「玉磨かざれば光なし」などと申しまして、折角のもって生まれた天賦の才も、たゆまぬ努力によって研鑽し続けなければ、その真価は発揮されない。というほどの意味の格言でございます。
現在行われております東京オリンピックに出場しているアスリートの諸氏たちはそういった才能と努力の融合が見事に実を結んだ見本のような人たちばかりでございましょう。
その点悲しいかな、わたくしなんぞは、何の才の持ち合わせも無き十羽ひとからげの凡人としてこの世に生を受け、その上何の努力も切磋琢磨も修行もせぬまま、その日暮らし無為徒食暴飲暴食の生活を長きにわたっておくってきた顛末として、かくのごとくに貧しく、うらぶれた果てた孤独な年寄りとなり、無惨にも朽ち果てた老醜を世間に晒し、恥を忍んで生きているような有様でございます。げに恐るべきは、お釈迦様の説かれた因果律の道理でございます。
さて、「玉磨かざれば光なし」の格言、一般的な広義の意味合いは上述の如くでありますが、わたくしが長きにわたって調査研究いたしてきました東洋体育、すなはちヨガ、気功、陰陽道、漢方医学、整体などの観点から論ずる場合、見解がいささか異なるようでございます。
東洋では心身健康の要諦、さらには宇宙を司る原理原則の根幹に位置する概念が「気」あるいはヨガで言うところの「プラナー」と呼ばれるもの。
「気」とは簡単に言うと、元気の「気」の事であり、一種の生命エネルギーであります。
「気は意によって導かれ血がそれに従う」と言われるように、東洋医学では気の滞りが病気を引き起こし、逆にその気を意識の力で体内にこれを能く巡らせることができれば、健康長寿の道は開けるという考え方で、これこそがヨガや気功の根本理念でもあるのです。
ヨガ、特にクンダリーニヨガと呼ばれる流派は、クンダリーニという言葉自体がこの気そのものを表しており、この気を開花させる、すなわちクンダリーニの覚醒を起こし、そのエネルギーを操る事を主眼に置いたヨガであります。
また、中国で盛んな気功もこの生命エネルギーである気を身体全体に巡らせる事を大周天、小周天などと呼び、ヨガ同様この気の体内循環が重要視されております。
このヨガと気功には共通する点が多くあり、これはヨガが仏教などの伝播と同じくインドから中国に伝えられ、気功に発展したという説もあるのですが、そもそも人体における原初の気、あるいはプラナーの発生すると言われる場所がヨガ、気功ともにまったく同一の身体の部位なのでございます。その部位とは日本で言うところの臍下丹田という身体の一部、つまりお臍からさらに下の下腹部の体幹部あたり。気功ではこの場所を気海と呼び、ヨガではクンダリーニというエネルギーの蛇がとぐろを巻いて眠っていると言われる、ムーラーダーラチャクラと呼ばれる場所がそれです。この思想が日本に渡来し武道の基本、胆力を育むと言われる、先述致しました臍下丹田の教えへと移行したものと考えられます。
さて、この臍下丹田、気海に眠るエネルギー、クンダリーニの蛇が目覚め活性化されるとどうなるかと申しますと、丹田から頭頂へとエネルギーが火山噴火のマグマの如くに一気に上昇いたしまして、身中はエネルギーが満ちあふれ、頭脳の回転が飛躍的に向上し、洞察力がまし、更にはサイキックなパワーが開花し、アニメでお馴染み、ドラゴンボールにおけるかめはめ波の波動の放出が可能となります。さらに心は愛と慈しみに満たされ、最終的に解脱、悟りの境地に至るそうでございます。
この丹田に秘められた無尽蔵の気のエネルギーの開放こそが真の意味での「玉磨かざれば光なし」の格言が指し示すところの、東洋における超人思想の根幹をなすものなのでございます。
さてこのクンダリーニ上昇のメカニズム、実は不思議な事にダイアモンドの輝きのメカニズムと見事に符合するのでございます。
そもそもダイアモンドといっても原石の時からピカピカ、キラキラと輝いているわけではなく、カットに一番適していると言われる理想的な原石の形、ピラミッドを上下に合わせたような正八面体のソーヤブルと呼ばれる良質な原石でさえ、見た目は氷砂糖か氷の欠片の様な状態で、決して目を見張り驚くほどの美しさではございません。それを皆様お馴染みの、まばゆいダイアモンドの輝きに昇華させているのがダイアモンドカット研磨の技巧。
特に1919年にマルセル・トルコフスキーによって開発されたラウンドブリリアントカットはダイアモンドを最も輝かせるように屈折率等の光学的特性を十全に考慮した結果生まれた宝石ダイアモンドの究極的な形。
このカットの仕組みを簡単に説明いたしますと、ダイア上部のクラウンと呼ばれる部分がレンズの役目を果たし外部の光を集めます。そしてその光はダイア下部のパビリオンと呼ばれる部分へと導かれ、そこで光が外に漏れ透過する事無き様周到に設計されたパビリオン角度の妙によって、再び光は全反射され上部に跳ね返され、お馴染みのまばゆい輝きとなって見る人の眼に映るわけなのでございます。
まさにこの下部に蓄えたエネルギーが眩い光となって放出される仕組みこそ、人体におけるクンダリーニの上昇そのものではございますまいか。
もちろんクンダリーニの覚醒がすべてのヨギ、すなわちヨガの修行者に起こるわけでないのと同様、ダイアモンドにおいてもこのラウンドブリリアントカットの精度が高くなくてはクンダリーニのような神々しい光を得る事はできません。
という事で、いつもの事ながら談志師匠のような長いマクラ、前置きとなってしまいまことに恐縮でございます。
さて、お立合い!
ここにお示しいたしたるは、かのギメル社製ダイアモンドパヴェリング。
この指輪、豪華にセットされておりまする宝石は大小すべてが言わずと知れたダイアモンド。
これらすべてのダイアモンドは一つとして欠ける事のない、最高のカットが施された最高品質のダイアモンドでありまする。
がゆえに、まさにムーラーダーラチャクラより上昇すると言われるクンダリーニのエネルギーかと紛うばかりの神々しい輝きがすべての石から発せられ、あたかも発光しおるやと人の目を欺くほどの強い光が目も眩むほどの輝きで煌めいているのであーる!
そして驚くことなかれ、この輝きの一瞥のみによって、ある者には真我の目覚め、則ち覚醒、エンライトメント、悟りが訪れるというから凄まじい!まさに驚異のクンダリーニパワー!
百聞は一見に如かず。さあ、すかさず買い物籠に進み、自らの秘蔵の家宝として存分にお楽しみくだされい!
ナマステー
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