セレブを脅かす奇妙な果実

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奇妙な果実」とは、天才ジャズシンガーともて囃されるも、酒や薬物で身を持ち崩し44才の若さで、1959年この世を去った悲劇の歌姫ビリーホリデーの有名な代表曲であります。

この「奇妙な果実」の意味するものとは、樹の枝から縄で吊るされ縊れ死んでいる人の事。

この歌は、アメリカ南部の黒人差別を、その差別の末にリンチにあって樹につるされ縊死した黒人の凄惨な死体の様子を生々しく描写し、奇妙な果実と呼ぶことによって、糾弾したプロテストソングなのであります。

最近起こった、白人警官による黒人ジョージ・フロイド氏の殺害事件を例に取るまでもなく、今でもアメリカではこの人種間の差別は社会の大きな病理として根強くはびこり、ビリーホリデーの「奇妙な果実」が発表されてからすでに半世紀以上も経ちますが、一朝一夕に解決することのできない悩ましい問題なのであります。

実は最近、わたくしが住まう田舎の田園風景の中で、突然この奇妙な果実に遭遇し、気の弱いわたくしは、ショックのあまり腰が抜けそうになったのでございます。

とは言え、ご安心を、樹からぶら下がっている人の死骸に遭遇したわけではなく、ぶら下がっていたのはカラスなのであります。しかも、よくよく見ると本物のカラスではなく、プラスチックのようなモノでできたカラスの模型。

これをどこで発見したかといいますと、いつも犬と散歩で歩く田んぼや畑を横切るあぜ道の途中。

天高く馬肥える秋の言葉通り、高く澄み渡った気持ちのいい秋の空を眺めながら、愛犬と農道の散歩を楽しんでおりますと、突然視界に飛び込んできたのが、たわんだ竹の棒の先からぶら下がったカラス一羽。しかも尾の部分をくくられ逆さまに吊るされ、それが風に吹かれてゆらゆらと揺れているではありませんか。

最初はあまりの非現実的な残酷な光景に、一瞬散歩の足もピタッと止まってしまったのですが、よくよく見ると、これがなんとカラスに大きさから、色まで似せたカラスの模型、マリアカラスならぬ、フェイクカラスだったのであります。

「誰や、こんなテンゴ(いたずらの意味)さらすんわ?ワシみたいな年寄がびっくりして腰抜かしてコケでもしたらどなすんねん、アンダラボケカス!(馬鹿者腑抜屑!の意味)」と一瞬怒りに身を震わせるも、周りを見渡すと、そのカラスが吊るされていたのは茄子畑の真上。その下には収穫を今か今かと待つナスビがたわわに実っております。

なるほど、このカラスの模型は、収穫を待つ茄子を虎視眈々と狙うカラスから作物を守る案山子の役目を担っているのかと、ハタと気が付いた訳であります。

「ワシらが丹精込めて作った茄子盗み食いさらしたら、こないな目ぇに合うんやカラスども、百姓なめとったら承知せんど、アンダラボケカス!」という見せしめと警告の「奇妙な果実」なわけでありましょう、知らんけど。

カラスというのはご承知のとおり頭が良いという評判。果たしてこんな子供だましが功を奏すのかと疑わしいところではございますが、実際、農家がわざわざ配備しているところを見るとそれなりの効き目があるのでございましょう。

さて、このカラスの模型のように、英語で言うところの、intimidate すなわち、観る者をビビらす効果がございますのが今回ご紹介いたします、クリヴェリの豪華ペンダントネックレスでございます。

もちろん、こちらは何も畑の作物を狙うカラスをintimidate いたす訳ではございません。

では何者をビビらせるのかと申しますと、もちろん対人関係をおいてほかございません。

以前、わたくし関西学院初等部の入学式に向かうピカピカの新入生とその父兄の集団に偶然遭遇いたした事がございます。場所は武庫川を横断する宝塚大橋の上。信号待ちで車を止めておりますと、阪急電鉄宝塚南口駅より、宝塚ファミリーランド跡地にある小学校に徒歩で向かう児童と父兄達が集団で列をなし、ぞろぞろ歩いております。その光景を目の当たりにして、前の車が発進するのも気づかぬくらい、一瞬じーっと見入ってしまったのでございます。

わたくしの注意をそれほど強く引き付けたのは、その児童の手を引くお母さま方のハンドバッグ。なんと、そのほとんどすべてのといって良いほど、多くのお母さまの手にはエルメスのケリーかバーキンのバッグが提げられていたのであります。

関西学院と申しますと、幼稚園から大学までワンセットの私立一貫校なのでございまして、東京で申しますと、慶応とか学習院とかになるのでしょうか。関西では屈指の超セレブ、エリート、お坊ちゃま、お嬢ちゃま学校なのでございます。

関西随一の高級住宅街エリア、阪急電車ゴールデントライアングルと呼ばれる地域、阪急今津線と阪急神戸線が交差する西宮北口を起点とし、その四分割された地図の西北部分、すなわち北は宝塚、西は芦屋、六甲、三宮へと続く六甲山のふもとに広がる高級住宅地に住まうエエシの子ぉ(金満家の子弟)がしのぎを削って進学する学校なのであります。

まあ、当店が位置する大阪の下町、東住吉区針中野なんぞの公立小学校の入学式でございますと、質屋で買ったくたびれた中古バーキン一丁で、並み居るヤンキー上がりのヤングオカン、略してヤンヤンオカどもをビビらすには事足れり。しかし、セレブ集うクワンセイ学院の学校行事の場所では、エルメスのハンドバッグごときでは誰もビビりません。ビビらぬどころか下手に身につかぬバッグなどを提げていたりしますと、成金の正体を見透かされたり致します。

さて、そのような折りに身に着けたいのが、こちらクリヴェリのペンダントネックレス。

このクリヴェリというブランド。誰もが皆知ってるなんて言うポピュラーなブランドではございません。イタリアのハイジュエリーブランドでヴォーグなどにも頻繁に取り上げられ、世界中のセレブにも人気のこのブランドが、なぜ広く一般に知られてないかというと、答えは簡単、ハイジュエリーしか作ってないから。

皆様ご存知の、カルティエやティファニーがなぜ有名かというと、広く庶民にも手の届く品物、例えばラブリングとかビーンズネックレスなどの廉価買い回り商品を出して、はえ縄漁業よろしく、がっぽり庶民からも儲けをかすめ取ろうという腹積もり。ただしこのクリヴェリは潔い。金持ちからしか儲けは頂かないという、まるで鼠小僧かロビンフッド、ルパン三世のような義賊の心意気。したがいまして、都会の繁華街を歩いてもお店に行き当たることはございません。ではどこに行けば手に入るかといえば、セレブしか来場することの許されない、一流百貨店外商部主催の超一流ホテル、バンケットルームで開催される宝飾展示会。

さて、こちらノーブルな輝きのサファイアを全体にあしらった、見事なクリヴェリのハイジュエリーペンダントネックレスをば、おもむろにお着けあそばして、セレブの集いにご参加なさいませ。さすれば、いかなセレブといえども、否、目の肥えたセレブだからこそ、一目この神々しい輝きに接したとたん、ブランドの正体に気が付き、渥美格之進が差し出す水戸のご老公、葵の御紋鮮やかな印籠に悪代官、近江屋並び悪党どもが恐れおののき平伏すが如く、一同の度肝を抜くは必定。もちろん、乙女の聖地宝塚を流れる武庫川上に架かる宝塚大橋の上でも、あなたは女王様として降臨。胸元のペンダントから燦然と高貴な輝きを放ちつつ、独り欄干の上で仁王立ち。辺りに平伏す民を睥睨し、高笑いが自然と漏れ出すことでございましょう。

「オホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホ・・・!」

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