妄想かき立てられる魅惑の宝石

202221112919.png

 

 

楽天さんで中古宝石を細々と販売させていただいているのですが、通常、売れた商品に関してどんなお方が購入したかなんて、いちいち詮索などいたしません。しかし、たまに高額品や変わったデザインの商品なんかが売れると、こんな品物を実物もご覧にならず、パソコンやスマホの画面の写真だけを頼りに、いったいどんな方がご購入なさったんだろうかと気になります。

例えば、百万円を超える品物を写真だけでポンと買うなんて、余程の資産家に違いない。そういう方々と我々とでは金銭感覚自体がずれていて、我々の千円の感覚がこういう方は一万円か、そのまだ上の単位なんだよきっと。などと要らぬ想像を巡らせます。

あるいはまた、よく仕事帰りに立ち寄るスーパーのレジに、レジ係に相応しくない、と言えば語弊があるかもしれませんが、上品な、いかにも中流家庭かそれ以上の奥様然としたご婦人が立っていて、しかも見かけを裏切らない丁寧な言葉遣いと上品な身のこなしで接客をしている。

こうした、その場に相応しくない、場違いな人物を目の当たりにした時なんかも、またもや要らぬ野次馬根性が頭をもたげます。

いったいどんな不幸がこのご婦人の身に起こったのだろう。働き盛りのエリート社員の夫が不慮の事故または病気、ひょっとしてコロナなんかで急逝したため、家族の生活を支えるが為の慣れぬパート勤めか?それとも夫の浮気が原因の離婚による独り立ち?いや、実は奥さんの方の美徳のよろめき三島由紀夫。娘の家庭教師と不義密通の末、家庭を捨てて、まだ学生の身の青年と出奔駆け落ち逃避行のすえの四畳半一間暮らし。その背徳の蜜の味の生活を細腕一本で支えてるのか?

などと、いろいろあらぬことを妄想してしまうのでございます。

さて、こういったあらぬ妄想が起動するのは、実は入荷する商品に関してもたまに起こるのでございます。

まあ、ブランド品に関しては、ちゃんと商品にご丁寧にも刻印までしてもらってますので、これの正体に関しての無駄な詮索は無用。ただし、廃盤なんかの商品になりますと、果たして何時ぐらいに製造販売されていたのかといった、詮索ではなく調査が必要となったりはいたしますが。

あと、一般的に市中に流通しております、所謂、国産のノンブランド商品というのも大体は、同じようなパターンの繰り返しと、それのアレンジによってデザインが展開されておりますゆえ、初めて見たようなデザインでも、だいたいは「あー、この品はあのデザインのこーゆー流れ、または進化系ね」みたいな感じで自然と腑に落ちるのでございます。

ところが、これからご紹介いたします、ご覧のルビーのペンダント、これが曲者。

この商品、あたかも果実を模したようなプルンとしたカボッションカットの赤いルビーに、その葉っぱを想起させる緑鮮やかなエメラルドが可憐な風情で添えてある、実に可愛らしいデザイン。もう一見しただけで、先ほどのスーパーマーケットのレジ係の女性ではございませんが、素性の良さが明らかな品物。そこで、「ほう、いったいどこのブランドかね、お前さんは?おじさんに見せてご覧」などと商品に語り掛けながら品物の裏側を点検致します。だいたいブランドなり作家物なんかは裏側にその正体を明かす刻印が打ってあるはず。ところがこの商品、それが見当たらない。

「そうか、奥ゆかしく目立たないように、バチカンかペンダント枠側面に細かく打ってるに違いない」

そう思い、細部を確かめるもそれらしき刻印、ホールマークの類がまったく見当たらない。

「えっ、これってもしかしてブランドじゃなく一般のジュエリー?」

との疑念が浮かび、もう一度商品をルーペで細かく検分いたします。

中石のカボッションルビーは当然カボッションにしてある理由として、透明ではなく半透明の結晶。しかし目立つインクルージョンや色むらも見当たらず、にごり気のない綺麗なルビー特有の赤色を呈しており、カボッションルビーとしては非の打ちどころがございません。また、バチカンにあしらわれている三枚のエメラルドも、三つともがグリーンが冴えてきれいな色味。それらが綺麗に色目、形をそろえて、ルビーの赤を引き立てます。そしてルビーを三重に細かく取り巻くメレダイア。これがブランド製品と断定する決め手と言ってもいいほどの実に綺麗なメレダイアが使われているのでございます。実際このクラスのメレダイアは逆にブランドでなければ手配できないクラスなんだけどなー?

さらに謎が深まったところで再度、裏側の刻印を検分いたしましたところ、金性がK18とあります。さらにそれぞれの宝石の石目がきっちりとctマーク入りで打刻されております。このことから、この製品が国産のものであろうことが推測されます。なぜかというと海外の製品の場合18金は750と刻印されるのが一般的で、細かい脇石の刻印はおろか中石の刻印も無いのが普通。

ペンダント裏側にも何かの紋章の様な模様をわざわざ細工してあることからしても、これは単なる一般ジュエリーでないことは確かなのですがさて、ではその正体とは?

さて、ここからわたくしの推測なのか妄想なのかが発動するのです。

このペンダントトップには元々ネックレスが付属していたはずで、実はそのネックレスの方にブランドなり作家なりの印があったのではないか?

あるいはまた、これは宝石にうるさい金満マダムが、この中石のカボッションルビーを先ず入手して、そののち完全オーダーメイドによって出入りの宝石商に、工賃の多寡には糸目をつけずに作らせたのではないか。

いや、これは都市伝説などによくある、世界を裏から支配する闇の秘密結社のメンバーにのみ許され配布される、その構成員の印。裏側に細工されている不思議な文様こそ、何を隠そう、その秘密結社の秘密のエンブレムなのである。

 

かくの如くに、次から次へと老ジュエラーの妄想を膨らませずにはおかない、魅力ある正体不明の本格ジュエリー。写真からでも商品のオーラが伝わるはず。わかる人にはわかるよね!

掲載ページはこちら → https://item.rakuten.co.jp/douxperenoel/11004504/

 

 

針中野の質屋マルヨなら、質預かりも買取もできます!
無料査定も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
LINEでの査定、Instagram上でも随時最新情報配信中です!

大阪市東住吉区鷹合2-16-13
【営業時間】9:30~19:00 【定休日】毎月7、12、17、22、27日