看板娘 パパラチヤサファイア お披露目

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ウチの近所のスーパーにはスーパーの売り場とは別に、独立店舗の鰻屋がございまして、これが結構な人気店なのでございます。

手前どもの様な貧乏所帯なんかですと、鰻などホント一年のうち土用の丑の日一日しか食べられない大胡馳走。普段どうしても鰻が食べたくなったら、食パンに鰻のタレを塗ってトーストし、焼き上がったらその上に鰹節をかけ、さらにまたその上にタレをかけ、山椒の粉を振りかけて食べるとこれがなんと、かば焼きそっくりさん。んなわきゃないんですが。

さて、この鰻屋の繁盛の秘密はもちろんそこのかば焼きや白焼きの味の良さにあるのでございますが、ただしそればかりではない、さらなる秘密があるのでございます。

それがなんとこの店の看板娘の存在。まあ、娘と言うと正確さを欠きますので、看板婦人とでも申しましょうか。

このご婦人、歳の頃は四十がらみの脂ののったイイ女。さすが鰻屋だけのことはある。

お顔がなんと歌手の坂本冬美さんにそっくりの、なかなかの美貌の持ち主。もうウチ等の近所じゃ「鰻屋の冬美」といえば知らぬ者はおらぬくらい。

この冬美さん、スリムなボディーを制服のポロシャツとタイトなジーンズにくるみ、立ち居振る舞いもてきぱきと、見ていても実に小気味良い。もちろん接客態度もいかにも鰻屋らしく威勢のいい、しかもちゃんと笑顔も忘れず、顧客の心を先々読んで機転が利く。業種は違えど同じ接客業の私の目からしても百点満点の接客術。

そういう接客の冴えと美貌に引き寄せられるお得意さんも数多くいるようで、けっこうお客さんのほうから話しかけることも多いよう。いつも店頭にお客の絶える事がございません。

以前も恰幅の良い老紳士が店先を通りすぎると、すかさず冬美、「社長さーん!」と良くとおる声で呼びかけ、世間話のすえ、結局鰻白焼き二尾お買い上げの首尾。

「いいなー!俺もああいう風に店の前を通りかかったら気さくに冬美にしゃべりかけてもらいたいもんやなー」

「そりゃアカン!無理いうもんやで兄ちゃん。年に一回の土用の日だけの客じゃ」

「あかんかー、ほんならこないしょ、今度からスーパー行くたんびにトーストに塗る鰻のタレ買うわ。ほんならオレも馴染み客や、気楽に声かけてくれはるんちゃうん?」

「アホか?気持ち悪がられるだけやでタレだけ買う客なんて、やめときやめとき」

という自問自答のすえ、冬美への道は儚く閉ざされたわけなのでございます。

それならばという事で、次のターゲットは漬物屋の藤あや子、ってそんなにぞろぞろ看板娘がいてる訳はないのでございます、残念ながら。

さて、お店の看板とも言える魅力ある女性スタッフが看板娘なら、お店を代表する商品は看板商品。

飲食店なんかですと看板メニューというんですかね、その品を食べにはるばる遠方よりお客さんが評判を聞いて訪ねて来るというぐらい美味しい食べ物がそれ。

そういう評判の美味しいメニューがあれば、お店もそれを目当てに来るお客がドーンと増えて商売繁盛笹もって来―い!てなわけなのですが、宝石屋の場合はその辺のところの事情がちょっと異なるのでございます。

宝石屋の場合はこの看板商品はおいそれとは売れない、見場のある高額商品となることが多いのでございます。

例えば、わたくしが過去在籍してました大阪は老舗宝石店のホームぺージでも、こんなん誰がすんのん?みたいな豪華ダイアモンドネックレスの写真を筆頭に掲げて、どんなもんじゃいとそっくり返っている風なのですが、まあ宝石屋なんてのは、その店の店格を表す、所謂ハッタリをかます商品を少なくとも大体二三は用意しているもの。

という事で今回は当店の新たな看板娘、当店の顔となるべき優れモノが入荷いたしましたので、謹んでご紹介いたしたい、かように思う次第でございます。

さてこちら、言わずと知れたパパラチアサファイアでございます。この様なブログをもの好きにもお読みいただいているようなお方は、当然パパラチアサファイアの名前も先刻ご承知の事かと存じます。

アレキサンドライト、パライバトルマリンと肩を並べる世界三大希少石と呼ばれ、その名前は仏陀にもかかわりの深い蓮の花に由来しており、その名を欺かぬピンクとオレンジの入り混じったお色は、インド洋に沈む夕日の色に例えられる。聞いただけでも石好き好事家の食指を刺激せずにはおれないフレーズではございませんか。

ただし、この宝石過去に不祥事に巻き込まれ一時期大変評判を落とした事があるのでございます。

あれは今から大体二十年ほども前になりましょうか、2000年の初頭にマダガスカル産のパパラチアサファイアが大量に出回り、パパラチアサファイアの価格が大幅に下落した事がございました。

それらのサファイアには、当時、我が国においての色石鑑別の権威ある機関とされていた全国宝石学協会が鑑別のお墨付きを堂々と発行していたのですが、これらマダガスカル産パパラチアサファイアの多くが後にベリリュウム拡散処理という人工的着色によるものであるとGIAによって看破されたのでございます。

さあ、それからが大変、小売店にはパパラチアサファイア製品の返品が数多く押し寄せるは、全国宝石学協会の信頼は地に落ち、後に倒産に追い込まれる切っ掛けにもなるわ。実際、この事件以降一時期めっきり市場からはパパラチアサファイアの姿がかき消され、まったく名前の通り、幻の希少石となってしまったのでございます。

さて、現在では宝石鑑別の精度も当時と比べると格段に向上し、そのような処理石を間違って天然と鑑別結果を出すことはございません。しかしコランダム宝石サファイア全般に行われております加熱処理は、天然石鑑別の許容範囲であり、この希少と言われているパパラチアサファイアとて、その市場に出回っているものの大半が加熱処理を施したもの。

しかるにこちらのお石は全く生まれたまま、手つかずの非加熱、スリランカ産の逸品なのでございます!

どうですこの爽やかな、微かにオレンジ色を帯びたピンク。ビールなどの宣伝文句、「雑味の無い」という表現がまさにピッタリのこの抜ける様なインド洋の夕暮れの空の色。加熱処理やベリリュウム拡散じゃこうはいきません。

しかもこちら、中古質流れのユーズドじゃない正真正銘の新品なのでございます。

当店が信頼を寄せる手作りジュエリーの匠に中石、脇石、プラチナ材一式を預けて一から入念に拵えて頂きました渾身の作。

中石のパパラチアサファイアがなんと5.194キャラット。脇石が0.4キャラット台のバケットダイアを二枚、0.2キャラット台のラージメレダイアを八個、都合2.48キャラットのダイアモンドで豪華に取り巻きましたこちらのリング。今季初お目見え、当店新規看板女優でございますが、いつでもお宅の家宝としてお買い上げ頂いて結構でございますので、何卒ご遠慮無きよう!

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