パオーン、アフリカ象が好き!

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以前書いたブログで、自らを称してサイバーテキヤ、ネット寅さんなどと臆面もなく名乗ったわけでございますが、実際、宝飾業界にも、お祭りに露店を出し、それで全国を旅してまわる寅さん同様のテキヤ稼業のような方たちがおられます。

と申しましても、実際縁日や夜店などで露天商に交じって金魚すくいの隣なんぞでジュエリーを売ってるわけではなく、お店を開帳致しますのは、全国津々浦々の有名ホテルの大宴会場などで開催されます宝石展示会。お祭りはお祭りでも「宝石の祭典」

こうした宝石の展示会というものは有名百貨店や大手宝石製造卸などが主催し、それぞれの得意先を招待し、まとまった売り上げを作らんかなの魂胆の下、1~3日くらいの期間開催されるわけなのです。

このような会場の売り場構成は大雑把に分けて、ダイアモンドジュエリーのコーナー。色石ジュエリーのコーナー。パールジュエリーのコーナーといった一般ジュエリーの大きな流れのメインとなる陳列スペースと、デザイナーの作品やブランドジュエリー、カメオやサンゴ、アンバーなんかの特殊な装飾品や細工物。たまには高級な眼鏡や腕時計などがそれぞれ小さなブースやコーナーに分けられ配置されます。こういった小さなブースはその主催者の一部門が担っている事は稀で、大体が外部委託の業者さん達。この業者さんこそが実は宝石テキヤの正体。今日は東京のユーオータニ、明後日は大阪のリッツカールトン、来週は下関の地場産業振興会館といった具合で全国で開催される宝石の展示会やお着物お見立て会などカモ、もとい優良顧客の集まりそうなところならどこでも参上いたすわけなのです。

その会場でお客さんに売れた商品は、伝票上では一旦大元の主催者の会社に納品される形で最終的にお客さんの手に渡るという流れ。その流れの中で業界風にいうとショバ代、カスリが差っ引かれるわけでござんす。

こういった業者さんは大体小規模な個人商店に近い形態が多く、文字通り旅から旅のテキヤ稼業なのでございます。

大体、会場の搬入設営というのは宝石展示会の前日。まず陳列用の大きなステージやらひな壇、ガラスのショーケースや陳列のコーナーにひと際そびえたつハイケース、宝石を飾るリングの台やらネックレス用の首、クッション等が専門のケース什器リース業者によって搬入されます。そのあと、商品陳列という事で主催者及び参加業者が商品を搬入陳列に及ぶわけであります。

ただし、物がモノだけにその後が大変。主催者がセキュリティー会社なんかと契約してて設営後は万全の監視体制と補償を完備してる場合は良いのですが、なにぶんお金のかかる事、大抵は商品管理は自己責任にてお願いします、てな場合が多いので、せっかく並べた商品を全部撤収してその日の宿に持って帰らなければいけないのです。

さて、こういった宝石テキヤの中でも多いのが所謂ジュエリーデザイナー。ジュエリーデザイナーと言えばいかにも華麗で華々しい職業のようなイメージ。実入りも大層多い様に思われますが、これはどの世界でも同様ですが、そんなのは一部のトップクラスの人々だけ。あとはしがないその日暮らしのテキヤ稼業。搬入搬出設営全部ひとりでやって、安いビジネスホテルに帰って商品抱えながらコンビニ弁当の夕食をわびしく食べる。今を時めく、かの梶光夫先生すらそういう不遇の時代があったとか。ま、梶先生の場合は前職の歌手の名声があまりにも大きかった為、あっという間に人気が高まり、今では面倒な搬入搬出はスタッフに任せて、ご本人登場は本番のみ、いや、もう本番も息子さんに任せて滅多にお出ましになる事すらないのではないでしょうか?

そんな業界のレジェンドを目指して若きクリエーター達は信じた自分の才能を一つ一つの作品に込め世に訴えかけるのですが、世の中そんなに甘くはない。黙って台の上に並べてたってそんなものは誰も買ってやくれません。テキヤはテキヤなりの創意工夫と言うものが大切。

まず、陳列なんかでも出来合いの什器じゃ駄目。ネックレスを引掛ける首一つとっても凝った別誂え、ネーム入りロゴ入りなんかのお洒落陳列セット一式が必要。それだけじゃない。宝石を売るには宝石を売るプロが必要。もちろんデザイナー先生本人が寅さんよろしく手八丁口八丁、立て板に水とばかり弁舌爽やかにお客を引きつけ、持ち上げ、いい気持ちさせて買わせられりゃ面倒は無いのですが、天は二物を与えず。大体独り工房でシコシコ宝石を拵えようてな人は、お口の方は不調法にできてるもんです。そこでどうしても頼りたくなるのがマネキンと呼ばれるプロのセールス。マネキンは女性が圧倒的に多いのですが、大体芸能事務所のように、専属事務所に所属し、こういった勝負のかかった展示会などでは、ヤクザの出入りの用心棒さながら腕貸し稼業として事務所を通して雇われるわけであります。実際腕っこきの用心棒、A級マネキンともなると私が現役当時と言えばかなり昔になりますが、当時で日当3~5万円と聞きました。こういったマネキンさんをデザイナーさんはワンブースで最低二人は雇います。ケチってひとりにすると戦力は大幅ダウン。マネキン二人がかりの熾烈な攻撃はハイエナの狩りのごとくでございますから。

しかし、いかな凄腕のマネキンを雇っても勝負は時の運。まったく売れないなんて事もございます。そんな時この高級マネキンの日当がデザイナー先生の肩に重くのしかかってくる事は言うまでもございますまい。

さて、そんな艱難辛苦の末世に出たデザイナーの作品の一つがこちら。

 

岩間 大 作「アフリカの王」

いかがでございましょう、このタイトルどおり、正にアフリカの王と呼ぶにふさわしいこのアフリカ象の威厳に満ちたお姿。

陸上動物では最大の大きさ、10トンもの体重に達するその巨体は百獣の王ライオンすら道を譲る貫禄。アフリカにおいてはその圧倒的な存在感により、聖なる動物とも崇め敬われる巨象を、見事ジュエリーとしてその魅力を余すことなく再現した岩間大のこの技巧。

象の額にはルビーとサファイアが燦然と輝き、ダイアモンドの鋭い眼光があなたを射すくめる正に王者の威厳。

イタリアン伝統技法をもちいてデザイン、制作までを手作りにこだわる作者の魂があたかも乗り移ったかの如きジュエリークラフトの傑作!

「パオーン、アフリカ象が好き!」少年警察官こまわり君の名台詞も還暦過ぎの方ならご記憶でございましょう!

岩間大、岩間大を何卒皆様のお力によって艱難辛苦、地方ドサ周りの苦労がここに結実致しますようお力をお貸しくださいませ。

岩間大岩間大アフリカの王アフリカの王を何卒宜しくお願い致します。ありがとうございます。ありがとうございます。パオーン!

 

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