さて、本日ご紹介いたします商品は、 こちらのメキシコオパールのリングでございます。
この石はメキシコオパールの中でもオレンジの色に因んでファイアーオパールと呼ばれるタイプ。大体オパールという宝石はメキシコオパールだけにかぎらず、大方のもはカボッションカットというお饅頭のようなドーム型にカットされるの事が多いのですが、こちらご覧のようにカットすらされていないほぼ原石のまんまの状態。
これは珍しい!
そもそもオパールという宝石は岩石と岩石の隙間にできるので、薄い層のものはボルダーオパールといって岩石ごと宝石材として切り出され、オパールが薄く張り付いている方を表面にし、底にあたる岩の部分は母岩と呼ばれます。
また、メキシコで採れるカンテラオパールというのは全体が岩でおおわれていて、その一部分の岩がはがれて中身のオパールが露出し、あたかも昔、炭鉱の照明器具として使われていたカンテラのような風情を漂わせるところがその名前の由来。
また、メキシコで採れるカンテラオパールというのは全体が岩でおおわれていて、その一部分の岩がはがれて中身のオパールが露出し、あたかも昔、炭鉱の照明器具として使われていたカンテラのような風情を漂わせるところがその名前の由来。
さて、このメキシコオパールもきっと最初は全体に、あるいは、部分的に岩石に覆われていたカンテラ状態ものと推測され、その層が薄く剥離しやすかったので、このようなナチュラルな原石状のまま取り出せたのではないでしょうか?そしてこれを更にカボッションなどにカットすると非常に小さなピースになってしまうため為、そのままの状態で商品化したものと思われます。
この商品を制作したメーカーの仕入れ担当者はきっと、原石のままの面白さに魅力を感じこの石を仕入れたのでしょうが、この石を回された製作担当部署はきっと頭を抱えたことでしょう。
「こんなんどないせい言うねん?既成のキャスト枠には当然納まらんし、デザインもこの石の個性を殺す事なくかつ、奇をてらうことなく一般大衆にウケるようにて、キッツイなー!」
「こんなんどないせい言うねん?既成のキャスト枠には当然納まらんし、デザインもこの石の個性を殺す事なくかつ、奇をてらうことなく一般大衆にウケるようにて、キッツイなー!」
その結果がこちら。一見手作り風でございますが、私の見るところ、リングのベースになる部分は既存のキャスト枠を使いリング上部の中石とダイアの脇石がごちゃごちゃーっとちりばめられている部分を手作りで補ったようにおもわれます。
一般的にこのような変わったデザインはその分製作コストもかかっているのと他に比較するものが無い為、高値で販売されている事がほとんど。ただし質屋がこれを買取る時はそのような諸々の諸事情を忖度することなく、地金と石の値段を合計するだけ。だからこんなに安くご提供できる。そんなからくりでございます。お奉行様。