一流ブランドの決まり事

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世の中何事にも決まり事がございます。しかし、これも所変われば品変わるというくらいで、世界に目を向けますと、それぞれお国の事情でこう言った決まり事とて、どこでも一様というわけにはまいりません。

例えば、日本ですとどんなお店に参りましても決まって、「いらっしゃいませ」と、お店の人に声をかけられるわけですが、たまに無視されたりすると、客を客とも思わぬ愛想の悪い店だなんてことになって、今ですとたちまちネットで曝されたりしてしまいます。

しかし、この愛想が悪いと怒っているお客の方も、お店の人に対して愛想が良いかというと決してそんなことはございません。たいていの場合は、店員が威勢よく、「らっしゃいませー!」なんて声をかけてくれても、ほとんどの人はそれを無視しているか、せいぜいが会釈を返すくらい。

「はい、いらっしゃいましたよ!遠路はるばるねー、もう道が混んでて大変だったのよ、あなた。 あ、そうそう申し遅れました、初めまして、わたくしジョージクルーニーと申します、なわきゃ無いか、ワハハハハ、本当は高田順三というんですけどね。当年とってちょうど六十歳。めでたく還暦を迎えた寅年の年男。とは言え、歳は取りたくないもの、身体のいろんなところにガタが来るしね。あなた方はまだお若いからそんな事はすっかり他人事と思ってるでしょうが、六十なんてあっという間。もう、ある朝起きたら還暦だったなんて感じ、まるでカフカか浦島太郎だよホント、ハハハハ。で、ここはいったい何を商っているお店かしら?」なんて言う風に、「いらっしゃいませ」の掛け声にきちんと対応している人は滅多におりません。

しかし、これが外国なんかですとHi, May I help you ? と疑問文が投げかけられるわけ。これにはちゃんとYes かNoで返答しなきゃいけません。それが礼儀というもの。しかし日本人はMay I help you? を「いらっしゃいませ」と思いこんでるから、日本と同じ感覚で無視するんですな、感じ悪!「なんや、こいつ英語わからんのか、ほんでもYesかNoくらい言えよボケ、中指!」となるわけですな。知らんけど。

ところが、お国が違っても変わらないのがブランドショップの威圧感。世界に冠たる名だたる有名ブランドのお店は世界中どこへ行ってもその荘厳な店構えと、そこから発する威圧感は変わりございません。これはもちろんそのブランドイメージをより高める演出な訳ですが、別の側面として、店側がその店の敷居をお客がまたぐまえから、お客を選別し、ふるいにかける仕掛けでもあるのです。「おまえら分かっとんな、うちら貧乏人の冷やかしはお断りやねん。しょーもないみすぼらしい風体して入ってくなよ、鬱陶しさかい。ウチの上得意様にも目障りになるし、店全体のせっかくの気品、商品イメージを損なうんや、貧民のドグサレどもは、分かるやろ口に出して言わいでも、忖度せんかいアホンダラ」こういうメッセージが込められているわけなんでございます。

実際わたくしなんぞも、宝石店に勤めだしました当初は、そんなインターナショナルな有名ブランドでは無いにも関わらず、店構えだけはそれに追随するような造りの、その会社の本店なんかに行った際には社員であるにも関わらず何やら気後れしてオドオドし、ビビりまくっておりました。なにせ普段の買い物は近所の万代百貨店、ニチイ、イズミヤといったスーパーか駅前のさびれた商店街しか言った事のない田舎の貧乏人。何を間違って宝石屋なんかに就職したんやろと、その本店に行く度につくづく後悔したものでございます。

しかしながら、そんな厳めしい造りの、しかも一応老舗と呼ばれる一流店に致しましても、扱っている品物は所詮国産の買い回り品がほとんどで、しかも委託と言って、問屋やメーカーからの借りモノがほとんど。その会社がデザイン、制作すべてを一から携わってこだわって拵えたなどと言う商品はもうほんの僅か。なぜかというとオリジナル商品というのは当然自社の在庫品になるわけで、それだけ資金が必要。

そんなんに金使うのアホらしがな、新地何回行けるねん?そんなややこしい事するよか、金のかからん張りぼてでエエさかい、厳めしい店構え拵えて、借り物の商品でもテキトーに並べときゃ、そこいらのアホが老舗の看板と店構えで勝手に良えもんやと思いこんで買おていきよるがな、オモロ!と当時の社長が語ったとか。知らんけど。

しかし、消費者の目は節穴ではございません。どんな商売でも付け焼刃、やっつけ仕事と言うものは自ずとメッキが剥がれ露見するもの。特に昨今の様にインターネットの普及によってさまざまな情報が簡単に入手できるようになってまいりますと、いい加減な商売はできません。そういった商法を行ってきた商店は時代の趨勢と共にどんどんと駆逐されていく運命にございます。

ところが、そんな日本の宝石店の店構えのお手本ともなった本家本元のブランドのお店はどうかと言えば、ますます隆盛の極みを突き進んでいるのでございます。

その理由は明らか。店の外見だけもっともらしく拵えても置いている商品が凡庸。例えて言うなら、仏作って魂入れず的な商売ではなく、豪華絢爛な店舗の中にはそれに見合う、否、さらにそれを凌駕するほどの素晴らしい品物が、しかもそこでしか買えないオリジナルのお値打ちを伴って用意されているからにほかならないからでございます。

例えばこちらのティファニーのバイザヤードペンダントネックレス。まるでニューヨーク五番街のお店をそのまま移植したかのような厳めしい外観の日本の主要都市に点在する各支店。私ごとき貧民はそのお店の前に立つだけで、まるで歴史的建造物かのような造りに恐れおののき、足がすくみ敷居をまたぐことすらできません。しかし、ここは勇気を振り絞り店内に一歩踏み入ると、そこはもう別世界、別空間。高級感というものがあたかも何かしらの気配、香の如くにその空間を満たし、場違いにも迷い込んだゴキブリ貧民のわたくしを押し出そうとするかのような圧が感じられます。

さて、ラグジュアリーの圧を存分に受けながら、ふとショーケースに目を移しますとそこにはこのバイザヤードペンダントの煌めくダイアモンドが夜空に流れるコメットさながら、ゴールドの鎖を彗星の軌跡の様になびかせ、ダイヤモンドの大きさごとに分けられて、一本づづ丁重に並べ置かれているのでございます。

勿論このお品、ティファニーにすれば普段ユニクロなんぞのTシャツとかに気軽に合わせてお使い下さいといった、至ってカジュアルな低価格買い回り品、所謂アクセサリ-ラインの商品として提供しているのですが、その品質のこだわりたるや、ダイアモンドの無色透明無傷無垢の輝きは当然のこととして、細かい留め金具から、丸環に至るまですべてのパーツをオリジナル、自社製品で設えてあるというから物凄い。

これくらいのこだわりと細心の技術を注がないと世界には通じないって事ですね。これが一流ブランドジュエリーのワールドワイドの決まり事。伊達に高いわけじゃございませんよ。

でもウチで買やぁ、ほらこんなお値段!

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