アンドロイドは電気羊の夢を見るか?知らんがなそんなん の巻き

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アメリカの偉大なSF作家フィリップ・K・ディックの小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を鬼才リドリー・スコット監督が映画化したのが、かの伝説のカルトムービーとも呼ばれる「ブレードランナー」。1982年の公開とございますからもう40年も昔の話。毎度古い話ですまんこってございます。

近未来の厳めしい建物が蝟集する都市空間。その暗く湿った夜空に、未来の広告看板でしょうか、突如現れる謎の笑みを浮かべた大写しのゲイシャガールの顔、それとともに現れる「強力わかもと」の文字。このインパクトある異様な映像でこの映画をご記憶の方も多いのではないでしょうか。

さてこの「ブレードランナー」映画マニアの間では凄い人気で、近年続編が製作されたほどですから、ご存知の方も多いかと存じます。なので今更わたくしのヘボな説明などご不要かとも存じますが、念のため、ざっと概要だけ。

このお話の近未来の世界では、既にレプリカントと呼ばれるアンドロイド、すなわち人造人間が製造されております。

これらのレプリカントは宇宙開発の最前線などでの過酷な労働に投入されているのですが、このレプリカントになんと人間の心が芽生え、主人である人類に歯向かい始めたのです。この造反するアンドロイドたちを取り締まり抹殺する仕事こそが、この映画の題名そのもののブレードランナーなのです。

映画では、名優ハリソン・フォードが演じる一人のブレードランナーが、造反レプリカントグループの捜査の成り行きから、一人の美女と出会います。実は彼女も、偽の記憶を脳に植付けられ、自らを人間だと信じこんでいるレプリカントだったのですが、ハリソン演じるベテランのブレードランナーはこれを見破ります。それを察した美女のレプリカント、レイチェルという名前なのですが、は彼を激しく問い詰め、遂に真相を聞きだすのです。その結果、言わんこっちゃない、レイチェル大いに取り乱し、絶望のどん底につき落とされて涙を流します。何せ、人間でないばかりか、レプリカントの寿命はたった4年。しかしその様子にハリソン君、不謹慎にも生唾ゴクリ。美女の涙ほど罪深いものはございませんね。正にチャンカワイの「惚れてまうやろー!」じゃないですが、惚れてしもたんですな、アンドロイドに。

そんなアホな話あるかい。なんぼSFか知らんけど話盛りすぎやで。人間がロボットに惚れるて、寝言言うてもたらかなんわ。そんな話が通じんねやったら、道頓堀歩いてるお姉ちゃん等がこぞって、食いだおれ太郎に次から次としがみついて大ごとになるで、ホンマ。

その様なご意見も当然でしょうが、まあ論より証拠、ちょと映画観て、予告編でもエエからYouTubeで。

ホンマや!無茶綺麗!むべなるかな!

そうなのです、この映画の要となる重要なポイントは、何と言ってもこのアンドロイド、レイチェルの配役にあると言っても過言ではございません。なにせ人間が人造人間に恋心を抱くなどという荒唐無稽な話に信ぴょう性をもたせるには、このレイチェルが並みの女性を遥かに超えて美しく魅力的でない事には話として成り立ちません。

このレプリカント、レイチェルを演じたのは、厳しいオーディションの末この大役を勝ち取ったショーン・ヤングという当時、若干23歳の女優さん。いやー、ホント人間離れした美しさ。実際、この映画をご覧になった数多くの男性が、彼女が演じたレイチェルの虜となり、むさくるしい部屋中をレイチェルのポスターで埋め尽くし、親からもらった大事な身体の一部に「レイチェル命」などと彫物を入れたり、自分の娘に後々の子供の災難も顧みず、日本人でありながらレイチェルと名付けたりと、もう当時は凄い人気。いえいえ、美しいのはなにも女性のアンドロイドだけではありません。映画の最後、ハリソン・フォードのブレードランナーと対決するレプリカントのリーダーのバッティ、演ずるはオランダ出身の俳優ルトガー・ハウアー。この人も主演のハリソン・フォードを凌ぐほど美しくカッコイイ。お陰で当時この映画を観た多くの女性が部屋いっぱいにルトガー・ハウアーのポスターを貼り、その内腿に「ルトガー命」と、もーエエちゅうねん!

さて、なぜに人造人間であるレプリカントがこの様に美しいかというと、それはごく当たり前、至極当然な成り行き。神様はご自分に似せて人間を作り給うたそうですが、ディテールにはあまり拘れへんかったらしく、個体の出来不出来には大きなばらつきがございます。

その点、人間は細かい点にいちいちこだわるというか、どうせ作るならエエもん作らな損やいうんで、とりあえず見てくれ第一のエエもんが出来上がるわけでございます。

そうした人間の創作特徴が顕著に表れているのが、何と言っても人工宝石なのではないでしょうか?

GIAの宝石研修なんかで使う試験石によく混じってました、初期の合成石のリンデンスタールビーとかスターサファイアなんかもう本当にバッチリ星もきれいに出て、色も鮮やか、実に美しい。それゆえにすぐバレちゃう。肉眼の目視だけでわかってしまう実にありがたい試験石でした。

あるいはまた、質屋や買取り屋でインクルージョンの少ない透明なエメラルドが持ち込まれた際は先ず、偽物を疑えなんて言われるくらい、人造の宝石は美しいのであります。まあ普通、お金かけてわざと汚い宝石作ろうなんてことはしませんわな。

さて、ここで合成石と人造石と模造石の違いを簡単にご説明しなければなりません。

まず合成石とは、人工的に本物の天然宝石と同じ化学組成をもつ石を人工的に作り出すことをいいます。

人造石は人工的に本物の宝石に似たものを、化学組成は異なっていても、見かけさえ同じであればという事で作られる別の物質。

模造石は本物とはかなりかけ離れた組成、見かけながら、そのニュアンスを醸し出して装飾的用途をみたします。

レプリカントの場合は、遺伝子工学の進歩の恩恵にあずかって作り上げた人間と同じ肉体をもつ人造人間なので、合成石と同じになりますね。ちなみに整形美人を陰でアンドロイドやで、などと揶揄いたしたりしますが、この場合レプリカントのように一からすべて人工的に作られたものでは無く、天然の物の一部を人工的に改変した状態ですので、宝石に例えると天然石の処理改変という事で、処理石という事になりますね。ですから陰口を言うときは「あの人処理石やわ、その割には値打ちないなー」などという表現が穏当かと存じます。

さて人造石の代表はダイアモンドの代用品として、広くアクセサリーなどに使われているキュービックジルコニアが有名ですね。見た目は非常に似ているけれども、化学組成はまったくダイアとは異なる、違う物質。

最後の模造石は、例えるなら食いだおれ太郎。一応人間の形してるけど誰も本気で人間としては見ないやつ。いくら道頓堀で屯しているいかれたギャルでもそんなんには食いつきまへんわ、悪いけど。

ということで、本来は本物よりも美しく、そこがかえって胡散臭い合成石なのですが、その欠点を巧みにかわし、見事本物っぽく仕上げられたのが、只今ご覧いただいておりますこちらの指輪。

この指輪、いったいどういう目的で拵えられたのか全くの謎なわけですが、なんとエメラルド原石を模した合成エメラルドのリングなのでございます。

みごとに六方晶系の鉱物が六角柱状結晶となって生成されている様を表している本商品、ぱっと見絶対合成石とは疑いません。ほう、もの好きにもエメラルドの原石をそのままリングにしたんやな。さしずめ石オタのマニア狙ったクセの強い商品やろ、と思わせといて―の合成石。いったいどういった顧客に向けて作られたのか全く不明。

合成石で有名な京セラさんのクレサンベールエメラルドなんて、宝石界のレイチェルやー!と思わず彦丸になって絶叫するくらいの美しさやのに、わざわざこんな粗削りな原石作るって?

多分これは、合成石の製造過程が天然石の生成過程と同様の工程をたどるため、同様の結晶形が出来上がると言うところを確認したい、マニアのさらに先を行く、超マニアの為に作られた逸品なんでしょうな。

そんなん好きな変わり者の人おりまへんか?言うても滅多ないよ、こんなん。原石に似せた合成って・・・

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