名曲シリーズ第三弾! プラスチックラブ

 

 

プラスチックは大阪ではぷらっちっく言いまんねん。

何もぷらっちっくだけやない、大阪特有のスラング的言い回しは。例えば現在では死語となっている、航空機女性客室乗務員を表すスチュワーデスというのも、大阪ではすっちゃです言いまんねん。あと、人の名前でもこんなんようありま。

田中さんはたーかさん。和田さんはわーさん。有吉さんはありよっさん。岡本さんはおかもっさん。竹内さんはたけうっつあん。山内さんはやまうっさん。山口さんはやまぐっさん。お笑いタレントのぐっさん言うんはここから来とる。

さて、プラスチックに話題を戻すと、大阪訛りのぷらっちっくやとピンとこやんけど、「プラスチックラブ」と言えば、ちょっと前になりますが、世界のミュージックシーンを席巻したという日本発のシティーポップにおけるダントツの代表曲。

この歌、ご存知の方も多いかと思いまんねけど、かの竹内まりやさんが1984年にリリースした曲で、ご自身の作詞作曲を夫の山下達郎さんがプロデュース、アレンジ並びにバックの演奏にも加わったという昭和ニューミュージックシーン夫唱婦ならぬ婦唱夫随の名曲。とは言えこの曲、発表当時はそない大きな反響は無かったんよ。

それがやね。時を経る事三十有余年、海外のインターネットから火がついて、ネット再生回数が全世界で一億回を超えるという、ものすごい注目を浴びるまさかの不死鳥のような復活を遂げたんよ。

まあ、この人気の秘密には、実際音作り職人と呼ばれるダンナの山下達郎の功績が大きいわな。実際一番よけ再生されてんのはプラッチックラブやけど、ダンナの方も負けてへん。1980年代の彼の名曲もよけ再生されてて、海外じゃこの夫婦を称してシティーポップのキングアンドクイーン言うらしいわ。

キングアンドクイーンいうたらアンタ、昔流行ったディスコの名前やがな。マハラジャやらラハマジャやら他にもタンとあったわ、ディスコ言うんが。今はクラブ言うん?知らんけど。

時は正にバブル時代や。若人は皆DCブランドの服着てからに、イキってキャメルやクール、ヴァージニアスリムなんどの洋モクふかして、小粋なカクテルなんど啜っては毎夜踊り狂って、プラスチックラブの歌詞にある通り、つかの間の恋愛を楽しんだもんですな、知らんけど。

またこの時代、小説の方では田中康夫が「なんとなくクリスタル」いう小説を発表。クリスタル族などと呼ばれる、ブランドを身にまとい、グルメを楽しむリッチで優雅な都会の若者の生態を描写したんがウケて、田舎モン、貧乏人もこれを無理して追随する風潮が生まれたわけですわ。

さて、それに追い打ちをかけにやってきたんが村上春樹や。このおっさんが、日本で一番リッチな地域、芦屋のバーを舞台にして、小洒落たシチュエーションを乾いた文体で語っていく、まるでアメリカ現代文学に、昔のレイモンド・チャンドラーのハードボイルド的美学、これにフィッツジェラルドの耽美をミックスさせたような、到底、我々農耕土着民とは無縁、どこの国の話やねん、いうような乾いてファンシーな絵空事を連発。これがまた当時のバブルで浮足立った若者にウケたんよ

この村上春樹のアメリカ文学エエとこ取りの手法は、山下達郎の音楽にも相通じるんよね。

音作りの職人と呼ばれる達郎氏ですが、専らその素養を築いているのは、これまたアメリカの音楽。達兄イお得のドゥワップに始まり、それの進化系のモータウン、あるいはビーチボーイズのサーフィンミュージック等など。なんせこの人のこうしたアメリカンポップミュージックオタクぶりはつとに有名で、若い頃には東京近郊の中古レコード店に頻繁に出没してはアメリカンオールディーズのアルバムを漁ってたらしいですな。

この人のアメリカかぶれのバタ臭いサウンドは、ディスコに留まらず、お茶の間にも侵入。かの伝説のお笑い番組「俺たちひょうきん族」に提供した番組冒頭のテーマ曲が、いかにもアメリカのバラエティー番組オープニングテーマ曲風な圧倒的なアングロアメリカンWASP的曲調で、ライバル番組であった「ドリフの8時だよ全員集合」の日本の郷愁漂う、ババンババンバンバンいい湯だな、を一撃のもとに蹴散らしてしまったんですわ。もう日本のお茶の間への黒船来襲かのようなインパクト。

実際今振り返っても、あのバブルの時のディスコ、ジュリアナ東京に代表されるような若人ののぼせ上がった熱病の如き放蕩三昧は、この達兄イ、春ボンの二人によって演出されたといっても過言やない。そしてそれを具体的に可視化し、イメージとしてバカ者ども、もとい、若者どもに絵草子として、こないしなさいと分かりよく図示したんが「ハートカクテル」いう漫画を描いた、わたせせいぞうというオッサンや。

この所謂バブル三悪人にまんまと踊らされたが故、地道に職工、タイル職人、小作人のような道を地道に歩めばよかったものを、童話「アリとキリギリス」のキリギリスのように、その日暮らしの道をちゃらんぽらんに歩んできた者の哀れな末路がここにある。ワシや!

さてバブルもあっけなく弾け、兵どもが夢の跡。その後奈落の底に堕ちたままいっかな浮かぶ気配のない日本経済にあって、独り本物のジュエリー制作を目指し、時代に逆行して材料調達には金に糸目をつけん態度でジュエリーを作り続けてきたのが誰あろう、ご存知芦屋六麓荘に本拠を構えるギメルなんや。

村上春樹の物語が展開されたんは芦屋言うてもや、海寄りの浜芦屋。芦屋と言えど階層社会。阪神電車より海よりの場所と、阪急電車が通ってるより上の山側とでは全く格が違う。芦屋育ちとは言え所詮サラリーマン家庭育ち、プロレタリアートの村上氏。やはりその視点には芦屋山の手金満家庭を羨む、西村賢太的屈託が見え隠れする。ところがどうよ、ギメルオーナーにして、デザイナーの穐原かおる女史は折り紙付きの芦屋マダム、ホンモンのブルジョワジー。幼少から本物の逸品に囲まれお育ちあそばされているから、絶対音感ならぬ絶対審美眼ちゅーもんが備わったーる。しかも倹約する、始末するなんてしみったれた小金持ちの料簡なんぞハナから持ち合わせてへん。理想のジュエリーを作るのに、せこい金の出し惜しみなんかしない。職人の偏屈なプライドなんぞその横面を札束で張りとばしてへし折る。

そうしたモノづくりに一切の妥協を許さぬ、日本の本物の貴族が拵えたシナモノの一つがこちら。

さて皆の衆お立合い!どうだい、こちらはギメルでも人気の男女兼用で使えるピンブローチだ。一目見て度肝を抜かれ、ひっくり返っちゃうてーほどのこの煌めき。普通こんなの写真で見ても、輝きなんてなもんはなかなか伝わらねー。ところがどーだい、コイツと来た日にゃ、もう写真見ただけで眼が眩もうかってーくらいの勢いだ。写真だと思って見くびっちゃーいけねー、綺麗だからって長く見とれてると目に毒だよ奥さん。大体こういったシナモノは近所のイオンモール辺りに入ってる宝石屋程度じゃーとても拝めないシロモンさねー。えっ、じゃー一体何処行ったらお目にかかれるかって?そりゃーおめえ、花のお江戸は日本一の繁華街、銀座にきまってらーね。しかもその街のランドマーク、銀座四丁目交差点にすっくと聳え立つ、よんどころない宮家や財閥の奥方姫君もお忍びで訪れ、数々の文豪の作品にも登場してきた歴史と伝統ある日本一のセレクトショップ、服部時計店旧本店、銀座和光!

ニューヨーク五番街にティファニー有り、東京銀座に和光有りつーくらいの凄いお店だ。そこまで御足労ながらお出まし願わないことにゃーお目通りのかなわない逸品てーから物凄い。

ただね、田舎モンが間違ってそんなところに侵入した日にゃ大変だ。一流の客層を誇る老舗名店の臈長けた店員に、いっぺんにオノボリさんの正体見破られ、慇懃無礼に鼻であしらわれるのがオチ、と疑心暗鬼。おっかなビックリだから落ち着いてゆっくり見ることもできねえ。

そこ行くとどうです、こうしたネットショッピング。いくら見てても鬱陶しい店員が声かけてくるこたーねえ。どうかゆっくり吟味の上、ご主人なりパパなりにご相談、おねだりの上お買い上げ下さいませな。

掲載ページはこちら → https://item.rakuten.co.jp/douxperenoel/11005409/

 

 

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