愛犬家胸キュンブローチ

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昔、まだおっちゃんらの学生時分、いうからまあ大概昔やね。大阪はミナミの千日前に国際劇場いう映画館があって、今で言うところの十八禁の映画とかをよう上映してたんや。いや、早合点せんといてや、そこによう映画観に行ったいう話ちゃうで。こう見えても学生時分は石部金吉、堅物、まじめ一本で通っとったんやから。そんな不謹慎な所なんぞいくかいな、一人では。

いや映画の話やのうて、その映画館の横に、たしか「マルエイ」さん言うたかな?バッタ屋があったんよ。あっ、バッタ屋がわからんか?そやな、バッタ屋って最近見かけんわなー。

今の言葉でいうとディスカウントショップ言うんかな?倒産品とかを安う仕入れてきて、安売りするお店やね。ほんで、そこのお店の名物が「啖呵売」。

啖呵売いうのは、昔は縁日やお祭りの屋台なんかでよく目にした風景やけど、最近はそういう場所でもすっかりお目に掛かれんようになってきたわねー。

まあ、早い話が映画「男はつらいよ」で主人公の寅さんがテキヤの本業でやってるアレ、あの販売方法。えっ?寅さん知らん。さよか。寅さんを演じてた渥美清さんが亡くなって二十年以上たつもんなー、そりゃ無理ないわなー。

まあ、簡単に説明すると、お客さんをある程度寄せといて、その前で面白い台詞、可笑しい話をしながらお客さんの興味をグーっと引き寄せておいて、それを一気に商品の興味へ転換させ販売に繋げるという、エンタテイメントと商売を掛け合わせたような独特の販売方法なんやね。

例えば、「さて、いいかねお客さん。角は一流デパート、赤木屋 黒木屋 白木屋さんで、紅白粉(べにおしろい)つけたお姐ちゃんから、ください頂戴で頂きますと、五千が六千、七千、八千、一万円はする品物だが今日はそれだけくださいとは言わない!」などというセリフを立て板に水の如く、矢継ぎ早にまくしたて見物、お客を話術に引き込んでいくわけや。

こういった販売手法は、今でも百貨店やスーパーでよく見かける鍋窯包丁なんかの実演販売とか、テレビのジャパネットタカタさんのやり方に相通じるわね。

さて、話は戻るけど、先の国際劇場横のバッタ屋さんの場合は店頭に販売の為のテーブルを設えて、その後ろに啖呵売する売り手のおっちゃんが立ち、マイク片手にテーブル上に出された品物を次々色んなことを言いながら売っていくわけやねんけど、そこは大阪、立て板に水とはいかんねん。せいぜいが横板に泥いうか、もっちゃりしとんねんこれがまた。まあ、江戸落語と上方落語の違いみたいなもん?知らんけど。

まあ、私なんぞも学校さぼって用も無いのにミナミうろうろしてた時、よく見物させてもろたんですが、まあそんな学生は格好の話のツカミの餌食やね。

 

「はーい、ほな始めるでー、ええか?ほらほら、遠慮せんともっと前に来て聞いてや、聞くだけではゼニ取らんねさかい。ほら、そこの兄ちゃんももっと前へ前へ。別に買おてもらおうなんて思てへんさかい。学校サボって、こんなとこうろついてる学生の懐具合に期待はしとらんよおっちゃんも。なんぼかでお金に余裕あったらこんなんモン見物せんとお隣の映画観たいわな、その若さなら、ちゃうか?わはははは!」

これにつられ他の見物からも笑いが漏れ、観客と演者が一体となっていくわけやね。その頃はこっちも今みたいな爺さんやのうて、まだウブな青年や。一人顔面紅潮しとるわけやねんけどね。

 

でや、何で啖呵売の話をしとるか言うとやね、まあ、おっちゃんのこの毎回のブログちゅーもんを通じてやっとることも、これ一種の啖呵売みたいなもんちゃうか、いう話やねん。

言わば、サイバーテキヤ、ネット寅さんや。違うか?

さあそこでや、今日はおっちゃんの原点、青春の一ページとも言うべき千日前のバッタ屋風に商品をお勧めしてこうかという趣向やねん、まあ、たいした趣向でもないねけど。

さて、ほな、これからが本番や、いくで。

はい、始めまーす。はい、遠慮せんともっと前へ、グーっとパソコン、スマホの画面に近寄ってよ。急に画面から商品が飛び出したりせえへんからね。当たり前やっちゅーねん。

 

さて、こちらに取りい出しましたるはご覧の通りの可愛らしいワンちゃんのブローチ。ワンちゃん言うても現ソフトバンクホークスの会長違うよ。って、古い例えや。誰もわからへん。あの王会長を今でもワンちゃんなんて呼んでるのは、野球解説で元チームメイトの張さんくらいちゃう?「喝-ッ」言うてはる怖そうなおっちゃん。浪商やからね、イカツイよ。野球やってなかったらきっと渡世人になってたクチやね、きっと。

 

さあ、太古の昔より、犬は人間のベストフレンドちゅうくらいで、「忠犬ハチ公」やら「南極物語」ね、犬と人間の心温まる話はなんぼでもある。お集りのみなさんの中にも犬飼ってるまたは昔飼ってた言う人も多いんちゃいますか?なー、いや別の手エ上げいでもええからね。

どうです?このブローチとは言え可愛らしい笑顔!犬飼ったことのない人は「なんで犬が笑うねん、笑う訳あらへんがな」とおっしゃるでしょう。でも笑うんですねー!だいたいがこのように舌を出して口角をあげて笑うんですな。いや、それって、単に笑ってる様に見えるだけちゃうん?と、疑念を抱くそこな青少年よ。いや、見えるだけやない、ちゃんと目が笑っとる。瞳が喜悦に満ち満ちとる。おっちゃん等の商売用の死んだ魚の目の愛想笑いとは全然ちゃう。本物の喜びに満ちた笑顔や。しかも、こちらのワンちゃんの笑った目は何とエメラルドで出けたーる。そして、首輪はなんとダイアモンド、ついでに尻尾にもダイアがあしらってあるから贅沢なワンちゃんや。きっとエエシの家の子やね。しょうもない雑種犬とは大違いの血統書付きの子や。そしてこの胴体部分の細工もちゃんと毛並みの良いところを見せたろいうことで、つや消しのヘアライン仕上げが施してある。どう、この凝りよう。ホンマに生きてるような存在感、愛くるしさ!そしてこのワンちゃんのポーズ、愛犬家のあなたならもうお分かりですやろ。そう、マテのポーズ。何を待ってるかというと、もちろんあなたのお買い上げを待っているいるにきまってますやん。健気でっしゃろ?

小さいながらも手の込んだ細工と、エメラルド、ダイアモンドを贅沢に使ったこのワンちゃんのブローチ。金価格高騰のおり、ここから目と鼻の先、大阪なんばの高島屋、あるいは心斎橋筋の大丸百貨店の宝飾品売り場、はたまた老舗宝石店芝翫香さんなんかで紅おしろい付けたおねえさんからお買い求めいただくと二十万、三十万は下らぬ代物。いやほんま。それが、ネットで姿は見えんとはいえ、むさくるしいオッサンから買う、中古品というだけでこの安さ!もちん新品仕上げ済みで使用の痕跡はまったくナシ。こんなん買おとかなアカンわ、ハイ本日の一押し掘り出し品!!

 

「買ったー!」

ここでホンマのテキヤやったら佐藤蛾次郎扮するサクラが一声かける訳やけど、そこはサイバーテキヤの弱点。悲しいかなサクラがおらん。しかしウチはどれも大概一点ものばかりやから、先にサクラに買われると困んねけどね。

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