インクルージョン 秘すれば花

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昔から、色の白いは七難隠すなどと申しますが、歳をとってまいりますと、七難どころかいろんな難がこれに次から次へと加わり、刻々移ろう時の流れのまま、どんどん劣化の度合いが増して老醜を極め、遂には無残な骸となりて火葬場送り、哀れ枯れ枝のように燃されるのでございます。

私なんぞは最早この年で、洒落たなりして女性にモテたいとも思いませんが、家内は、どうも世間体を気にしてか、わたくしの風体身なりについて、年寄りが小汚くしてたら余計にむさくるしいから、もうちょっと洒落た身づくろいをしろと、いろいろと注文をつけてまいります。バッチシ決めたところでも、最早他所の女性からは振り向きもされまいと高をくくってのことでありましょうが、それは迂闊というもの、フフフ・・

世間ではこの老醜をごまかす手立てといたしまして、最近は美容整形なども気軽に行われているらしく、ヒアルロン酸注射やフェイスリフトなどは最早美容の常識、エステの範囲内だとか。なにせ、行きつけの歯医者にまで、ほうれい線を消すヒアルロン酸注射承りますなんてポスターが掲げてあるほどですから、皆さん気軽にシワの除去に励まれている事なのでありましょう。

まあ、最新のYes高須クリニックの若返り術などになると、なかなか一般庶民には手の届かぬ高根の花なのでしょうが、昔から一般的に行われてきた身近な若返り法の一つ、白髪染めなら手軽に始められます。確かに白髪が頭髪に出てまいりますと、その人物全体の印象が老けた、じじむさいものになってしまいます。そこでお金のある方は美容院なり理容院などでカットのついでに髪を染めてもらい、貧乏人は自宅のふろ場などで、真冬などは寒さに身震いしつつも、自らビゲンヘアカラーなんぞで御髪の染色を行うわけなのでございます。ただ、やはり日々成長する髪の毛を染めるということは、ある程度の頻度でもってマメに行わねばなりません。ずぼらをかましてほったらかしにしてると、かえって毛根の白髪の露出が目立ってきて、如何にも貧乏臭いみじめな印象を与えます。頻繁に自ら毛染めをするなんて無精なわたくしにはとても手に負える作業ではございませんから、これはパス。

第一、顔が年寄りなのに頭髪のみが黒々カラスの濡れ羽色というのも、なにやら昔の韓国の大統領みたいで、実に不自然な感じがいたします。ですから、芸能人なんかは、一部分の頭髪に白髪を残しつつ染めるみたいな、パートカラーの白髪染めを行われている方もおられるようですが、これなどさらに手の込んだ作業になりそうで、聞いただけで嫌気がさします。

また、頭髪ケアのもう一方の雄、薄毛、禿の隠蔽方法も忘れてはいけません。私なんぞもツムジ付近がかなり薄くなり、河童頭のザビエル爺さんになってきたので、その必要性を痛感しているものの、ズラやら植毛やらナヤミムヨーなど、どのような方法も見ても手間暇プラス結構なお金がかかりそうなのでハナから諦めざるをえません。一番可能性のありそうなのがテレビショッピングで見た、毛の薄いところにフリカケでも振りかけるように黒い粉を振りかけ、あたかもそこに黒い毛が密集してるかの如くにごまかす方法。実にお手軽でこれくらいなら横着者の自分にもできるかも分かりませんが、実は昔、この粉をふりかけている会社の先輩がおりまして、夏場になると黒い汗を流されていたのを覚えております。もちろん今は改良が進みそのような事も無くなっているでしょうが、どうもその印象が強く心に沁みついており、気乗りいたしません。

されば、今度は髪型によってこれをごまかす方法を検討してみましょう。一番一般的なのは九一分け。昔、竹村健一という評論家のオジサンがやってた髪型なんですが、もうこの髪型をしてること自体で、禿と言う事がばれてしまうほどポピュラーな禿隠しヘアースタイル。たまに、電車なんかに乗り合わせた人なんぞにこの髪型の人を見かけると、何で敢えて禿げてることの看板を掲げているかのようなヘアスタイルをしているのか不思議でなりません。第一この髪型ですと、突風が吹くたびごとに恐れおののかなければなりますまいて。

あと考えられるのが、今流行のツーブロックというヘアスタイルを流用する技。このヘアスタイル、毛の長い部分とバリカン刈りの超短髪部分に分かれているので、この短髪部分を禿げてる部分に当てはまるようにすればいいわけじゃないでしょうか。ただ、このツーブロック、写真とかで研究すると大体頭髪のすそ及び側面部分が短く、頭頂はふさふさと言うパターンがほとんど。唯一額から頭頂に向けての禿げ頭に適応できそうなのが、時代劇でお馴染みの、さかやきを剃り込むチョンマゲくらい。江戸時代だったら良かったんだけどねー。それともこのさかやき入りチョンマゲって、当時の禿隠しのすご技だったのかも。

さて、そこで怠惰で金も無いわたくしが安直に選んだ禿隠しの方法は実に簡単にしてかつ、お洒落を伴う一石二鳥のすご技。帽子を被るという手段。と言ってもそんなことは昔からみんなやってることで、何せ帽子の隠語は禿隠し。まあ昔から帽子は好きでよくかぶってるのでぜんぜん抵抗は無いのですが、そのせいで髪の毛が薄くなってきたという説もある。まあ、こうなりゃどっちでもええけど。

帽子のついでに老醜隠しの第二弾としては、ファッションアドバイザーの娘が教えてくれた技、首にスカーフやハンカチをまく手。どうしても年寄りになると、その老醜は首元に端的に現れます。なにやら皮がだぶつき、シワがより、イグアナか亀の喉元のような感じになったのを隠す狙いだとかで、ほらタケ先生もやってるよと、御年82歳のファッションデザイナー菊池武夫氏の写真を見せられ、なるほどと納得!

と言うわけで、今回は頭隠して尻隠さずじゃなくて、この帽子やストールと言った、装いの一つでその欠点を隠す技を、細工の工夫に使ったジュエリーのご紹介。

さてお立合い、こちらご覧いただいておりますダイアモンドプチネックレス。ダイアモンドの大きさがなんと1キャラットもある大層立派な品。ところがどうだこの値段!いくら中古品たって安すぎやしませんか?そう、それもそのはず色は無色透明ながらも内包物が一か所にかたまって黒く目立っている。鑑定書を取るまでも無くIクラスは当確。これを指輪にでも留めようものなら、あたかも頭頂に突然円形脱毛が生じたかの如く目立ってしまって商品価値が著しく減少するのは明らか。そう言う事ならその欠点を隠せばよろしい、とメーカーの制作担当者は何と爪の大きな一点留めのペンダント枠に留めたのでありましょう。その結果、黒い内包物のほとんどが爪下に隠れ、一見すると非常に綺麗で透明感のあるダイアモンドのペンダントの出来上がりとなったのでございます。

ルーペで覗いたら確かに爪下からはみ出したインクルージョンが見えますが、着用したものを肉眼で見た場合、爪のおかげで欠点は見事封印され、一見すごく高品質のダイアモンドペンダントネックレスに見えるというわけ。ハリー・ザビエル中野とミドルネームの加わった河童ハゲのわたくしが、帽子を被った途端に、あたかも岡田将生に見えるが如く!

ちょっと誇大広告が過ぎました故、訂正の上お詫び申し上げますが、こんなん上手に買わんとあきませんわ、奥さん!

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