さて、ご覧いただいております浮き輪のようなペンダント。こちらはカルティエの名高いラブシリーズのラブネックレスでございます。
カルティエと申しますと、以前もご紹介いたしましたが、
「Jeweller of kings, king of jewellers 王の宝石商、宝石商の王」とウィキペディアにもある通り、1847年、ルイ・フランソワ・カルティエによって花の都フランスはパリの地で創業されて以来、ヨーロッパの王侯貴族御用達の宝石商として不動の地位を築き上げ、今に至るも世界中の富豪、セレブたちのあこがれのジュエリー、高級時計のブランドなのでございます。
その中にあって不動の人気シリーズが、こちらのネックレスが属します、ラブコレクション。
ラブコレクションは1970年にニューヨークで誕生したとありますか、らもう半世紀の間カルティエの顔として人気を集める、奇跡的な定番商品でございます。
なぜ、これほどまでにこのシリーズは人気を博しているのでしょうか?
それは、第一にその名前の由来ともなるLOVEの命名。恋人たちの愛がいつまでも続くようにとの、祈りと誓いのしるし。これを贈り合うことがロマンスの最終章。契約の調印。そういう意味で、このシリーズの結婚指輪、婚約指輪は結婚目前のカップルに圧倒的な人気を得ているのでございます。
さて、次にやはりデザイン。シンプルでありながらユニーク。印象的なビスモチーフはこれまでに無い画期的、かつ斬新なデザインとして、新しいもの好きのニューヨーカーの度肝を抜いたとか。なにせ、ジュエリーにマイナスのネジ頭が堂々とデザインとしてくっついている。なんじゃこりゃー、と当時のニューヨーカーが優作の真似して叫んだとか。
さて、このビスのデザインですけど、ちゃんと深い意味があるのでございます。これはなんと中世の女性が着けていた、あるいは着けさせられていたというべきか、貞操帯に刻まれていたビスをイメージしているとか。これを贈り合う事で男女はお互い、操を守りましょうというお約束。しかし、現代の若者、いえ、いい大人ですら貞操、操なんて言葉、あるいはその意味するところを知ってる人なんて稀。知らないんだから当然、貞操など守れるわけはない。
ま、そんな意味合いの起源は知らなくても、愛し合う二人が贈り合って満足すればそれで一件落着。
それでは、こちらのペンダントネックレスを検分していきたいと存じます。
まず、ペンダントでございますが、直径が約23ミリ、厚みが約2.8ミリの大きさ。円盤部分の中身が抜けた輪っかの形状。その輪の幅が約3.8ミリ。ぱっと見はまるでホームセンターなんかで売ってるワッシャー金具そのもの。
このペンダント表面、時計の文字盤に例えて1時3時5時7時9時11時の位置にマイナスビスのマークとダイアモンドが交互に配してあります。そして裏面下部にはLOVEと刻印がございます。ただしこの刻印Oの文字とEの文字にはマイナスビスのマークがそのまま使われていて、これを強引にOとEに読ませる仕掛け。おしゃれじゃございませんか。
そしてこのペンダントを吊るす鎖でございますが、こちらもご覧の通り、ホームセンターで売っているような、いかにも機械のパーツ然とした角アズキと呼ばれる、鎖の原初のデザインが用いられているのでございます。
つまりこちらのペンダントネックレス、ビス模様の刻印とダイアモンドが無ければ如何にも無骨、まるで機械パーツで簡単に組み立てたかのような単純明快なデザイン。
これこそが、創業200年に達しようかという、世界に君臨するジュエラー、カルティエが試行錯誤の末達した愛・LOVEの形。Simple is best の境地ではありますまいか。つまり、ビリージョエルが歌うところの I love you just the way you are いうことちゃいますん?知らんけど。
という事で、はるか昔、結婚指輪にラブリング送ったお父さん、長きにわたる結婚生活の間、操を守れなかった罪滅ぼしに、奥さんにおひとつどうどすえ?
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