フェルメールが恋に堕ちたアウィナイトのブルー

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「一目会ったその日から、恋の花咲くこともある」のキャッツフレーズで始まる視聴者参加型恋愛バラエティー「パンチDEデート」。もう半世紀近く昔の関西ローカルでの人気テレビ番組です。

今や、関西お笑い界の重鎮となられた、三枝時代の若き桂文枝師匠と叙勲、西川きよし閣下、お二人の軽妙な司会で、一般視聴者の男女が登場してお見合いをするという、単純な内容ながら、高視聴率を稼ぐ人気番組でございました。

両師匠、一目会ったその日からとおっしゃってますが、厳密に申さば、一目会った一瞬にその相手に心奪われるのが、世に言われるところの一目惚れの正しい定義でありましょう。

目と目があった瞬間、まるで写真機のシャッターが切られたかの如く、その刹那の映像が強く心に焼き付き、どうにも消せない印象となって脳裏から離れません。

その印象を絵画に残したのが、フェルメールの傑作「真珠の耳飾りの少女」ではなかろうかと、わたくし勝手な解釈をいたしました。

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何かの拍子に一瞬振り返る少女。

鮮やかなブルーの布でまとめられた髪と、大きな真珠の耳飾りがゆれる輪郭に縁どられる、白く輝く若い肌。

何かを呟いたのか、やや開いた、紅も鮮やかな瑞々しい唇。

そして、澄んだ瞳が一瞬こちらの視線を捉える。

その刹那、脳内のチャンカワイが雄叫びをあげる。 

「惚れてまうやろー!」

この「美少女への一目惚れ」のテーマに託した、フェルメールの真意は何であったのでしょう。

それは、きっとこの少女の頭髪を覆うターバンの、鮮やかな青色を産み出した顔料への想いだったに違いありますまい。

この青色の元となった顔料「ウルトラマリン」に出会った瞬間、フェルメールはこの色そのものに恋をしたのです。画家として探し求めていた理想の色に漸く巡り合えた感動は、我々凡人のはかり知るところではございません。

しかも、後世【フェルメールブルー】とまで言われるほど、フェルメールのこの色への執着はものすごく、当時大変高額であったウルトラマリンを大量に買い占め、その結果、後年一家は破産に見舞われてしまうほどであったとか。

さて、この天才画家の心を奪ったウルトラマリンという顔料は、宝石ラピスラズリから生成されるのでございますが、そのラピスラズリを構成する主要な鉱物の一つが、これからご紹介いたしますアウィナイト。

実際ラピスラズリという宝石は様々な鉱物が混じりあった岩石で、外見からしていろんな色がまじりあっております。その中にあってひと際鮮やかに際立って美しい鉱物こそが、このアウィナイトなのです。つまり、ウルトラマリンを魅力ある色に仕立てている主役なわけでございます。

ご覧くださいませ、この目の覚めるような鮮やかな青色。いや、青なんて言ったら野暮ですね、瑠璃色てんですよ。瑠璃ていうのは、そのものずばりラピスラズリの事。しかもラピスラズリの一番鮮やかな色を抽出したエキスみたいな宝石の結晶ですから、もうウルトラマリンを超える美しさ。

ご存命ならフェルメール先生にも一目見せてあげたいほど。

 

さて、このアウィナイトまたはアウィンと呼ばれる宝石、世界広しと言えど、ほとんどドイツでしか採れない。しかも0.1キャラット以上の結晶は稀という極めつけのレアストーン。しかも高度が低い為、石留作業中に破損することも稀ではない。

その美しさと、希少性でダイアをも凌ぐ取引価格と言われる、この宝石を使ったのが、こちらの指輪。

なんとアウィナイトが0.49キャラットもございます。0.1キャラット以上は稀と言われる石種でのこのサイズは、もう特大といっても過言ではございません。そしてこのリング枠がまた凄まじい。なんとリング指腹までダイアモンドで完全に覆われたエタニティパヴェセッティングとでも呼びたくなるような造り。

しかもこのパヴェ細工、一目見た印象で、あのギメル社製の物かと目を疑うほどの素晴らしいダイアモンドが使われております。この細工からみてとれますのは、こちらの前オーナー様は、先ずアウィナイトをルースのままで購入したのち、ご自分のジャストサイズでフルエタニティ―タイプのパヴェリングを、金に糸目をつけずにオーダーなさったのでございましょう。いやーいい仕事ですけど、お高かったでしょうね、これは。

という訳でこのリング、少しでも宝石にお詳しい方がご覧いただくと、中古であるという事を差し引いても、実に格安である事は容易にご理解いただけると存じますが、一つ二つおことわりがございます。

先ず、このアウィナイト、ルーペを通して観察いたしますとテーブル面とファセットの稜線にいくつかの小キズがございます。これは最初から有ったものか、あるいは前オーナーが着用の際に誤ってつけられたものかは定かでございません。しかし実際この程度の小キズは通常ですとリカットで簡単に除去できるのですが、なにぶん石自体の脆さと、それに伴うキャラット重量の低減を考慮にいれ、そのままにしております。

そして、もう一点がこのリングサイズ。こちらは先ほども申しました通り、リングの下部、指腹と呼ばれる部分までびっしりとダイアモンドが留められております。したがいましてサイズ直しができません。サイズ8号の方限定のシンデレラサイズとなっております。

さあ、この指輪に一目惚れしたシンデレラ、出でよ!

掲載ページはこちら → https://item.rakuten.co.jp/douxperenoel/01003275/

 

さて、今回もこの様な駄文に最後までお付き合い頂き、まことにありがとうございました。

今年はコロナ禍でどちら様も大なり小なり、なんらかの難儀をご経験されたかと存じます。

この場を借りまして、お見舞い申し上げます。

来年は皆様方に、それを埋め合わせて余りある幸せが訪れますよう心よりお祈り申します。

ハリー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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