おとぎ話から抜け出た指輪

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折角のオリンピック日本開催が、コロナのおかげで本来なら明るく楽しいお祭りムード一色となるところ、様々な問題を孕み開催自体に疑問符がつくような暗雲が、もわっと日本全体に覆いかぶさっているような空模様。

されど毎朝日本の朝を明るく元気付けててくれているのが、なんといってもメジャーリーグ大谷選手の大活躍。

「喝!」でお馴染み辛口野球ご意見番の張本さんですら手放しで大絶賛するほど。

巷ではアニメ、漫画の世界を超えたスーパーヒーローという事でアンビリバボー、アメイジングの大合唱。

かの劇画界の巨匠梶原一騎先生をしても、その産み出したるヒーロー星飛雄馬、矢吹ジョー、タイガーマスクを軽く凌駕する大活躍を見せる大谷翔平級のスーパーヒーローは産み出しえなかったのでございます。

さて、そのようなアニメ、絵空事の世界をさえ超えたとまでは言えないかも知れませんが、あたかもそのような仮想、空想の世界から抜け出したかのような指輪がこちらでございます。

 

いかがでございましょうか、まるでディズニーアニメの女王様の宝石箱のなかにしっかと鎮座ましますような、あるいは極悪非道な海賊のかっさらってきたお宝の中でひと際燦然と輝き、ヒーロー、ヒロインが目を輝かせながら海賊の眼を盗みこっそり手に取るような、このなんとも言えぬ存在感。このなんとも言えぬ漫画チックなデフォルメ感。こうやって実物を手に取って見ても、まるで実写版ディズニー映画の小道具の宝石かと怪しむほどの出来映え。

さて、この御伽草子の挿絵、あるいはファンタジックなアニメから抜け出たような指輪こそは、幼少期のあなたの心に宝石への関心、憧憬の萌芽を芽生えさせ、現在の石オタ、宝石マニアの道へと踏み出す第一歩のきっかけを生んだ原点。それゆえ、一目見ただけで。久々の邂逅、懐かしさ、デジャブ感を感じずにはいられぬはずでございましょう。

 

さてこの指輪、いかにもヨーロッパのヴィンテージ、アンティークという外観ながら、驚くべきことになんと現代のしかも、日本人デザイナーの手による作品なのでございます。

こちらはジュエリデザイナー清田智誠氏のオリジナルブランドCISEY (チセー)の作品でございます。ブランドホームページによりますと清田氏はイタリアで8年間のジュエリー製作修行ののち帰国して自らのブランドCISEYを立ち上げたとございますから、技術もヨーロッパ仕込みの本格派。

こちら、全体的にもっこりしたデザインの中心ともなる中石でございますが、いかにも中世ヨーロッパという雰囲気を醸し出す暗いピンクが妖しい魅力のルベライト、すなはちピンクトルマリンが使われております。ただし、この石の使い方、尋常ではございません。

通常石留した際、見えない底の部分に位置するパビリオン部分を逆さまにして上部に出して、敢えて指輪から天空へ向けて飛び出た感じにセットしてあるのでございます。こういった拵えは、バフトップカットと呼ばれる宝石のカットのカラクリと同様なのですが、バフトップの場合は上に飛び出た部分はカボッションカットのようににドーム型に丸みを帯びた研磨が施されているのですが、こちらはちゃんと面をとったファセット加工。しかもパビリオンのままのファセット加工ではなく、チェッカーボード状に細かく均等にファセットがカットされているのでございます。

この工夫は中世に人気があったダイアモンドのオールドマインカットやローズカット。あるいはブリオレットなどの雰囲気を狙った作者の意図があるのではないかと思われます。

さて、その中央に屹立した中石を幾重にも細かい彫金細工のような層が、ホワイトゴールドの色違いの部分を間に挟み豪華に取り巻いているのでございますが、その繊細な細工こそが、作者清田氏がヨーロッパで学び培った伝統技法をいかんなく発揮した、作品の真骨頂なのでございますまいか。まあそういった、細かい細工や石留の爪の間にもメレダイアがセットされている凝ったところなどはじっくり写真の方でご検証いただきます方がよろしゅうございましょう。

 

さて、話は一気にとんで車の話題。いまだに一部カーマニアの間で人気のある1990年代に日産から発売されたフィガロという小型車。そのレトロな風情が人気となり、製造中止となった今でも中古車市場で高値で取引され、なんとカーマニアとしても有名なロックギターの神様、エリッククラプトンすらフェラーリと並べて所有しているというほど。

しかし実はこの車、完全な日産オリジナルのデザインでは無いようなのであります。

 

アメリカの人気刑事ドラマ「刑事コロンボ」。このドラマをユーチューブで観てましたところ、コロンボの乗っているださいポンコツ車がなんとこのフィガロそっくり。早速ググってみるとこの車は1950年代から1960年代にフランスで造られたプジョー403という車種。

このプジョー403のポンコツぶりがコロンボのよれたレインコート姿とマッチし実に何とも言えない風情を醸し出しているのですが、そこを技術の日産、やっちゃえとばかり大幅に新車デザインの参考にされたのでございましょう。

さて、それと同様この指輪にも大なり小なり、きっとそのデザインの元となったアンティークの逸品があったのではないでしょうか。

いえ、何もそういったデザインの流用を批判しているのではございませんよ。

これは、何も宝飾品のデザインに限らずすべてのデザインに関して言えることですが、全く斬新、新機軸のデザインだけがデザインの進歩という事じゃなく、古い、あるいは現行のものを改良改善アレンジして新しい局面を開拓していくっていうのも、立派なデザインと言う事が出来ると思うのでございます。この指輪を見るにつけ。

 

あっそうだ、「刑事コロンボ」を参考にしてるのがもう一軒ありました。こっちはダサイおっさん刑事とは正反対の二枚目おっちゃんの起用でしたが、コロンボ同様、最初から正体の分かっている犯人の周到な犯罪計画を、切れ者刑事が見事暴いていく筋仕立て。そう、古畑任三郎でした。

 

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