ブルーノートに乗じ美女口説く飛道具

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昔、大阪のミナミにバンビという小粋なジャズ喫茶がございました。ジャズなんて皆目わからぬ学生時分から、そのお店の雰囲気が好きでよく訪れたものでございます。

宝石屋に就職してからも、ちょうどミナミにあった虹の街、今はなんばウォークと名前も改まっていますが、地下鉄の湊町から日本橋の駅に続くショッピングモールにあった支店に配属された時なども、よく休憩時間や、待ち合わせの場所として訪れたものでございます。

ちょうど近所には、知る人ぞ知る大阪名物インディアンカレーの法善寺横丁のお店があり、ここであの、甘くて辛くて美味しいカレーを食べて後、こちらの香り高く苦いコーヒーを頂くのが当時の何よりのささやかな愉しみでございました。

そのジャズ喫茶バンビのウリは、何と言ってもJBLのパラゴンという日本には数えるほどしかないという、とんでもないスピーカー。普通の縦型長方形、箱型のスピーカーとは似ても似つかぬ、横に長い、全長で言えば2メートルくらいはあったのでしょうか、それ自体が何やら芸術的オブジェのような、高級家具の様な見るからに荘厳な佇まい。そこから流れる出る曲はもちろんクールなモダンジャズ。当然音源は昔の黒いビニール製のレコード盤にレコード針を落として聞くアナログ方式。まあその音の良い事と言ったら、と言えたらかっこいいのですが、生憎オーディオなんぞにまったく疎い鼻たれ小僧が判ったような顔をして、聴き惚れているふりをしていただけなのでございます。

店のウリは何も音楽やオーディオだけにはとどまりません。先程も申しましたように、ここのコーヒーがまたよろしい。今のコーヒーと違ってやたら濃くて苦い。18世紀のフランスの政治家、タレーランが語ったコーヒーの味の定義、「よいコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、愛のように甘い」。まさにこの定義にぴったりの風味とアロマであるよなー、と一口すすっては妙に納得してた鼻たれ小僧の僕。

またそのコーヒーは見るからに高そうなコーヒーカップとソーサーによって供され、そのソーサーの上には小さい金属製の銀色のピッチャーに入ったクリームと、スプーンに乗せられた角砂糖が二つ行儀よく乗っている。どうですイキでござんしょ?

さらに店の床は本物の木材を使った寄木張り。油を欠かさず塗っているせいかその香りが店内に仄かに漂い、壁や棚には絵画や陶器などが嫌味なく飾られ、店奥の壁には店名バンビの語源なのか、角の立派な牡鹿の頭部のはく製がうやうやしく掲げられ、店内を睨んでおりました。

このお店を一口で申しますと、洗練された大人のお洒落な雰囲気とでも言いましょうか、ハイカラでモダーンなお店とでも言いましょうか。しかし残念ながら時代の趨勢に押されて、もう20年以上前に廃業なさったのが本当に悔やまれます。

さて、ジャズという音楽にまつわるものは、このお店に象徴されるように実に洗練されたお洒落、粋な物事が多ございます。これはその演奏するミュージシャンにも当てはまるようで、フォークミュージックやロックを演る野郎どもが破れたジーンズやちびた下駄、工事現場の安全靴なんぞを履き、むさくるしい長髪をラーメンの汁とともに啜っているありさまとは裏腹に、ハリスツイードのジャケットにフランネルなんぞのパンツを小粋に合わせ、アスコットタイなんぞで優雅にキメてまことにダンディ。50年代から60年代の海外のジャズミュージシャン、例えばマイルス・デイヴィスに代表されるクールでいかしたジャズミュージシャンは言うに及ばず、日本のオールドジャズプレイヤーもカッコイイおじさん揃い。わたくしの若い頃にもピアニストの世良譲さん、クラリネットの北村英治さん、サックスの松本英彦さん、同じくサックスのナベサダこと渡辺貞夫さん、ドラムスのジョージ川口さんなど、みんなもうダンディとはこういうものかと感心する、男性のお洒落のお手本のような方たちばかりでした。

さて、喫茶バンビの顧客層にもやはりそういったシャレオツおやじに感化されたような、うーん渋い!と唸るような、大阪ミナミでは滅多お目にかかれないような素敵なおじさま方が数多く見受けられました。

さてそういったジャズ界のプレーヤー、オーディエンスひっくるめてのお洒落の達人のおじさん達に共通するお洒落の必殺技、マストアイテムと言って良いのが、私の睨んだところ指輪なのではないかと思うのでございます。この小道具を上手く着こなすことができたなら、もうあなたはお洒落の達人。ダンディ坂野。女性にモテる事必定。

正面の壁面いっぱいにありとあらゆる洋酒のボトルが並び、ジャズが静かに流れるバーカウンターで美女と隣り合わせ。その流れる曲の蘊蓄をさりげなく語る。「この曲は多分ニューヨークのヴィレッジヴァンガードのライブでバックにチャーリーミンガスがサポートで入っているはずなんだよ」などと口から出まかせ。オリーブ漂うドライマティーニのカクテルグラス掲げるその手にさりげなく蠱惑的な宝石輝かせれば、たちまち美女はあなたの虜、知らんけど。

まあ、実際当時のミナミの盛り場などでは数多く、大仏の如きパンチパーマのヘアスタイルに極太キヘイネックレスを首からぶら下げ、クロコダイル革の靴を履いたいで立ちのオジサンもよく指輪をひけらかしながら歩いていたものですが、そういった流派とはまた別の流れ。あちらの流派の指輪は喧嘩の際の武器、凶器兼用の用途でございますが、私がここで声を大にして主張致したいのは、あくまでこちらはナンパ用、対美女の武器としてでございますれば、くれぐれも誤解無き様お願いいたしたい。

さて、ご覧いただいておりますこちらのメンズリング。是非ともそういった軟派流抜刀術師範クラスの使い手にご愛用頂きたい最高のサファイアメンズリングでございます。

こちらリングの内側の刻印を見ますとブランドかメーカーのホールマークらしき印と18金の金性を示す750の数字が打刻されております。ただしサファイアと脇石のダイアモンドの石目を表すキャラットの刻印がございません。これは750の刻印からも推測される海外製品の特長。したがいましてはっきりした石の重さは申し上げられませんが、中石は大きさから推測するに2キャラット前後はあろうかと言う立派なもの。内包物もサファイアにしてはかなり少なく、綺麗に澄んだ、ムラの無いサファイア独特の群青色を呈しております。そしてこの中石を取り囲みますメレダイアモンドも直径が約2.1ミリが17個、およそトータルで0.5キャラットぐらいの石目はあるかなというところ。このメレダイアもかなりの高品質。海外一流ジュエリーブランドが使用する品質のものに全くひけをとりません。このメレダイアの品質一つ取って見ても、この品物の素性の確かさの裏付けとなるのでございます。

パンチパーマ系顧客層に向けて作られる事の多かった国産メンズリングは、いかんせんイカツイ、はったりの利く見た目重視ながら、品質がイマイチというものが中古品として流通するものの中でもかなりの割合を占めるはず。また、そのオーナーの荒んだ暮らしぶりを反映してか、傷みの多いものがほとんど。しかるにこちらは海外製造の高品質素材。しかもメンズリングに多い痛みがほとんど見受けられません。

そういった意味でも、まさにメンズリングの掘り出し品。こんなのは滅多出るもんじゃあない!日本で一番指輪が似合う男、伝説のファッションデザイナー、菊池武夫先生にも堂々とお勧めできる当店自慢の紳士用指輪でございます。

タケ先生買ってちょんまげ!

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