは、それら多くのお店は、女性のお持ち帰りが出来る点にあるのです。米国スタバで注文に際して尋ねられる、for here or to go ? のgo の方。まあ、なんぼんなんでも for here は無理やけど、香●照之やないんやから。

そして、エドウィン君が前職で嫌ったのが、豪華有名中華レストランにて飲み食いの後、こういったお店に日本からのお客をいざない、好みの娘を選んであげ、客とお姉ちゃんの間をうまく取り持って、最後ウハウハの日本人オヤジをお姉ちゃんとともに店から送りだした後、独り寂しく家路につくというところ。そりゃ嫌やわ。憤懣やるかたない言う感じ、痛いほどわかるよ、うん。

まあ、最近のネット記事なんか見てますと、日本の有力政治家が中国でハニートラップに引っかかってるみたいな噂を目にしたりしますが、そりゃしゃーないわ、それがかの国のオ・モ・テ・ナ・シ やねさかい。

まあ、実際私が勤務いたしておりましたその宝石屋でも、会社の営業のトップたる営業部長、まあ昔風に言うと大番頭はんが香港に来た時なんぞは、我々香港組も一緒に福臨門などの高級中華料理店でフカヒレやら上海蟹やら、香港宝石業者による豪華接待のご相伴にあずかったのですが、その後は我々香港組は、ハイお疲れという感じで強制退去。部長殿はひとり香港の業者一行と歓楽の夜の街へ消えていくのが定石でしたなー。

さて、そのアテンドのお仕事を日本語ではなんというかをエドウィン君に教えたところ、その音の響きが気に入ってか頻繁に冗談で云ったりするようになってしまったので、わたくし上司の前などでは秘かにビクビクしてた訳なのでありました。誰や、しょーもない日本語教えた奴は、言うて俺しかおらんがな。

さてその言葉というのは、アテンダーなんて洒落たもんやない、「ポン引き」言いまんねん。「アメリカまでわざわざ行ってさ、GIA・GGの資格取って、まさか香港帰ってポン引きになるなんて思ってもいなかったよー、まいったねー」と、事あるごとにこぼしてたエドウィン君。今頃どないしてんねやろ?ポン引きにアテンドされる側になるくらい出世してたらええねけど。

さて、当時ペーペーのわたくしなんぞ一歩たりとも踏み込んだこともない、香港の夜を彩る魅惑の不夜城ナイトクラブ。そのネオンのごとく妖しげな輝きを宿しているのがこちらのファイアーオパールの大ぶりのペンダント。

このペンダントにセットされておりますファイアーオパールですが、採掘された原石そのままの形を活かしペンダントにセットされております。もちろんギザギザなラフな面や尖って欠けやすい箇所は研磨してスムースな状態に加工されておりますので、見た目はあたかもゼリーか寒天のようなプルンとしたゲル状で実に瑞々しい。思わず舐めればオレンジの風味がしそうな塩梅。こちらオパールではございますが、まったく遊色効果のないタイプで、それが一層石のゼリー感を高め、何とも艶めかしい香港の夜の女性のよう、知らんけど。

柔らかくて潰れそう、瑞々しくてジューシー、そして、とても甘そうに見えて、実は硬く冷たい鉱物のような女、そんな女に私はなりたい、という悪女志望の女性には是非ともお着け頂きたい、夜の女の出世石。別に昼の女でもエエヨ!

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