バブルなんて目じゃない、狂乱のジャズエイジを彩ったティファニー

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ニューヨーク五番街の宝石店ティファニーは言わずと知れたアメリカ合衆国を代表する宝石商でございます。

映画「ティファニーで朝食を」のお陰で、お店がニューヨークの観光名所になるはるか以前より、映画の原作者トルーマン・カポーティがわざわざ小説のタイトルに店の名前をすえるくらい、すでにその名声は広く人々の知るところでありました。

現代日本の人気作家、村上春樹氏が敬愛して止まない、アメリカ人小説家、F.スコット・フィッツジェラルドはその妻ゼルダとともに1920年頃の「狂乱のジャズエイジ」と呼ばれる、アメリカ経済が爆発的な活況を呈した時代に活躍した、まさに時代の寵児ともいえる人物。

その夫婦二人の破天荒なライフスタイルは、代表作「華麗なるギャツビー」のストーリーそのままに、アメリカンドリームの達成と、それがもたらす享楽の有様を如実に体現したものであったとか。

日々繰り返されるパーティーと飽食、贅を尽くした衣装と宝飾品の数々。

その宝飾品の多くが、すでに一流宝石店の名声をわが物としていたティファニー選りすぐりの逸品の数々であったことは言うまでもございません。

実際、2013年公開のレオナルド・ディカプリオ主演作、「華麗なるギャツビー」。二回目の映画化となった本作品、映画の中に出てくる煌びやかな宝石の数々は実際ティファニー秘蔵のコレクションから貸し出されたものだそうです。

世界最大の経済大国アメリカ合衆国。ロックフェラー家を頂点とするセレブ達代々の憧れの的、ハイジュエリーの伝統を中心となって支え育んできたティファニー。その凄さの片鱗がこちらの商品からも伺えます。

 

ご覧いただいてお分かりの通り、こちらのペンダントネックレス、一見なんの変哲もないいたってシンプルなもの。真ん中が空のドーナツ状の円盤型ペンダントを鎖で吊るしているだけの、実に単純な構造。しかしよく観察いたしますと、その造りの拘りが浮かび上がってまいります。

こちらのドーナツ状の円盤、ご覧の通り三重の円で構成されているのがお分かりいただけるでしょうか。

中心部と外周部分が無色ダイアモンド。そして真ん中のサークリだけがピンクダイアで構成されています。

内と外のダイアモンドの大きさは直径1ミリにも満たない非常に細かいダイアを用いているのに対し、真ん中のサークル部分のピンクダイアはそれらより一まわり大きい1/100キャラット、約1.3ミリほどの直径のものが使われています。

そしてこのピンクダイアの部分のみイエローゴールドの爪で石留が施され、しかもほかの部分より一段高く、ペンダントとして着けた場合は少し前に浮き出た感じで作られているのです。しかも内側、外側の無色のダイアのサークルにも高さに変化をもたせ、内側のサークルが一番奥にへこんだ感じで作られているのです。

このダイアの大きさの変化、石留地金の色の変化とセット面の微妙な高低差が、ともすると凡庸に堕ちがちなデザインに躍動感を付与している事をお気づき頂けるでしょうか。

さで、ダイアモンド品質の説明は、もはやティファニーのこと、今更言うに及ばずではございますが、どうしても言いたくなるのがこのメレサイズのピンクダイアモンド。

ピンクダイアモンドはその発色原因が他のカラーダイアと異なり、結晶構造の歪みに由来するということで、そのせいか結構インクルージョンの多い結晶が多ございます。

しかるに、こちらのピンクダイア、すべてが非常にクリーン。老眼のせいもありましょうがルーペを使っても、私には気になるインクルージョンが見つけられません。

しかもそれだけではございません。この澄んだピンク色のダイアモンドが、あたかも同じ材料から切り出したが如く色調、色相がピッタっと揃って寸分の狂いもない。

このこと一事をとってもこの会社、材料の供給に莫大な費用を費やしている事が想像できますしまた、その莫大な量の宝石材から妥協を許さぬ材料選定が行われていることが知れます。

もちろん全体の造り、構造のバランスなどすべての点において神経の行き届いた、一級品である事はあえて申し上げるまでもございますまい。

アメリカ人は大雑把なんて事をよく言いますが、このペンダントネックレスはそんな常識を根底から覆す、アメリカの名誉と威信の護符ともいえる逸品と言えるでしょう。

掘出し品として謹んでおすすめいたします。デーブ、もといハリーより

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