「この花は私です」てな台詞を人気アイドル、花の三人娘の一角を担う桜田淳子ちゃんが、歌の前説で語ってたのは、今を去る事四十年以上も昔の話。ちなみにこの三人娘とは中学生時代から健気に芸能の道で活躍されている山口百恵、森昌子、桜田淳子の諸氏である事は、同年輩にあたる還暦あたりのお歳の方ならちゃんとご存じのはず。
お三人とも結婚などを機に芸能活動から遠ざかり、それを嘆くファンも数多くおられましたが、ことに桜田嬢におかれましては、新興宗教教団入信、合同結婚式とセンセーショナルな話題で一時期芸能ジャーナリズムの恰好の餌食となっていましたね。
それはともかくとして、「この花は私です」のセリフで始まる歌の題名は「花物語」といって、自らを花に託した、少女の切ない初恋の気持ちを切々と歌っている楽曲でございます。
この歌の主人公ともとれる、可憐な少女の唄う歌を聴くは、ニキビ面の思春期、青年期の血気盛んな野郎ども。こやつ等は、歌の文句をまさに自分に向って打ち明けられた恋の告白のような錯覚に陥って聴き入り、もう前後不覚、無我夢中、全集中でアイドルの虜になってしまうのでございます。
これが、今でも連綿と続くアイドル商法の根幹ともいえる手法な訳でございますが、考えれば考えるほど奇妙なからくりでございます。
なにせ、この歌詞自体が可憐な少女、桜田淳子さん自身の創作ではなく、したがって本人の気持ちなどひとかけらも入っていない。この歌の場合で言えば阿久悠先生という日本歌謡史に燦然と輝く、超大家の手によるもの。さすが巨匠、実にツボを心得た巧みな言葉の操り具合ではございます。あの場末の安酒場でとぐろを巻いている、チンピラのような顔で、いけしゃあしゃあと臆面もなく「手に取って綺麗だと言ってくれるでしょうか」は恐れ入る。
つまり、血気盛んなお兄ちゃん達はアイドルの可愛い娘さんを媒介として、むくつけきおっさんに口説かれているようなもの。すなわち、可愛らしいお嬢ちゃんが運んできたむさくるしいオッサンからのラブレターを、お姉ちゃんからのモノだと勘違いして舞い上がっているようなもの。勘違いも甚だしい!
結果、勘違いした野郎どもは、このお姉ちゃんのレコードを買いあさり、コンサートに押しかけ、グッズを買いあさり、その結果プロダクションは大いに潤うという仕組み。
よく出来たカラクリよな、越後屋。
恐れ入りまするお奉行様。
お主もなかなかのワルよのう。
なーに、これもみんなお奉行のお仕込みで。
わはははは!
わははははは!
さて、そこでわたくしも、阿久悠先生にあやかって、などとまことに畏れ多い事ではございますが、ここはひとつ、こちらの商品をあなた様に売り込んでみようではございませんか。
「この花は地金です・・・」
あかん、詩心が全くないから後が続かない。阿久先生参りました。
ではいつもの様に粛々と商品説明を進めて参りましょう。
こちら最初に申した通り、地金、つまり18金のホワイトゴールドとイエローゴールドのみによって作られたリングなのです。
「それがどないしたんや?」とまったく宝飾品に無頓着な方はおっしゃるでしょうが、実はこういう地金だけの指輪と言うのは近頃では非常に珍しい。せいぜいが結婚指輪がいいとこ。
しかもこちら、デザインがフラワーモチーフ。お花をモチーフにした宝飾品と言うのは、宝飾品の中でもダントツに多いカテゴリー。でも大概はダイアをはじめ色とりどり、色んな種類の宝石で飾り立てられているのです。
しかるにこのリング、なんと地金で作った花びらやガク、花弁などというパーツ、パーツを組み立てて作った。まるで単純なおもちゃの細工のような造り。これは実にユニーク!
最初どこかのブランドかと訝ったものの、それを表す刻印等もまったく見当たらない。誰がこんなハイセンスな指輪こしらえたのでしょうかね?
なにせ、見た目が実にカワイイ。なんかレゴブロックでできたかのようなこの外観。それでいて正真正銘のゴールドってんですから、洒落てるじゃございませんか?
いかがです、「手に取って綺麗と言ってくれるでしょうか?」
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