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ハリー中野の宝石コラム

アンティークの先物買いどう?

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新聞も取らないテレビも見ない無為徒食の身の上、何かと世事に疎いのですが、ここ最近耳にして驚いたことに、なんと日本で1980年代頃に流行った所謂ニューミュージックが世界の音楽シーン、特にインターネット上ではCITY POPなどと称され、人気沸騰しているとか。中でも人気は山下達郎、竹内まりやご夫妻で、ネット上ではCITY POP のキングアンドクイーンなどと呼ばれて大人気だそうでございます。

 

いやはや、ちょうど80年代と言えは、不詳わたくし二十代のチャラ男の頃。よく悪友どもと繁華街のディスコティークに繰り出しては、達郎さんの曲に合わせ「おおーレッツダンス素敵なーディスコおおーレッツダンス朝まーで」歌詞にあわせて能天気にも、文字通り朝まで踊り狂ったものでございます。

ちなみに日本で達郎さんの人気に火が点いたのは、なんと大阪のディスコかららしいので、わたくしなんぞは正に「その時歴史は動いた」の生き証人。なにせ達郎さんが流行りだす前は、もちろん大阪のディスコでかかる曲もモータウン系ウエストコースト系なんかの洋楽ばかり。それが、達郎さんのおかげか達郎さん以外にも桑名正博、南佳孝なんて人の曲もかかり、一時期大阪のディスコはなにやら当時の人気番組「ザ・ベストテン」のような状態になっておりました。

まあ、その頃はじっくり曲に耳を傾けるなんていう余裕のある聴き方はしない訳で、同じアホなら踊らにゃソンソンとばかり安物のウイスキーを煽り、酔いにまかせて千鳥足で「スッテップ踏んで踊れるはずさー」とばかりにフロアーで飛び跳ねるのに夢中だったわけでございます。

しかしながら、CITY POP 隆盛の報を小耳にはさみ、四十年の時を経て再度じっくり聞き直してみますと、音楽とともに蘇るは、懐かしきあの頃、チークタイムに誘ったあの娘やこの娘の麗しいお顔。それと同時に、今更ながらに達郎氏のダイナミックかつ緻密な音作りに改めて驚嘆してしまうわけであります。重厚なりズムセクションに、嵩にかかって波の様にめくるめく被さる華麗なブラスセクション。小気味よい氏自身のギターカッティングの妙技。そして多重録音による虹のような七色の独りコーラス。いや正に時を超えて世界を震わす素晴らしい音の曼陀羅。

実際にネット上で先に大反響を呼んだのは奥様の竹内まりやさんの「プラスティック ラブ」という曲で、この曲はYouTubeで凄い再生回数を記録したうえ、世界の様々なミュージシャンがカヴァーしているのですが、この曲とてアレンジからバックの演奏まで全部山下氏及び彼のバックミュージシャンがサポートしているわけで、サウンド的にみれば紛うことない達郎サウンドなわけなのです。

 

さて、此度の山下ご夫妻の海外からの再評価を目の当たりにし、思い起こされるのが、江戸時代に活躍した絵師 伊藤若冲の平成になっての国内再評価。

元々は京都の大きな青物問屋の旦那さんだった若冲は四十にして家督を弟に譲り、早々と隠居。その後は余生を好きな絵一筋に打ち込んだ創作三昧。お金があるから絵の具や道具も最高の物でそろえるといった凝りよう。ただ、この人の場合これが単なる旦那芸、下手の横好き、絵道楽で終わらず、実に見事な芸術へと昇華させてしまったのがすごいところ。

生前よりその名声は高く、中央の画壇にも属さぬ一匹狼的な立場ながら、その圧倒的な画力、精緻な筆使い、芸術性は当時の人気絵師丸山応挙と並び称されるほど。

しかし時は移り、若冲も応挙も全ての江戸時代の絵師たちが明治、大正、昭和の時代の波に呑まれ、もはや、歴史書のページにその名は有れど、多くの人はその作品とて知らぬ過去の人となり果ててしまっていた、かもわかりません。あるアメリカ人の目に留まっていなければ。

 

オクラホマの田舎資産家のお坊ちゃま、ジョー・プライスは1953年パパの仕事を助ける一環でニューヨークに滞在していました。たまたま入った東洋古美術の店で彼は初めて若冲の作品を目にします。彼は雷にでも打たれた衝撃を受けたのでありましょうか、パパが大学の卒業祝いの為に買ってくれるはずのメルセデスの購入資金を、なんと名前すら知らぬ東洋の画家のその一幅の掛け軸につぎ込んでしまったのです。その後、パパが激怒したかどうかは定かではございませんが、彼の伊藤若冲を中心とした日本絵画のコレクションはこれをきっかけにあれよあれよと見る間に膨れ上がり、世界でも有数のコレクターになっていったのであります。

2006年東京国立博物館での「プライスコレクション『若冲と江戸絵画』展」においてそのコレクションが初めて日本で公開されるや、天才絵師若冲の超絶的技巧と鮮やかな色彩、奇抜な構図が時代の移ろいを超え人々の胸を打ち、その人気はたちまちのうちに日本国中に広まっていったのであります。

黒沢映画「羅生門」のヴェネツィア映画祭のグランプリ獲得に遡るまでもなく、どうも日本人は自分たちのやっている事や作り出すモノにあまり自信がないようで、海外から脚光を浴びて、ようやく初めてその真価を再確認するといった傾向にある様でございます。

 

さて、そういった事柄に着目してか、これを見事逆手に取ったマーケティングプランを展開したのが、芦屋奥池にアトリエがあるジュエリーブランドのギメルさん。

ギメルのオーナー兼アートディレクター穐原かおる氏は1970年代に渡米しGIAにて宝石学とデザインを学んだ後帰国、自らのブランド「ギメル」を立ち上げ、品質に一切の妥協を許さないモノづくりを目指すとともに、まずは海外で認められなければという発想から、香港ジュエリーショーに15年連続で出展し続けたとの事。その結果目論見どおり海外から人気に火が点き、日本で一気に名声が広まったらしいのでございます。

 

その作品の多くが海外に流出し、ジョー・プライスのようなコレクターの手に渡った若冲の掛け軸。はたまた、都内の中古レコード店では一枚何万円というプレミアムがつけられ売られているという達郎さんの昔懐かしい黒いLPレコードを買いあさる海外のバイヤーやコレクター。

このような有様を見るにつけ、希少なギメル製品の海外流出を危惧せずにはおれません。

海外のジュエラーから100年後も価値の変わらぬ「未来のアンティーク」とまで絶賛されるギメルの商品。これらの海外流出を防ぐのは、あなたの今の決断一つにかかっているのであります。

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愛犬家胸キュンブローチ

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昔、まだおっちゃんらの学生時分、いうからまあ大概昔やね。大阪はミナミの千日前に国際劇場いう映画館があって、今で言うところの十八禁の映画とかをよう上映してたんや。いや、早合点せんといてや、そこによう映画観に行ったいう話ちゃうで。こう見えても学生時分は石部金吉、堅物、まじめ一本で通っとったんやから。そんな不謹慎な所なんぞいくかいな、一人では。

いや映画の話やのうて、その映画館の横に、たしか「マルエイ」さん言うたかな?バッタ屋があったんよ。あっ、バッタ屋がわからんか?そやな、バッタ屋って最近見かけんわなー。

今の言葉でいうとディスカウントショップ言うんかな?倒産品とかを安う仕入れてきて、安売りするお店やね。ほんで、そこのお店の名物が「啖呵売」。

啖呵売いうのは、昔は縁日やお祭りの屋台なんかでよく目にした風景やけど、最近はそういう場所でもすっかりお目に掛かれんようになってきたわねー。

まあ、早い話が映画「男はつらいよ」で主人公の寅さんがテキヤの本業でやってるアレ、あの販売方法。えっ?寅さん知らん。さよか。寅さんを演じてた渥美清さんが亡くなって二十年以上たつもんなー、そりゃ無理ないわなー。

まあ、簡単に説明すると、お客さんをある程度寄せといて、その前で面白い台詞、可笑しい話をしながらお客さんの興味をグーっと引き寄せておいて、それを一気に商品の興味へ転換させ販売に繋げるという、エンタテイメントと商売を掛け合わせたような独特の販売方法なんやね。

例えば、「さて、いいかねお客さん。角は一流デパート、赤木屋 黒木屋 白木屋さんで、紅白粉(べにおしろい)つけたお姐ちゃんから、ください頂戴で頂きますと、五千が六千、七千、八千、一万円はする品物だが今日はそれだけくださいとは言わない!」などというセリフを立て板に水の如く、矢継ぎ早にまくしたて見物、お客を話術に引き込んでいくわけや。

こういった販売手法は、今でも百貨店やスーパーでよく見かける鍋窯包丁なんかの実演販売とか、テレビのジャパネットタカタさんのやり方に相通じるわね。

さて、話は戻るけど、先の国際劇場横のバッタ屋さんの場合は店頭に販売の為のテーブルを設えて、その後ろに啖呵売する売り手のおっちゃんが立ち、マイク片手にテーブル上に出された品物を次々色んなことを言いながら売っていくわけやねんけど、そこは大阪、立て板に水とはいかんねん。せいぜいが横板に泥いうか、もっちゃりしとんねんこれがまた。まあ、江戸落語と上方落語の違いみたいなもん?知らんけど。

まあ、私なんぞも学校さぼって用も無いのにミナミうろうろしてた時、よく見物させてもろたんですが、まあそんな学生は格好の話のツカミの餌食やね。

 

「はーい、ほな始めるでー、ええか?ほらほら、遠慮せんともっと前に来て聞いてや、聞くだけではゼニ取らんねさかい。ほら、そこの兄ちゃんももっと前へ前へ。別に買おてもらおうなんて思てへんさかい。学校サボって、こんなとこうろついてる学生の懐具合に期待はしとらんよおっちゃんも。なんぼかでお金に余裕あったらこんなんモン見物せんとお隣の映画観たいわな、その若さなら、ちゃうか?わはははは!」

これにつられ他の見物からも笑いが漏れ、観客と演者が一体となっていくわけやね。その頃はこっちも今みたいな爺さんやのうて、まだウブな青年や。一人顔面紅潮しとるわけやねんけどね。

 

でや、何で啖呵売の話をしとるか言うとやね、まあ、おっちゃんのこの毎回のブログちゅーもんを通じてやっとることも、これ一種の啖呵売みたいなもんちゃうか、いう話やねん。

言わば、サイバーテキヤ、ネット寅さんや。違うか?

さあそこでや、今日はおっちゃんの原点、青春の一ページとも言うべき千日前のバッタ屋風に商品をお勧めしてこうかという趣向やねん、まあ、たいした趣向でもないねけど。

さて、ほな、これからが本番や、いくで。

はい、始めまーす。はい、遠慮せんともっと前へ、グーっとパソコン、スマホの画面に近寄ってよ。急に画面から商品が飛び出したりせえへんからね。当たり前やっちゅーねん。

 

さて、こちらに取りい出しましたるはご覧の通りの可愛らしいワンちゃんのブローチ。ワンちゃん言うても現ソフトバンクホークスの会長違うよ。って、古い例えや。誰もわからへん。あの王会長を今でもワンちゃんなんて呼んでるのは、野球解説で元チームメイトの張さんくらいちゃう?「喝-ッ」言うてはる怖そうなおっちゃん。浪商やからね、イカツイよ。野球やってなかったらきっと渡世人になってたクチやね、きっと。

 

さあ、太古の昔より、犬は人間のベストフレンドちゅうくらいで、「忠犬ハチ公」やら「南極物語」ね、犬と人間の心温まる話はなんぼでもある。お集りのみなさんの中にも犬飼ってるまたは昔飼ってた言う人も多いんちゃいますか?なー、いや別の手エ上げいでもええからね。

どうです?このブローチとは言え可愛らしい笑顔!犬飼ったことのない人は「なんで犬が笑うねん、笑う訳あらへんがな」とおっしゃるでしょう。でも笑うんですねー!だいたいがこのように舌を出して口角をあげて笑うんですな。いや、それって、単に笑ってる様に見えるだけちゃうん?と、疑念を抱くそこな青少年よ。いや、見えるだけやない、ちゃんと目が笑っとる。瞳が喜悦に満ち満ちとる。おっちゃん等の商売用の死んだ魚の目の愛想笑いとは全然ちゃう。本物の喜びに満ちた笑顔や。しかも、こちらのワンちゃんの笑った目は何とエメラルドで出けたーる。そして、首輪はなんとダイアモンド、ついでに尻尾にもダイアがあしらってあるから贅沢なワンちゃんや。きっとエエシの家の子やね。しょうもない雑種犬とは大違いの血統書付きの子や。そしてこの胴体部分の細工もちゃんと毛並みの良いところを見せたろいうことで、つや消しのヘアライン仕上げが施してある。どう、この凝りよう。ホンマに生きてるような存在感、愛くるしさ!そしてこのワンちゃんのポーズ、愛犬家のあなたならもうお分かりですやろ。そう、マテのポーズ。何を待ってるかというと、もちろんあなたのお買い上げを待っているいるにきまってますやん。健気でっしゃろ?

小さいながらも手の込んだ細工と、エメラルド、ダイアモンドを贅沢に使ったこのワンちゃんのブローチ。金価格高騰のおり、ここから目と鼻の先、大阪なんばの高島屋、あるいは心斎橋筋の大丸百貨店の宝飾品売り場、はたまた老舗宝石店芝翫香さんなんかで紅おしろい付けたおねえさんからお買い求めいただくと二十万、三十万は下らぬ代物。いやほんま。それが、ネットで姿は見えんとはいえ、むさくるしいオッサンから買う、中古品というだけでこの安さ!もちん新品仕上げ済みで使用の痕跡はまったくナシ。こんなん買おとかなアカンわ、ハイ本日の一押し掘り出し品!!

 

「買ったー!」

ここでホンマのテキヤやったら佐藤蛾次郎扮するサクラが一声かける訳やけど、そこはサイバーテキヤの弱点。悲しいかなサクラがおらん。しかしウチはどれも大概一点ものばかりやから、先にサクラに買われると困んねけどね。

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本物のハイジュエリー クリヴェリのネックレス

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これはこれは遠路はるばる遠方よりお越しくださいましてありがとうございます。

江戸の昔でございますれば、東海道てくてく歩いて二週間。脚に自慢の早飛脚、走りに走って三日がやっと。

それが、どうでございましょう、このインターネットの普及であっという間に、日本国中はおろか世界のあらゆる場所から、こちら大阪市内とは言え、辺境のこのうらぶれた町にクリック一つでお訪ね頂けるわけでございますから驚くべきことでございます。

当店にネットを通じご来店頂くお客様は、お客様ご同様関東方面のお方が多いようでございますね。やはり扱っております商品の性格上、お値段が他の商材に比べお高いわけで、その辺でやはり富の分配の地域格差というものが如実に反映されるのかもわかりません。

つい先だってまで、大阪都構想なんて喧しく騒いでおりましたが、どうも何かと言えば東京に張り合おうという関ケ原以来の関西人気質というものがございます。しかし、こと経済、お金の面においては大阪なんぞ、アナタ東京の足元にも及びません。

なんといっても帝都東京、花の都東京、メガロポリストーキョーというくらいで、日本の富と権力、はたまた文化や情報というものすべてが一極集中しているわけでございますから、所詮、粉もの文化とは言い得て妙、貧乏人の寄り合い所帯、一地方都市の大阪なんぞには到底勝ち目はございません。

だいたい、今までの弊社売上実績を見ておりましても、お高いお品の売上は東高西低。関東の方が買ってくださる率が断然高うございます。しかも、その買い方というものがまた粋じゃございませんか。「ホームページの商品コメントが他所と違ってふざけて珍妙だから、物は試し、からかい半分で一つ買ってやろうじゃないか」てんで百万を超えるお買物をカード一括払い。並みのカードなら限度額オーバーになってしまう金額を実物も見ないでスパッとお買い上げ下さるんですから、もう有難いを通り越して呆れてしまうばかりでございます。

あははは、これは失礼いたしました。歳のせいか老いの繰り言、ついつい無駄話が過ぎてしまいます。さてさて、それで、本日のお目当ては先ほどちらっと伺いましたが、こちらのクリヴェリのペンダントネクレスでございますね?流石はお目が高い!いや、これはホント当店一押しの掘り出し品なんでございます。えっ、なんですって、どの商品でもそんな事言って売りつけてんだろーって?いやいや、それはあらぬ疑い、とんだ濡れ衣でございます、お奉行様。そのような事は断固としてございませぬ。まあ、もちろん手前どももそこはそれアキナイ、商売でございますれば、多少の脚色、多少の演出をば行うことは否めない事実な訳でございますが。何でもかんでも掘り出し品なんて気安く呼んでいるわけではございません。

なにせ、こちらクリヴェリはイタリアはフランス国境近くの丘陵の街、かの国におけるジュエリー産業の中心地ヴァレンツァという街を拠点といたしますハイジュエリーのトップブランド。その人気はイタリー国内だけにとどまらず、世界各国のセレブに愛され慈しまれているのでございます。

さて、ご覧くださいませこの造り、この細工。円盤状の大振りなペンダントでございますが、その中身は実に繊細。円盤の内側は細かいホワイトゴールドの網目が宝石を支える基盤部分として張り巡らされ、そこに細かいダイアモンドとサファイアがまるで星屑の様に散りばめられているのでございます。もちろんそれぞれの宝石としてのグレードは最上級。メレダイアは無色無傷、クリーンでテリのある石であることは言うまでもなく、サファイアにいたっては、濃い色と、薄い色の石を見事に使い分け、その濃淡の妙をお楽しみいただけるといった趣向が凝らされているのでございます。そしてこの大ぶりのペンダントを吊り提げますネックレスでございますが、ペンダントの大きさに比例して、50センチメートルの長尺のものが用意されております。ネックレス地金自体は最もオーソドックスな丸アズキタイプのチェーンでございますが、そこに等間隔にペンダント部分と同様のサファイアとダイアがベゼルセッティングでもって並んであしらわれていますのが、ペンダント部分との抜群のハーモニーを醸し出し、商品の完成度を一気に押し上げているのでございます。

はてさて、こういったジュエリーとのコーディネートとしてふさわしいのが、

は?はい?

「あの、せっかくご親切にいろいろご説明下すっている途中で申し訳ないのですが、わたくしそちらのブランドはおおかた揃えて持っておりますの。ですから。掘り出し品とか言って大騒ぎしておられる田舎の質屋様よりかは、殊このブランドに関しましては多少なりとも存じているつもりでございますの。ただ、こちらのネックレスに関しましては、以前外商さんの展示会で目をつけてたのをつい買いそびれちゃったものですから、ちょっと興味をそそられたとでも申しましょうか。

ええ、それで一つだけお聞かせいただきたいのですが、構いませんこと?

お宅様のホームページには付属品としてギャランティーコピーとおしるしあそばされていたかに存じますが、それはいったいどちらのギャランティーでなぜコピーなのでございましょうか?」

あっ、こ、これは説明不足でまことに申し訳ございません。こちらのギャランティーカードは平成二十五年九月吉日付けの高島屋新宿店様が発行元となってございます。ただし、原本にはお買い上げお客様名の記載がございますので、これは個人情報に関わることでございますので、商品とともにお渡しいたします物は、そのお客様名を削除させて頂いたコピーという事でご勘弁頂いている次第でございます。

「あら、それは奇遇!実はわたくしもずっと新宿の高島屋さんにお世話になっておりますのよ。そうよね、確かにわたくしの頂いたギャランティーにも全部名前が記入してあったわ。それを聞いて安心しました。ひょっとすると、そちらわたくしが密かに目をつけていたものかもわかりませんわね、ほほほほほ。これも何かのご縁、是非前向きに検討させていただきますわ」

ありがとうございます!是非ともこれこの通り、伏して伏してご検討のほどON願い奉りまする―っ!

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Ruby, My Dear

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セロニアス・モンクはマイルス・デイヴィスやジョン・コルトレーンと並び称されるジャズシーンにおける伝説の巨人、偉大なるジャズピアニストなのは周知の事実。

数々のジャズのスタンダードと呼ばれる名曲を残しているのですが、その演奏スタイルは非常にトリッキーで、一見不協和音の羅列のようにも聞こえる摩訶不思議な調べは一度聴いたら病みつきになるか、二度と聞きたくないかのどちら。

もちろん私は病みつきのクチで、今でも帰宅途中の電車でワンカップをひっかけながら彼の曲を聴きつつ茫然自失の体。傍から見れば完全な不審者。瘋癲老人。

 

さて、その彼の数あるレパートリーの中でもお気に入りの曲の一つが " Ruby , My Dear "

この曲は一応ラブバラードという範疇に入るのでしょうが、ラブはラブでも若者たちのフィジカル主導、リビドーおもむくままのホットな、一刹那の沸騰する情熱といったラブではございません。

どちらかと言えば艱難辛苦を共に乗り越えてきた老夫婦の、昇華した愛の形。もはや家族愛とも言える、落ち着いた深みのある愛情を表しているような気がいたします。

ルビーという名の女性に捧げる体の曲のタイトルながら、モンク自身は特定の女性を意識して付けたわけではなく、その音の響き自体が気に入ってルビーという言葉を選んだとか。なるほど確かに良い感じですし、英語の字面も粋じゃないですか?

 

ひと頃、スイートテンダイアモンドと呼ばれる、結婚10年を記念して妻に送るダイアモンドリングが宝石屋どもの企みのもと、結構世に出回った時期がございました。所謂アニバーサリーリングというヤツですね。しかし、十年じゃまだまだひよっこ。諦めの境地にはまだまだ達しません。そうです、深い愛情とは、長年の抗争、権謀術数のせめぎ合い、裏切りと怨嗟の果ての諦観の境地から生まれるのでございますよ。

さあ、そういった諦めの境地に立たれた銀婚式、金婚式を迎えられるような素敵なカップルにお勧めしたいのが、やはりルビー。

ルビーなんて若い時分に贈るから寺尾聡の「ルビーの指輪」の唄にあるように、ふられた挙句にドブにでも捨てられてしまうのです。

さて、結婚三十有余年の月日、さんざん泣かしてきた、あるいは泣かされてきた苔むした老妻に感謝の気持ちと長寿を祈念して贈るにふさわしいお品がこちら。

 

プラチナ枠に雫型のルビーをセットいたしまして、それを細かいダイアモンドが二重に取り囲み、更にはネックレスを通すバチカン部分にも真ん中にマーキーズカットのダイアモンド、そしてその周りを更にメレダイアが囲むといった非常に豪華な造りのペンダントトップ。

このペンダントを吊るしますのがまるで一本の紐の様に見えるという細かい目のスネークチェーン。これで首元も実にスッキリと見える。商品全体のバランスの良いのは写真からも見てとれるのではないでしょうか?

さて、この雫型のルビーですが、正確にはペアシェイプという形なんです。ペアとは洋梨、即ち洋梨を模したかのようなカットなんです。大体色石の場合はこのペアシェイプあるいはオーバル、マーキーズといったカットが多く、意外にもダイアモンドに多いラウンド、真ん丸というのは少ないのです。これは元々の原石の形に由来してまして、なるだけ無駄のないカットを施している結果なのです。

さて肝心のルビーですが、お色目はフルボディーのレッドワインを彷彿とする、やや暗い感じのレッド。こういう色目が熟年の女性には良いのでございます。派手さを押さえた落ち着いた貫禄というものが石自体から滲み出ているかのようで、年輪を重ねられたお肌にもしっくりと抵抗なくなじむはず。

お歳を召されたからと言って地味な宝石は逆効果。こういった赤系統のお石でもって、あたかも、お花を飾る様に華やかさを添えてあげるのです。これぐらいのお色目なら奥ゆかしい奥様も抵抗なくお着け頂けるのではございませんか?

 

さて、母の日も間近。常日頃、親でもないのにお母さんと呼んでいる昔の恋人に、ちょっと気障ですがモンクの「Ruby, My Dear」のCDでも一緒に添えて、プレゼントされてみてはいかがでございましょう。

 

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実感!ダイヤモンドに目が眩むチャーのリング

 

パヴェセッティングと言いますのは、ご存知の方も多いかと存じますが、ダイアモンド等の小さいサイズの宝石を、フランス語で言うところのパヴェ、即ち石畳の様に並べて指輪やペンダントといった宝飾品の台座に石留していく技法で、様々なブランド、メーカーが製品製造に用いております。

しかし、これらの出来栄えの良し悪しは本当、ピンからキリ。悪いのになりますと曇りガラスのカケラのような不揃いのダイアを一応爪らしき形状の枠部分に、あろうことか接着剤で張り付けてあるだけというお粗末なものがございます。そこまでひどいのは論外と致しましても、商品のグレードは枠の造りとダイアの質、そして石留の正確さによって決まってまいります。

石畳とは言え不揃いの石ででこぼこ、歩けばけつまづきそうな田舎道。あるいは古寺の苔むした石畳と言った風情のB級品なら質流れの宝石にもよく見かけます。しかしこれからご紹介いたしますのは全く真逆のピンの方、即ち超一級品のパヴェリングでございます。こんなのは質屋のお預かり品どころか、世間一般の市場においても滅多お目にかかる事の無い、幻のチョモランマ、マチュピチュの如きもの。 意味不明。

さて、その商品の正体とは国産ブランドの雄「チャー」がマニアックにも贅を凝らして作り上げたパヴェセッティングダイヤモンドリングなのです。

この指輪の石留をパヴェ、即ち石畳で例えて申しますと、地面に石ころの代わりに強烈な光を放つライトを規則正しく埋め込んで、一斉に点灯してるかのごとしなのであります。

このようなライティングともなると一流ファッションデザイナーのファッションショーにおけるキャットウォークの照明すら足元にも及びません。なぜならこのような強烈な光を足物から直に浴びせられると、もう対象物は光に飲み込まれ、それを満足に鑑賞する事は叶いません。さらに、そのような下からの光の逆シャワーにさらされたモデルさんは強烈な光でその刹那視力が奪われ歩く事すらままならないでありましょう。いや、失明の恐れすらございます。

なーんて申しますと、古くからの諺、宝石商見てきたような嘘を言い、という言い伝え通りやんけ、ええ加減な口から出まかせ吹聴さらしくさって、とお叱りを被りそうなので、一言おことわりを。

いえなに、旦那何も言葉通りを鵜呑みになすっちゃいけませんやね、どうせしがない香具師の口上、多少の針小棒大という事もお含み頂いたうえで、そこはそれ大人の対応、大人の風格、酸いも甘いもかみ分けて頂いてお楽しみ頂きますれば、はい、まことに左様で、はい恐れ入ります。はい、ご指摘の通り、ダイヤモンドは電球、ランプの類とは異なり、自ら発光する事はございません。あくまでその環境下にある光を反射し輝いているにすぎません。上記の如き記述は過剰広告の誹りをば免れますまい。しかし敢えて私はここで声を大にして申し上げたい。「だってそう見えるんだもん!」

 

よく、一般の方はダイヤが光ってるとか、宝石が光って入るなんて事をおっしゃいますが、プロの業者はそうは申しません。では、どういうかと言うと「照ってる」「照りがある」なんて事を良く申します。これは光の照り返しというニュアンスが含まれているからだと思われるのですが。この商品に関してはジュエラー歴四十年のわたくしをして「光っている!」と年端もいかぬ童子のように思わずつぶやいてしまうような輝きなのでございます。

では、なぜそう見えるのか?それは簡単。すべてのダイアモンドが最強のツワモノ揃いだからに他なりません。例えて言うなら1番から9番までが全員大谷選手みたいな野球チームみたいなものであります。野球選手の素質が打つ、投げる、走るの3点に集約されるようにダイアモンドの良し悪しはご存知、カラー、クラリティ―、カットで決まります。これがすべて最高の基準で統一されているわけなのですね。もちろん全員大谷選手のチームがありえないように、全石最高品質のパヴェリングも普通はありえないのですけど、チャーさんやらかしちゃったんです。もう呆れるばかり。オタクな造り手、ダイアばか一代!と言わざるを得ません。

しかも良―くご覧くださいな、石のサイズも指輪の中心に向かって大きくなっていくグラデーションの造りでダイアのサイズも均一じゃないのです。普通一般的なパヴェリングは材料が揃えやすいという事で均一のサイズのダイアで拵える事が多いのですが、こちらはデザイン優先、見た目優先。しかも品質には一切の妥協がない。もう病気やね。

 

さてそれでは、こちらをお求め頂いたあなた様はどうなるかというと、この化け物のような指輪の光があなたのオーラと同化して、行く先々で人々の驚嘆の眼差しが、羨望の眼差し、憧憬の眼差しがあなたに熱く降り注がれることでございましょう。また、奥ゆかしくて、そういうのが苦手な方は、独り夜ごとこっそり宝石箱の上蓋を開き、遠くユーラシア大陸奥地に莫として広がるゴビ砂漠で、深夜仰ぎ見る満天の星空から降り注ぐ針の様な光のビームを驚嘆の心持ちで飽くことなく眺むる快楽を、お部屋の片隅で、月の砂漠に赴くまでもなく存分に独り占めできるのでございます。

 

話半分で聞いとくんなさいよ、旦那!

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パパラチアはモルディブの海に沈む夕陽の色

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「真っ赤な太陽」とは、いまからもう半世紀も前に歌謡界の女王「お嬢」こと美空ひばりがグループサウンズの雄、ブルーコメッツを従え、大胆にも当時流行りのミニスカートをば腰に巻き、ビヨンセもかくやとばかりのセクシーな腰つきで熱く歌った和製ロック?のタイトル。

「真っ赤に燃えた太陽だから、真夏の海は恋の季節なの」という歌詞で始まるこの歌。

しかし実際、真夏の空にある太陽って真っ赤なの?実際は眩し過ぎて直視できませんが、色で表すとすれば光そのものの色、真っ白なんじゃなかろうばい?

そもそも太陽が赤く見えるのは夕日の時に限られるのではないでしょうか。それも真っ赤、深紅というよりもどっちかというと、朱色とかオレンジ色のような若干黄色が混ざったような、いわゆる茜色というやつ。

童謡「赤とんぼ」で歌われる茜色の空の色は、いかにも日本の秋の風情が漂い、郷愁を誘う色でございますね。

しかし、ところ変われば品変わるなどと申します通り、この夕日も見る場所が変わるとがらっと違った風に見えるというから驚き桃ノ木。

 

この世の楽園、インド洋に浮かぶサンゴ礁の島国、モルディブ。天国の島とも呼ばれるほどの絶景に恵まれ、人として生まれたからには、一生のうち一度は行きたい言われるほどの人気の観光スポット。あるいはハネムーンカポー達の憧れのデスティネーション。

 

さて、その天国の島で拝む夕日の色こそが、これからご紹介いたします、パパラチアサファイアのこの何とも言えない美しい色として例えられているのでございます。

まさにモルディブが浮かぶ、インド洋に沈む夕日の色と評されるパパラチアサファイアの色は、帯橙ピンクなどと呼ばれます通り、橙(だいだい)色つまりオレンジ色を帯びたピンクなわけで、日本で見られる素朴な茜色とはまた一味ちがう微妙な色合い。この色はまたお釈迦様に非常にゆかりの深い、蓮の花の色にも例えられます通り、まさに西方浄土に沈むゆく、心が洗われるような有難い夕日の色な訳でございますね。

 

こちらのパパラチアサファイアの指輪。中石にはちょっとアンバランスな三角形のパパラチアサファイアが使われております。なぜ、正三角形でなく変形の三角かと申しますと、もとの原石の形に出来る限り沿った、宝石の目減りをなるだけ減らそうとした努力の現れ。つまり原石からの歩留まりが高いカットを行った結果なのです。

そうして生まれましたアシンメトリーの宝石の形に合わせ、この宝石が生きるようなデザインのリング枠を拵えなければなりません。

その結果、出来上がりましたのがご覧のデザイン。こういった高級素材のリングにありがちな、ありきたりの左右対称のオーソドックスなデザインでは無く、如何にも現代的なこのモダンなフォルム。三角形のパパラチアサファイアをホワイトゴールドの枠が、さらに三角を基調として幾重にも取り囲む。さらにメレダイアも全ての方向に入れるのではなく、わざと三角の一辺方向だけを地金のままの状態でおいてあるという凝りよう。

入荷当時、この卓越した中石とデザインのバランスの妙を見るにつけ、これはきっと有名デザイナーの名前を冠した作家物に違いあるまいと思ったのですが、刻印を探すもそれらしき形跡が見当たらない。ただし金性の表示が750とございますから、海外で作られたものかと推測できます。やっぱりこの辺の感性というものはインポート品独特。宝飾品文化の歴史が古い分、一日の長というものが伺えますね。

さて、この希少なパパラチアサファイアでございますが、今から20年ほど前になりますでしょうか、マダガスカルから良質なパパラチアサファイアが多く産出されたという事で、大量に市場に出回ったことがございます。しかし、実はこれがベリリュウム拡散処理という人工的に着色した処理石。当時は大手鑑別機関もこれを看過し、大問題に発展したことがございました。

ほんだら、これも中古やし怪しいんちゃうの?と訝る向きも多いかと存じますが、ご安心下さい。こちらは製品化するにあたって、もちろんベリリュウム拡散処理も看破する最新の鑑別技術により、新たな鑑別書を日本最大の鑑別機関、中央宝石研究所にて取り直しております。

天然本物のモルディブの夕日の色を、日本に居ながらにして是非ご堪能頂きたいものでございます。

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ゾッカイは湯婆婆のネックレス

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アンタ、何それ?鼻くそみたいなペンダントぶら下げて。ダイヤてか?そんな小マイもんダイヤや何や判れへんがな。ウチ等目エ悪いさかいよう見えへんし。そんなもん着けん方がましやで。貧相なんがよけ貧相に見えるわ、ビンボ臭!止めとき、止めとき!なに?若い娘等に流行ってる?アンタのどこが若い娘や?いっこも若ないがな。どう贔屓目に見ても立派なオバハンや、オバタリアンや。アンタな、若い娘いうたらな、別に何んにも着けいでも綺麗やねん。お肌でもピーンて張りつめとるがな。何も塗らいでも頬っぺたでもピッカー光っとるし。お尻でもパーンとはち切れんばかりや。アンタみたいに垂れ尻ほっぺのほうれい線が二重にも三重にもなっとらんねさかい。そんな子らと同じ土俵で勝負しょうちゅーのがそもそもの間違いや。アンタの無残な老いぼれ加減が余計に目立つだけで、世の憐れみこそ誘えど、誰もエエなんて思てもくれへんねん。そやろ、違うか?無茶苦茶言う?何も無茶苦茶なことあらへんがな。アンタの事を慮って正論を述べとるだけやろが。アンタの事を思えばこその親心や、な?実際ホンマにあんたみたいなオバハンの親やったらエライ歳になるけどな、ハハハハハ!

それやったらどないしたらエエてか?ホンマ世話焼けるオバタリアンやで。

まずはこのウチを見てみいや。このわたくしをば見いなさい。かの哲学者ニーチェが言うとる「この人を見よ」いうのはウチのこっちゃ、知らんけど。

どや!この手。十本の指全部にゴツイ指輪がしのぎを削ってひしめき合おおとる壮観なサマ。持ってる指輪全部刺しとんねや。せっかく高いゼニ払ろて買おたんや、着けやな損やろ?

なにが下品や?なにを小癪にも知った風なことを身の程知らずな上から目線でほざいとんねん。便所のスリッパごとき面構えの下品のサンプルみたいなアンタになんど言われたないわ。ほたら、何か?数が沢山あって下品やったら千手観音さんはどないなるねん、えっ?別名下品観音とでも呼ばれます、とでもお寺の小冊子に書いてまんのか?しょうもない事言うとったら承知せんで、ホンマ正味の話が。

これはな、湯婆婆着け言うて、今流行っとんねん。ツイッターなんぞのSNSでもみんな指輪両手にいっぱい刺せるだけさした写真アップしてはるんや。知らん?そら、知らんやろ、未だにガラケイ使こてはる様な人には。せやけど湯婆婆は知っとるやろ?え、娘と映画館へ「千と千尋の神隠し」観んに行ったん?ほなら話は早いがな。アンタの娘時分みたいな、あか抜けんダサイ小娘が、なんや知らん、妖怪の温泉旅館みたいなところで下働きの修行するいう筋のスタジオジブリのアニメや。宮崎駿な。よけ儲けてからに、なー?

そこの旅館の女主が湯婆婆や。この婆さんが指いっぱいにゴツイ指輪刺せるだけ刺しとるんや。それがカッコええちゅうんでツイッターでいろんな人が自分の持ってる指輪両手の指に刺せるだけ刺してやな、それを写真で写してからアップしてはるんや。「どんなもんじゃ凄いやろ、これ全部でなんぼする思う?貧乏人には遠く想像のおよばん額やで、ヒヒヒヒ」ちゅーてな。成功のあかしや。明石家さんまちゃうで言うとくけど。人生の艱難辛苦なんのその、功成り名遂げ、こうなりました偉いでしょ私、言うてはるんや。なに?自慢しいやんそんなん、てか?甘い事言うとったらあかんで、この世知辛い世の中、自分で自慢でもせん限り誰も褒めてくれんねんさかい。せいぜい自慢して高笑いしたらよろし。そのほうが気分爽快ストレス解消でええんちゃうん。大体これだけ指輪はめたら、汚い指の地肌も見えんようになって、皺もシミも変形した関節も皆隠れて一石二鳥、キルツーバーズウイズアストーンやがな。

 

さて、これからが本題や。指輪だけようけ刺してるだけじゃあ片手落ちや。ネックレスはどないするちゅー話やわな。これだけ指輪刺して、アンタのその貧弱な鼻くそペンダント着けて映えるか?な?答えを待つまでも無い。ほんならどうする?首にもいっぱいじゃらじゃらネックレス着ける?ブー。ブーです不正解。残念でした。両手に宝石じゃらじゃらさせて、首までじゃらじゃらさせたら、しつこいやろ?うるさいやろ?鬱陶しいやろ?だいたいやね長いネックレスを何本もつけると絡まって外す時難儀するんや。下手したら首しまってまうがな。殺す気かー、ちゅーてな、人殺し―、ちゅーてな、ハハハハハ!

湯婆婆見てみ、あの婆さんそんなんじゃらじゃらつけてはれへんねん。ゴツーイ石のペンダントをや一個ドカッと着けてはるだけや。その方がおさまりエエがな!

それでや、ウチもそれに倣って、どう、このペンダントネックレス!

言うとくけどチンケな国産とちゃうで。舶来や舶来!今の若い子ぉに舶来ちゅーたかて通じんで、気いつけや、南蛮渡来言わんな通じんさかい。ハハハハハ!

びっくりしいなや、これは何とイタリア製!メイドインイタリーや!ゾッカイいうイタリアの有名ジュエリーメーカーの逸品。どう?もう製品としての雰囲気からして違うがな。いかにもイタリアンいうオーラがほとばしり出てるやろ?ローマ、ミラノ、ベニス三都物語いう感じやん!エンリオモリコーネいう感じやん!ルキノ・ヴスコンティ「地獄に堕ちた勇者ども」いう感じやん!カリギュラいう感じやん!知らんけど。

ほんで肝心なんがこの大きい宝石。どう?スモーキークォーツいう石やねんけど、日本では煙水晶と呼ばれてんねん。邪気を払う魔よけの石らしいねんて。パワーストーンちゅーやつやな。貫禄あるがな!色目もシブイがな!それにこの石を支えるペンダントの枠よ。この細かいダイヤと二重のバチカン、側面の雫型の透かし。さすがただ者や無いわ。ネックレスかて、ほれ見てみ、この如何にもイタリアンチェーンいうボリューム感。チェーンの中途こら辺にゾッカイのZのイニシャルがさりげなくぶら下がってるのがまた粋やがな。ほんでこれが18金は18金やねんけど、なんとピンクゴールドの18金ででけたーるからびっくりや。どう、こんなんしてはる人滅多いてないんちゃうん?

アンタもそんなしょーもないネックレスなんか質屋で売り飛ばして、代わりにこれ買いよし。

今やった楽天で、ドゥペールノエルいう店がお買い得掘り出し価格で一個出しとるさかい急いで買わんな!早よせな売り切れてしまうで!心配しな、ローンも有るさかい!

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ダイアモンドの邪魔をしないギメルのダイアリング

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夏井いつき先生の厳しくも的確な俳句添削が人気の、テレビ番組「プレバド」

目玉の俳句だけではなく、水彩画、色鉛筆、消しゴム版画など色んなジャンルで腕に覚えのある芸能人が技を競い合うのですが、上手な方々の技術の高さに毎回舌を巻いております。

そうしたお上手な方は、回を経るごとにどんどん段位が昇格して行く仕組み。名人ともなればもう玄人はだし。若かりし頃、絵の道に進もうかと悩んだ私。毎回タレントさんたちの達者な筆さばきを観るにつけ、間違った道に進まず良かったと変に納得させられるわけであります。

さて、先日も色鉛筆を用い、与えられた題材を描くコーナーで、名人四段から五段への昇格をかけて、毎回ビックリするような卓越した腕前を披露してくれるモデルの辻元舞さんが登場。

お題はなんとダイアモンド。職業柄、こりゃおもろいやんけ、と注視したわけであります。

結果は見事名人五段に昇格を遂げられたのですが、しかし宝石に携わって四十年、GIA・GGディプロマ取得のわたくしの眼は誤魔化せませんぞ。残念ながらダイアには見えない。もちろんファイアーと呼ばれる光の分散もちゃんととらえて、上手くは描けているのですが、ダイアモンドのそれではない。どちらかと言えばダイアモンドの類似石、合成ルチルに近い。

これは何も辻元さんの技量不足であるという事ではなく、彼女ほどの達者な腕の持ち主でも、ダイアモンドの美しさを絵で表現するのは難しいうことであります。すなわち、浦島太郎の歌にもある通り、ダイアモンドは「絵にもかけない美しさ」なのです。絵だけではございません。写真あるいは動画ですら目の前にある実物のダイアモンドを正確に伝えることは不可能なのです。

さて、そのような絵にも描けない美しきダイアモンドを一番美しく見せる装置、仕掛けがダイアモンドソリティアリングなのです。

こんにゃく、もとい婚約指輪などでよく見かけるダイアモンドのソリティアリングというものは大体デザインのパターンが決まっておりまして、ダイアを留める爪はほとんど6本か4本。デザインオプションとしては、腕にダイアを入れるか入れないかくらい。

脇石としてダイアを入れる場合はラウンドのメレ、あるいは小さいファンシーシェイプを両サイドに1個づつ、または2個、3個ずつ位を左右対象に入れる。あるいはご覧の写真のリングの様に細かく一列にメレダイアを並べて入れるか、または細かいパヴェセッティングに仕上げる。大体それくらいのパターンなんじゃないでしょうか。ですから、こういったダイアモンド婚約指輪用の出来合いのリング枠というものは、国産メーカーの多くが、石のサイズに応じて、幅広く用意し新規ご婚約用としてはもちろん、昔の爪の大きな立爪タイプからのリフォームにも対応すべく準備万端怠りないのでございます。

さて、そういった市場に数多く出回っておりますダイアモンドソリティアリングとこちら、日本が世界に誇るギメル社製の指輪どこがどう違うのでございましょう?

中石が違う?いえいえ、たしかにこちらのセンターに留まっておりますダイアモンドはDカラー、VS1、トリプルエクセレントという最高品質のダイアモンドでございますが、婚約指輪というものは大体良いダイアを使うのが常でございますから、こちらが特段優れているわけではございません。じゃあリング枠を一個一個手作りしてる?いえ、枠をじっくり観察してみてもロー付けなどの手作りの痕跡はなく、量産のきく通常のキャストによる枠であろうかと思われます。ではこちらのリング、御徒町や南船場で売ってる空枠とどこがどう違うのか?

実はほとんど違いはございません。ただし微妙な違いがございます。そのわずかな違いこそが、それギメルのギメルたる所以。

日本のビバリーヒル、芦屋奥池、神秘のヴェールに包まれた宝飾品工房ギメルの アートディレクター・穐原かおる氏がこだわった微妙な違いを、不詳わたくし、荒くれ者、DQNがたむろする大阪は針中野の質屋の老丁稚が恐れながらも解説つかまつります。

まず、第一に挙げたいのは素材。通常こういったプラチナのリング枠というのは大体プラチナ900が使われます。しかしギメルはプラチナ純度にこだわってのプラチナ950。95パーセントプラチナ含有率の地金を使用しております。これは単に純度の高いプラチナに地金部分を変更するという簡単な事ではございません。プラチナは非常に柔らかい金属ですから、純度が高いほど柔らかくなって細工が難しいのです。製品化に耐えるほどの地金の圧縮、あるいは化合する5パーセント部分の金属の工夫が必要となります。

そして、デザインの細かいディテールの拘り。リングの真上から見ると腕がダイアに向かって徐々に細くなっているのがお分かりいただけますでしょうか。この細工によってセンターのダイアがより大きく見える効果を産み出しているのですが、その分センター寄りの幅の細い部分の腕の強度が落ちる。その点を補うべく、腕の縦方向の厚みは逆に厚くしてあるのです。またセンターのダイアの留めですが、こういった立爪タイプの枠は留めるダイアのガードルの角度が一様では無いため、留めるダイアモンドに合わせて職人が後から切れ目を刻んで留めていくのですが、結構これが難しい作業のようで、爪とダイアの間に隙間があるものをよく見かけます。しかし、こちらはさすがギメルのクラフトマン、文字通り寸分の隙も無くきちっと留められております。

また、腕に留められた細かいダイアモンドをセットしているそれぞれの小さな爪ですが、こういったキャスト枠ではこれだけ細かい部分になりますと、結構不ぞろいだったり、上下左右が均等でなかったりするのですが、そういうアンバランスが全く見られず、もう最初の図面通りの仕上がり。もちろん留まっているダイアのサイズもセンターに向かって腕の太さとともにスムースなグラデーションを呈しております。グレードは言うまでもなくギメル基準、最上級クラスのメレダイアであることは言うまでもありません。

とは言え、これらの細工の工夫はギメルさんとしては、中石に対して行う最低限の礼儀程度。

あとは最上級のダイアモンドが邪魔な障害物の無い舞台で独壇場。絵にも描けない神々しくもまばゆい輝きを燦燦と見る者皆に等しく与えたもう。

 

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乙ちゃんに捧ぐ!ブラックダイアの指輪

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ブラックダイヤというものはには、どうも悪の香りが漂いますぞ。
 
普通の無色透明のダイアモンドが天使だとすると、こいつは身を持ち崩した堕天使とでもいうべきでしょうか?
堕天使とはすなわち悪魔。サタン、デーモン、ルシファー、とにかく悪い奴なんです此奴等は。
 
しかしどういう訳か人間、清く正しく美しくという宝塚歌劇団のモットーような事ばかりだと退屈してしまうようです。自分の身にはあまり危険の及ばない限り、ほどほどの距離を保って悪のフレーバーが欲しいのですね。
 
例えば、そのものずばりのデーモン閣下。吾輩、お前たちなどとテレビの視聴者の前で居丈高にふるまいながらも、最近ではコメンテーターとしてすっかり文化人におさまりかえっている。お茶の間の視聴者は悪魔のご宣託を聞きたくてうずうずしているのでしょう。
 
あるいは、コミックでお馴染み、ナニワ金融道の萬田はん。先日初めてテレビでドラマ化されたのを拝見いたしましたが、主人公はトイチの金利を債務者に要求する、闇金と呼ばれる金融業者。つまりはヤクザのシノギ。演じる千原ジュニアの凶相とも相まって実にイカツイ。でもこのイカツさに引き寄せられるんですね大衆は。この傾向は何も今に始まった事じゃなく、ヤクザ映画の老舗東映が連綿と続けてきたお家芸。
 
東映実録シリーズなんて、俳優がヤクザを演じてるのか、ヤクザが映画に出てるのか区別がつけられないくらいの迫力。実際、安藤昇さんなんていう元本職の組長をキャスティングしてるくらいだから凄いのは当然。しかもこの安藤氏、身体こそ短躯ながら並みの俳優など足元にも及ばぬ凄みのあるイイ男。頬にドスの傷跡も生々しい、本物のスカーフェイスでかっこいいんです。
 
そもそも、ピカレスクロマンという小説のジャンルが昔からございまして、これは悪漢小説などと訳されますが、文字通り悪漢、悪党が主人公。
 
例えば、古いところでは「羊たちの沈黙」。映画化にあたっては主人公のサイコパス、人喰いハンニバル・レクター博士をアンソニー・ホプキンスが好演。オスカーを獲得いたしましたね。また最近ですと大ヒットした映画「ジョーカー」。これも元々はアメリカンコミックの人気作「バットマン」の悪役。残念ながら本作は未だ見ていないのですが、以前映画化された「バットマン」でのジャック・ニコルソンのジョーカーの怪演も見事でしたねー!
 
 
 
なにも、外国人ばかりじゃございません。かのカルトムービーの傑作と呼び声も高い「ブレードランナー」の監督リドリー・スコットが日本を舞台にした映画「ブラックレイン」の悪役、日本人ヤクザ佐藤を演じた松田優作も自らに命と引換にした鬼気迫る演技、見事でした。あと、日本映画で言うと荒又宏原作の伝奇小説を映画化した「帝都物語」。これなんかは平将門の怨霊とともに帝都東京を破壊せんものと暗躍する魔人、加藤保憲という悪役そのものが主人公。
 
 
と、いろいろ悪のヒーローを挙げて参りましたが、男性ばっかり、女が居ねーじゃねーか?いったいどーなってんだとお叱りの声が聞こえてきそうでございますが、これはなに、ブラックダイアに話をつなげていく為の段取りでございますので、もうしばらくのご辛抱を。
 
 
さて、いよいよ女性の悪役。世間では悪女などと呼ばれたりいたしますが、これは単に職場の意地悪、イケズなお局様やスーパーで万引きしたりクレーマーになったりするようなメンヘラ女は当てはまらない。
 
では、どういう女性が悪女かというと、先ず美しくなくはいけません。悪女という言葉自体がすでにストリート性を孕んだ言葉ゆえ、並みの女性だと話が前へ進みません。そして賢くないとダメですね。もちろん氷の様に冷たく、一切の妥協を許さず悪を追求する姿勢が肝要。
 
この理想の悪女象にピッタリ当てはまるのが、モデル、女優としてご活躍の菜々緒様なのです。なにせ彼女自ら「プロ悪女」と名乗り悪女を堂々と自らのアイデンティティとされてるのですから大したもの。たとえCMで乙姫様を演じても演技の端々に悪女が垣間見える。良いですねー!そんな悪女の彼女にピッタリお似合いなのが、このブラックダイアなのでございます。
 
ブラックダイアと申しますと一般の方はブラウンダイアや、その他のカラーダイアの様に透明のダイアに墨色なんぞがかかっているように想像される方が多いかと存じますが、これはまったくの見当違い。ブラックダイアは一切光を透過いたしません。しかも光の選択吸収の理屈から言えば、すべての光を吸収してるゆえに黒く見えるわけなのです。つまりブラックダイアは透明なダイアの様に光を透過し、これを反射させ輝かせる働きは一切行わず、まるで宇宙のブラックホールのように光を吸収するだけで外部には一切漏らさず、取りこみ蓄えているのでございます。それゆえ、パワーストーンという観点から言うと凄い威力が石に潜んでいることになるそうなのでございます。
 
 
さて、ご覧いただいておりますこちらのリングも、如何にも強烈なパワーを内包してるかのような、マーキーズカットのブラックダイアを中央に据え、それを透明ダイアのメレが囲み、そしてさらに二重になった繊細なウデをさらにブラックダイアのメレが華麗に装飾致しております。
 
この指輪をば黒いマニキュアを施した猛禽のようなネイルの指にお着け頂きますれば、あなた様も菜々緒の一味。あるいはアンジェリナー・ジョリー演じるところのマレフィセント。男がひれ伏すブラックマジックウーマンのためのリング。
 
男の心情を常に忖度する、物わかりの良い女の仮面なんてこれを着けて捨て去るのです!
 
「ジェンダー、はあ?知らねーよそんなこたー。男女平等、はあ?何とぼけたことほざいてやがんだ!女の方が偉れーに決まってっだろーが!」
 
素敵!!
 
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李香蘭がつけていたかも?ヒスイの腕輪

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三十年ほど昔、仕事で香港に居住しておりました事は今までにも幾度も申し上げております故、くどいとお叱りを受けるやも分りませんが、年寄りの繰言とご辛抱頂きお付き合い下さいませ。

さて、日本で言う終戦記念日はあちらでは戦勝記念日。テレビ、マスコミでは、日本軍の占領からの解放、勝利を祝う特番などが頻繁に流され、抗日運動をたたえる機運が最も盛り上がりを見せるのがこの時期。その期間、在留邦人のわたくしどもとしましては何やら肩身の狭い、居心地の悪い気分を味わったものでございます。。

なにせ、我々が出店しておりました、香港ペニンシュラホテルは日本統治時代には東亜ホテルと名前も改め、日本軍専用のホテルだった場所。何かにつけ当時のニュースフィルムで登場するわけで、どうもバツが悪い。それに加え、わたくしの祖父は帝国陸軍の軍人として中国に出征した経歴の持ち主。そんな事は向こうのスタッフなんかには口が裂けても言えません。

実際、大日本帝国は現在の中国東北地方に満州国なる、表向きは清朝最後の皇帝愛新覚羅溥儀を元首に据えて、中国人による独立国家の体を装った日本の傀儡国家をつくったのでございます。この経緯は巨匠、坂本龍一先生のテーマ曲でも有名な映画「ラストエンペラー」にも詳しく描かれているところでもございます。

さて、その映画で、俳優としも出演した坂本龍一が演じたのが、満州国、影の黒幕、甘粕正彦。

まだ、テレビなどというものが無かった当時、映画こそが娯楽の王様。これを利用して満州国民、しいては中国全土に日本の影響を与えんものと設立されたのが、満州映画協会、略して満映。いわゆる国策映画なる映画を通じてのプロパガンダ戦略の発信元。そして、この満映の理事長であったのが時の宰相、東条英機の教え子でもあった甘粕であったのです。彼が満映を通じ、中国全土を睨み、いったい何をもくろんでいたのかは今となってはまったくの謎として歴史の彼方に埋もれ果ててしまいました。

しかし満映が生んだスーパースターは、いまだに歴史に翻弄された美人女優として伝説の中に生きているのでございます。

その人の名は李香蘭。絶世の美貌と美しい歌声で当時、中国、日本を通じて絶大な人気を誇っていたのでございます。

その人気たるや現代のわれわれの想像を遥か超えて凄まじく、日本公演の開催会場となった日劇には、彼女を一目見んと集まった群衆が7周半取り囲み、消防車まで出動する騒ぎになったほどだとか。

さて、この李香蘭、名前だけ見るといかにもの華人なのですが、実は本名、山口淑子というれっきとした日本人。

中国で日本人の両親の元生まれ育ったがため、日中の完全なバイリンガル子女。映画デビューに際しては、満州、中国人の人気を獲得するために敢えて中国名の芸名を付けたのでございましょう。この作戦が功を奏したのか、はたまた彼女の本来備わっていたスター性の賜物か、日中両国で一挙にスターダムに昇りつめます。

しかし、突然悲劇が彼女を襲います。日本の第二次大戦の敗戦が彼女の運命を大きく狂わせるのです。

なんと彼女は中国人でありながら、日本のプロパガンダ戦略に加担した反逆者という罪で中国当局に捕えられ、銃殺刑に処せられる運命が待ち受けていたのであります。

この窮地を友人、知人等の助けを得てようやく日本人である事が証明され、九死に一生を得、国外追放という形で日本に帰国いたします。

もちろんこれだけの大スター、帰国後も山口淑子として銀幕で引きつづき活躍した後、テレビの司会、そしてなんと国会議員の先生にまで昇りつめ、94歳の天寿を全うされたのでございます。

 

彼女の波乱の生涯は何度かテレビドラマや舞台化されてまいりました。

1989年フジテレビ製作の「さようなら李香蘭」はその物語の最後、李香蘭の名前を捨てて、日本に帰国する場面。美人女優李香蘭を演じるには彼女をおいて他に無いと抜擢された沢口靖子演じる李香蘭こと山口さんが、引き揚げ船から通り過ぎて行く懐かしい上海の街を眺め、惜別の涙を流すシーンで終わります。

このシーン、バックに流れるのが、歌の上手さは日本一と評判の玉置浩二が歌う「行かないで」という曲。

この曲は後年、カヴァー曲として香港の人気歌手、張學友がなんと曲名もずばり「李香蘭」と変え、広東語に歌詞を置き換えて歌い大ヒットさせております。いまでもこの曲は中国語圏で様々な歌手がカヴァーするポピュラーソングの定番となっているそうでございます。

これにはきっと李香蘭という大スター、人気アイドルを戦争の終焉とともに突然失った、当時の中国の多くのファンのやるせない気持ちが込められているからではないのでしょうか

理由は明らか、日中の歌のタイトルを合わせれば「行かないで」「李香蘭」。

 

さて、今回ご紹介いたしますのはそんな世紀の大スター李香蘭が着けていたのではないかというくらいに時代がかった、かつまた、中国風な豪華なヒスイのバングルでございます。

こちら、なにせ金性の刻印がPM850とあります。今ならPt850と刻印するのが当たり前のところ。調べてみれば1960年あたりからPt表記変わったしいと言いますから、最低でも60年以上は前の物。ちょうど李香蘭が活躍していたのが約80年前ですから年代的にもピタリと一致。

この留め部分の細工なども、いまなら様々なスタイルの出来合いのクラスプ金具があり、そのバングルやブレスレットの形状に合わせ付け替えるのですが、こちらいかにもそういった物が一切無かった時代の職人さんの工夫といった感じ。そして地金部分に穿たれている花模様は手彫りの細工。そしてヒスイやダイアモンド使われている宝石の石留めが全部フクリン、ミル打ちの拵え。いやー、こりゃもう立派なアンティークでございますね。

だいたい戦前にこれだけ贅沢に本ヒスイを使い、ダイアモンドも一個が0.3キャラット以上はありそうな大きさのを2個。これは当時としてはかなりの大盤振舞の造り。

いったいどのような方がお着けあそばしておられたのでしょう?まさか、李香蘭その人がって事は万に一つもないでしょうが、ヒスイを愛してやまぬ華僑の奥様が、出入りの宝石商にでも命じてお造りになられたものではないのでしょうか?なにせ完全ハンドメイドの一点物、例え量産されてても、もう多分現存する片割れはない事でしょう。

この博物館クラスのアンティークのブレスレット、掘り出し品として秘蔵のコレクションにおひとつ加えて頂ければ幸いです。

ただし、かなりの年代物であります故、仕上げ研磨を施してはいるものの、取り切れていないキズ、イタミは商品の貫禄という事でご容赦くださいませ。

 

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