惚れてしまえばアバタもエクボ

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前回のブログで取り上げましたのは、谷崎潤一郎先生の随筆でございますが、先生がお書きになった数多くの小説の中に、「蓼食ふ虫」という作品がございます。

蓼の実というものは非常に苦く、たいていの動物は敬遠するのだそうですが、その苦い実を好んで食べる虫もいるというところから、”蓼食う虫も好き好き”と云うような故事が生まれたそうでございます。

まことに人の好みというものは千差万別。広い世の中、中には驚くような変わった嗜好、好みというものをお持ちの方がおられます。

例えば、男性の異性の好みの傾向などには、デブ専、ブス専、フケ専、またその逆のロリコンと、もっぱら偏ったタイプの異性でないと何ら心の炎がむらむらと燃え立たたないといった困った奴等がおります。

まあ、デブ、ブス、フケに関してはそれなりにお好きになさればよろしいのでございますが、ロリコンだけはマズイ!一歩間違えば犯罪者にもなりかねませんからね。

あと、こういった(専)からさらに発展した(フェチ)というものがございます。これはフェティシズムの略で、本来この言葉は呪物崇拝と訳されるそうですが、一般的には異性の身体の一部などに性的魅力を強く感じる嗜好を指すのでございます。たとえば脚フェチ、指フェチ、腋フェチ、髪の毛フェチ、耳フェチ、臍フェチなどなど、文字通り身体の特定部位に性的興味が集中するものから、匂いフェチ、下着フェチ、ハイヒールフェチなどといった間接的でより高度な妄想力を要するフェチまで広範囲、複雑多岐にわたっているようでございます。

こうした所謂変態性欲趣味などと呼ばれ、世間から白い目で見られるような傾向は、もっぱら男性に多く見受けられるようで、女性のブス専、フケ専、デブ専、ロリコン、あるいは各種のフェチの趣味があるという話はあまり聞いた事がございません。干してある洗濯物の男性の猿股を狙う女性の下着泥棒など聞いたためしがございませんからね。ジジイのわたくしとしては、せめて女性のフケ専だけでも急増してくれればもっと楽しい社会になるだろうにと切に願うわけでありますが。

さて、手前のようなウブな初心者、普通の美女専、まったくの凡人には、そういった鋭い感性と妄想力を要する奥深く楽し気な趣味の世界は全く想像のおよぶところではございませんが、唯一理解できそうなジャンルがブス専の世界。

と申しますのも、物事の美醜を判断するのはあくまで個人の感性によるところが大きいわけでございまして、わたくしの知人なども、長らく連れ添うカミさんを絶世の美女と崇め続け、愛妻家の誉れも高いのですが、周囲からは秘かに筋金入りのブス専と囁かれているのでございます。

あるいはまた、愛犬家の趣味というものも複雑多岐に分かれており、誰がみても可愛らしいトイプードルやチワワ、マルチーズなどの犬種に人気の集まるのは頷けるのですが、中にはブルテリア、パグ、ブルドッグなどといったブス犬をブサカワイイなどといった造語までも生み出し、愛でるペット界のブス専まで出る始末。

ことほど左様にブスというきっちりした基準、定義が確立していない世間におきましては、或る人の目には美と映るものが、別人には醜となり、醜なるものが美ともなりうるのでございます。

こういった傾向が大きく現れるのが、宝石の場合ございますとオパールの世界ではないでしょうか。

オパールとはご承知の通り、遊色効果と呼ばれる、石の傾きを変えたりして見る方向を変えることによって、あたかも万華鏡を覗いたかのように様々な色の変化がその表面に浮かぶ不思議な視覚効果を楽しめる石なのでございますが、この色の変化も千差万別、人の人相と同様一つとして同じものがございません。したがいましてその好みも、斑の出方や色目によって大きく分かれるところでございます。また、この変化の妙を追い求めオパールのみをせっせ収集するコレクターもおるやに伺います。

ご覧いただいております指輪に留まっておりますブラックオパールは、字通りブラックの地色にブルーとグリーンの遊色が鮮やかに浮かび、なにやら宇宙から眺めた地球のような外観を呈しております。

ブラックオパールとして評価が高いのはハーレクインとかピンファイアなどと呼ばれる斑の出方に、赤やオレンジ、イエローなどの華やかな色がカラフルに混入しているというものが良品とされております。こちらご覧いただいておりますオパールは、斑の出方こそ大ぶりの斑点がくっきり観察され、ハーレクインに近いような柄なのですが、いかんせん華やかな色目を欠き、カラフルさが見られません。ただしこれとてお洋服やお着物の柄行と同様、自ずと好みがわかれるところ。

エルメスやレオナールなどの鮮やかでカラフルなプリント地がお好みの方がおられるの一方、川久保玲氏や山本耀司氏のモノトーンにご心酔のご婦人ももちろん数多くおられるはず。

この指輪など、この神秘的な深いブルーグリーンが、さぞやコムデギャルソンやY’sのお洋服にバッチシ絡んでいい仕事をしそうな、いかにも日本人好みの渋い色合いではございませんでしょうか?

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