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2022年3月

艶やか熟女の完熟ブローチ

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高須クリニックにすがり付く事もなく、はたまたライザップのオファーにほだされる事も無く、ケンタッキー・カーネル・サンダースと化したと、まことしやかに巷の噂で囁かれるジュリーではございますが、若い時は絶世の美男子、男前と騒がれ、多くの若い女性の心を鷲掴みにし、実生活でも随分と多くの女性を泣かせてきた事でございましょう、知らんけど。

そんなジュリーのヒット曲、グループサウンズ、タイガース時代の「花の首飾り」という名曲がございます。この首飾りの正体は、ひなげしの花の首飾りと言う事で、後年、香港小姐アグネス・チャンが、オッカの上に咲く野の花と彼女が歌唱する通り、実に金のかからぬ安物、チープなおままごと細工のチンケなシロモノ。とても成熟し、目の肥えた大人の女性、所謂熟女の罪深き、貪欲貪婪な欲望を満足させるに足るものではございません。

さて、そこで当店がおすすめいたしますのは、そういった濃厚なオトナ臭まとったマダムにこそ相応しい、花の首飾りならぬ、こちら、花のブローチ兼ペンダントでございます。

いかがでございましょうか、このおどろおどろしいまでの迫力、この邪悪なまでの貫禄!

こちら、サイズにすれば縦横がおよそ5cmづつくらいの、ブローチとしての大きさはさほど大判と言う事もございませんが、この凝った細工から生まれる存在感の半端ない事といったらもう筆舌に尽くせぬほど。

まず花の中心、これはおしべめしべでしょうか、黄色いシトリンクォーツがひとかたまりになってセットされております。そしてその外周部分、花びらの根元付近にはダイアモンドが、そしてその延長線上、花びらの外側にむかってはグリーンベリルがずらっと幅広くセットされているのですが、このセットされている土台の金属部分、石を留める爪部分がその大半を占めるのですが、そこには全体的に隈なくブラックメッキが施してございます。この黒い地色でもって、このグリーンベリルの色にさらに深みを加えているわけでございますね。

さて、そこからさらに花の外周に目を向けてまいりますと、花びらが折り曲がって裏返っている部分に、今度はまたダイアモンドが留められているという芸の細かさ。もちろんこれら花びら一枚一枚それぞれが独立した別々のパーツとなっておりまして、それぞれ個別に石留がされたのちに接合されているのでございましょうが、こういった細工は初期の設計がきちんとできていないと、組み立てた後できまってボロが出てまいります。そういった意味でも大胆なデザインとは裏腹に、非常に精緻な設計と、クラフトマンシップによって作りあげられている事がわかります。

では、裏側を見て行きましょう。まず目に飛び込んでまいりますのは、ブローチ全体に広がる石留の為のハニカム構造。これは日本が誇る世界のジュエラー、ギメル社製のパヴェセッティングにも採用されている技法で、枠の強度を保ちながらも、光の透過をより多くする為にハチの巣状に隙間をうがつ裏取りの工夫。この細工により表面の宝石の輝きが一段と増すわけでございますが、その分当然手間暇がかかるわけでございます。

次にブローチ金具をご覧くださいませ。この留め金は一般的に鉄砲金具などと呼ばれている、シリンダー式の受けが、洋服などを貫いたのちの針先を抑え、容易に抜け落ちないように、この部分がスライドして包み込んでしまう仕掛けで、最も安全性の高い金具なのです。しかしそれだけに留まらない。このメインとなる針の下に、さらに補助の針がもう一本用意されているのがお分かりいただけますでしょうか。この針をさらに服地などに通す事により、ブローチ脱落の危険性をより減少させると言った凝った細工なのでございます。

そして、ペンダントとして使う場合にネックレスを通すバチカンでございますが、こちらもただの輪っかを装備しているのではなく、バチカンそのものが開閉し、ネックレスを挟むピンチ式になっているのでございます。この金具の利点は、パールネックレスなどのビーズ形式のネックレスにペンダントをぶら下げる際に非常に役立つ優れもの。こんなペンダントを南洋真珠の大振りのネックレスにでもぶら下げていただいたら、そりゃもう、ものすごい事になりますよ。

それでは、この商品の正体なのですが、これだけの凝った細工なら、普通は名のあるブランドか、作家の先生の手によるものというのが通り相場。しかしこちらの商品、それらしきものを伺わせる痕跡がまるで見つからない。作家の名や有名ブランドのホールマークの刻印らしきものが全く見つからないどころか、ぎっしり留められている数々の宝石の石目の刻印すらない。

唯一手がかりとなるのが、このブローチ金具の根元に打刻されている750の数字とその横の稲穂の様なマークの刻印。750とはこの製品の金性、18金ホワイトゴールドを表す表示。これは海外製品に多い特徴で、それなら石目の刻印が無いのもまた、海外製品に多い特徴と言う事で納得できます。さて後はこの稲穂のようにも見える謎の刻印なのですが、多分これがその作ったメーカー、ブランドの正体を示すホールマークなのでしょうがマイナーなブランドなのか、通り一遍のネット検索では出てこない。旧知の宝石関係者数名に尋ねるも、見たような記憶はあるがはっきりとしたブランド名は思い出せないと言うもの。まあみんな現役を離れた爺さんなれば、せん無かろうが。

というわけで、万人に行き届くインターネットでこのように商品そのものを開示致しますれば、このブランドをよくご存知で、大ファンという方と必ずやご縁が結べるものという期待のもとに、今回ご紹介の運びと相成った次第でございます。

もちろん、ブランドに関係なく、この造り、このインパクトに一目ぼれして、我を忘れ飛びついて頂きましても何ら不都合はございませんよ。

掲載ページはこちら → https://item.rakuten.co.jp/douxperenoel/11004506/

 

 

 

ウチの子ギメル

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< どーするー アイフル― ♪> のフレーズとともに厳めしいお父さんの顔が急にほころぶTVコマーシャルをご記憶でしょうか?

もう、20年ほども前の事なので、覚えておられる方とて少ないかと存じますが、あのコマーシャルで展開されたドラマとまったく同じ事が、実はわたくしの身にも起きたのでございます。

コマーシャルの内容は、ペットショップでお父さんがその娘に子犬を買って欲しいとおねだりされるも、お父さんは経済的な理由からでしょうか、当初は頑として、まったく聞く耳を持ちません。ところがその娘が欲しがっている犬、映像ではチワワなのですが、を目にした途端、お父さんもこの子犬にガッツリ心を奪われ、購入へと心が動かされます。そして、ここからがコマーシャルの肝心なメッセージ。そんな不意のお金の御入用には消費者金融アイフルをご利用下さい、という内容のもの。

このコマーシャル放送当時は、そんなアホなことあるかいな、陳腐な宣伝しやがって、などとテレビに向かい毒づいていたへそ曲がりのわたくしですが、それから何年かたったある日。

中学生だった下の娘から、近所のペットショップで可愛い子犬を見つけたので、是非買ってほしいとせがまれたのでございます。根が大甘な父親の私ながら、当時はおろか今でも犬なんぞ購入できる余裕はございません。まあ、手ぶらで帰っては娘も納得しないだろうからと、ウサギかハムスターなんぞのもっと安い小動物を、常日頃の接客業で培った話術を駆使し、巧みに言いくるめて買ってやればいいか、なんて気軽に考えて、家族でそのペットショップを訪れたのです。

真っ先に動物たちの陳列されているコーナーにたどり着いた私は、犬の代わりに買う小動物をいろいろと物色しておりました。「うーん、リスなんかも可愛いかもなー」なんて思っておりますと、少し離れた場所から「お父さん、こっちやでー」と娘の呼ぶ声がします。まあ、買わずとも一目は見とかないと娘は納得せんだろうと思い、気乗りしないままそのガラスケースの前まで進むや、娘が「この子やねん、可愛いやろー」と指さすところに目を向けた途端、

どーする――アイフルー!!!

と、かの曲が頭の中に鳴り響き、気が付いた時は娘がその何とも愛くるしいチワワの子犬を抱え、わたくしども家族はレジ前に並んでいたのでございます。

唯一コマーシャルと異なる点は、アイフルさんじゃなく、VISAカードさんに立て替え払いをお願いしたことぐらい。

さてそれ以来、我が家はその子犬を中心に回っているような具合。子犬は娘二人の弟、我が家の末っ子的役割を担い、現在も無事息災で皆に愛され、可愛がられておるのでございます。かく申す私とて例外じゃございません。たまにその犬が食欲不振にでもなろうものなら我が子同様に気をもみ、少しでも姿が見えないと大いに狼狽するといったまったくの親馬鹿ぶり。

親馬鹿などと申しましたが、ペットを飼っておられる方は一応どなた様もペットを自らの子供の様に思っておられる方が多く、たいていはそのペットの事をウチの子などと呼びます。

さて、これと同様、宝石好きの方の中には自らが買い求め、コレクションされている商品をこのペット同様、己が子供の如く愛情を注ぎ慈しんでおられる方が少なからずおられます。

商売柄、お客様のご自慢のコレクションをお見せいただく機会がしばしばあるのですが、そんな折、よく耳にするのが、この子は何時幾日こんな動機で購入した、そしてこっちのこの子はこういうご縁で、という風にまるで品物一個一個がペット、いえ我が子の如く語られる方が実に多いのでございます。もちろんその「子供たち」を見るときの優しさあふれた眼差しは、旦那様には絶えて長らく向けられたことのない、観世音菩薩の如き慈しみあふれたものなのでございます。

さて、先日もギメルの指輪をご購入いただきましたお客様との商品に関するメールのやり取りの中で、最終的にご購入を決定された時に、「この子の魅力を教えてもらえて、お迎えするのが楽しみです」というお言葉を頂戴いたしました。もはやお手元に届く前からお子様扱い、養子縁組の様相。

ただし、これがどんな商品であっても暖かく我が子としてお迎え頂けるかというと大間違い。手前どものチワワとて、この長らく美しい宝石ばかりを目にして鍛えられし、わたくしの厳しい審美眼を安々と篭絡した、目を見張るほど愛らしく、かつ美しく、賢い子でありますればこその溺愛。(親馬鹿丸出し)

宝石とて同じこと、ギメル社製血統書付きのお品であればこそ、百戦錬磨のジェムマニアの厳しい審美眼のお眼鏡にかない、晴れて養子縁組が成立すると言うもの。

当店ではこちらのパヴェリングだけにとどまらず、ギメル社製ジュエリーを幅広く取り揃えておりますので、末永く、我が子の様に慈しみながらジュエリーを楽しみたいとお考えの真のジェムマニア、宝石好きのお方様に置かれましては、ドゥペールノエルこと当店を、優秀な中古ジュエリーブリーダーとしてお見知りおき頂きたく存ずる次第でございます。

掲載ページはこちら → https://item.rakuten.co.jp/douxperenoel/11004762/

 

 

 

お花見

お花見

こんにちわ~ガンです。

先日、お弁当を作ってお花見に行ってきました♪

まだあんまり咲いてなかったのですが、久々にレジャーシートを敷いてお弁当を食べて楽しかったです☆
もう1回位したいな~と思ってます(⌒‐⌒)

あの頃の自分に持たしてやりたいバイザヤード

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日本人の心のふるさと、観る人の心に郷愁を誘わずにはおかない、全五十作を数える国民的人気映画シリーズ、「男はつらいよ」。渥美清氏が役者人生の大半を費やし、死の直前まで演じきった主人公、車寅次郎は、フーテンの寅と二つ名で呼ばれる旅から旅へのテキヤ稼業のおあにいさん。

実は、かく申すわたくしも、一時期このテキヤ稼業を身過ぎ世過ぎとして暮らしを立てていた渡世人。んな訳きゃないんですが、まるでテキヤさんの如く商品を携え、地方を回り、割り振られたショバで即席の露店を広げて商売をしていたことがございます。

以前勤めておりました、大阪の老舗宝石店がバブルの余勢でもって無茶無謀にも香港に海外出店し、その派遣社員とし不肖わたくしがかの地に遣わされたのは、以前にもご案内のとおり。

派遣直前には最低五年、いや、香港に骨を埋める覚悟でもって行ってこいと発破をかけられ、それが為に肉親と水盃を交わし涙の別れ。それが予期せぬ日本国内のバブル崩壊と、現地での驚くほどの業績不振により、当時の宝石店社長の娘婿でもあった日本人責任者一人を残し、二年で早々と日本に引き戻されたのでございます。

それからがまあ大変。香港異動前は小さいとはいえ、一応支店の店長を任されていたのが、もうどこにも人員の空きがない。唯一担当者が退職予定で空きが出る部署にとりあえず放り込んどけとなったのでございます。

その時の辞令が、本店外商部法人外商課チーフに任ずるというもの。チーフと言うのはその課の責任者で、法人外商の字面からすると実に厳めしくも、ビッグビジネスを動かしている花形部署風に見えますが、つまりこれが、宝石テキヤ稼業の社内の呼び名だったのでございます。

法人課と言うだけあってお得意さんはほぼ会社関係。とは言え取引先の結婚式場のブライダルフェアに出張してのマリッジリング販売とか、ゴルフ場での年間を通しての優勝カップや記念品の納品といったビッグビジネスとは程遠い内容。

そんな中で最大の取引先が、上場企業でもある大手の電材商社。

電材業界と言うと一般の方には馴染薄でしょうが、これは電気製品は扱うも、家電とは異なり、建設や工事と言ったプロが扱う電気機器を供給する商品の流れ。

この電材を一手に扱う大手の商社さんが、年に一度、関西最大の国際展示場、インテックス大阪で、その取引先を日本中から招待して展示会を催すのですが、なんとそこに、お門違いにもわたくしが勤務するその宝石店が長きにわたって、電動工具やボルト、ナットなんかのメーカーと軒を並べて出展していたのでございます。

まあ、そんな会場に来場するのは大体が工務店やら工事店などを経営する社長さんやその関係者が多いので、客層からすれば狙い目なのですが、実は買う方のお客さんにもメリットがあるのでございます。実はそこに出品している商品は全部伝票にて決済されるのですが、もちろんこれはその商取引の流れから「電材」として処理されるわけでございます。

すなわち、お客の社長さんやらが個人で使う高級時計や、奥さんや彼女に贈る宝石類が全て経費で落とせるというカラクリになっているのでございますよ、ご隠居。 

なに、それはまことか弥七!

実際、会場には普段は取り扱いの無いパテックなんかの高級時計も持ち込み、これが結構売れるから笑いが止まらない。確か二日間の開催でウン千万から売れたように記憶しております。

この年に一度のインテックスの展示会なら開催も地元大阪ですし、段取りから販売に至るまで本店外商部が、当時二十名ほどでしたでしょうか、社員総出で当たるので良かったのですが、その後に要らぬおまけがついて来る。

実はこの総合商社の得意先には地方のさらに小さい、それこそ個人の大工さんや、修理店を得意先とする電材業者さんが、仲卸のような形で附随し、流通網を形成しております。そういったところから、その大手商社を通じて、同じような所謂「電材フェア」などと称して行う、得意先の工務店、工事店を招待する自前の展示会への出展依頼が来るのでございます。

依頼と言ったって、そりゃあなた、泣く子と地頭にゃ叶わない。大手商社さんのそのフェアを一切合切仕切っている部長さんから頼まれりゃ嫌とは言えない。嫌なら結構、じゃ来年からは、インテックスにも来なくてもいいから、なんて言われちゃ大変。

ただし、地方の小規模の電材屋さんがやる展示会は規模もそれに比して小規模。会場も地方の体育館や地場産業振興センターならまだマシな方。自社の駐車場なんかに即席のテントなんかを張って野外、露店でやるところまである。まさに露天商。今時分の初春の頃に、一度突然の寒波に見舞われ、凍死寸前の目にあったこともございました。もちろん売上にしても大した数字は見込めず、経費の都合上出張が許されるのは社員二名のみ。この二人、つまり私と相棒で早朝5時くらいからライトバンに商品、備品一式積み込み、現場に向かうわけなのですが、出張先で多かったのが四国方面。当時は明石大橋がまだ開通してなかったので、西宮市の鳴尾浜からフェリーに乗り、一旦淡路島に上陸したのち鳴門大橋を渡り一路四国を目指すわけであります。

大体、そう言った展示会は二日間と決まってまして、展示会前日に乗り込み会場設営をし、翌日、翌々日と展示会をすませたのち、会場撤収とともに即日帰社。会社に戻りゃとうに日付が変わっている。いやー我ながらようやったなー!

さて、その二日間の晩飯はどうするかというと、これが悩みどころ。一応出張手当が僅かばかり出たので、それで晩飯は何とか賄えるのですが、知らぬ土地で、今のようにネットの食べログなんかで調べる事とてできない。しかもトランク一つの寅さんと違い、小規模展示会とは言え、五百から千点ほどの宝石を抱えてるもんだから、これを肌身離さずどこへ行くにも携えて歩かねばいけない。

そこで自ずと行先となるのが、地元の本当は行きたい名物讃岐うどんを供するお店ではなく、餃子の王将!

その理由は安い、ボリュームがある、味にばらつきが無く、一定のクォリティーが期待できる。そして専用駐車場が必ずあるから荷物の移動が楽。この安定感が安心に結び付き、おいらテキヤのお決まりの食堂となったって寸法。二日のうちの少なくとも一日は王将が定石。

それと同じく、お出かけの際のお供のジュエリーとして間違いないのが、こちらティファニバイザヤードネックレス。どんな服装、どんなオケージョンにも合う。しかも見る人が見りゃ一目でティファニーと分かる優れもののデザイン。ほんでもって中古で買うとこんなに安い!こんな商材が当時あったら是非四国ドサ周りにもっていきたかったねー、きっと飛ぶように売れたに違げーねー!

なに?天下のティファニーと王将を一緒にするなって。はばかりながら王将とて天下の王将、売上じゃ引けを取らない上場企業ですぜ旦那、見くびってもらっちゃ困りやす。

何はともあれ、宝飾品でも食べ物でも消費者のニーズに的確に応えた、ウケの良いものが栄えるってのが世の常、人の常。

ちなみに、この電材抜け穴商法、わたくしが宝石屋退社後に、弥七の暗躍か、ご老公のお指図か、国税局のキツーイお咎めにあい、関係者一同、江戸所払い、寄せ場送りの刑に処されたとか。かく申すわたくしも関係者の一人として、間一髪で厳しい国税の取り調べのお白洲を逃れたわけであります。めでたし、めでたし。

掲載ページはこちら → https://item.rakuten.co.jp/douxperenoel/11004765/

 

迷いはない。

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お久しぶりです!!

ブタゴリラです!!

先日、デパ地下でお弁当を探してるときに偶然目に入りました。

めっちゃでかいトンカツ。

この大きさで一枚肉。

名古屋の有名味噌カツの店。

間違いない。

口頭のアンケートに答えてビールもゲット。

最高な夕食となりました。

インクルージョン 秘すれば花

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昔から、色の白いは七難隠すなどと申しますが、歳をとってまいりますと、七難どころかいろんな難がこれに次から次へと加わり、刻々移ろう時の流れのまま、どんどん劣化の度合いが増して老醜を極め、遂には無残な骸となりて火葬場送り、哀れ枯れ枝のように燃されるのでございます。

私なんぞは最早この年で、洒落たなりして女性にモテたいとも思いませんが、家内は、どうも世間体を気にしてか、わたくしの風体身なりについて、年寄りが小汚くしてたら余計にむさくるしいから、もうちょっと洒落た身づくろいをしろと、いろいろと注文をつけてまいります。バッチシ決めたところでも、最早他所の女性からは振り向きもされまいと高をくくってのことでありましょうが、それは迂闊というもの、フフフ・・

世間ではこの老醜をごまかす手立てといたしまして、最近は美容整形なども気軽に行われているらしく、ヒアルロン酸注射やフェイスリフトなどは最早美容の常識、エステの範囲内だとか。なにせ、行きつけの歯医者にまで、ほうれい線を消すヒアルロン酸注射承りますなんてポスターが掲げてあるほどですから、皆さん気軽にシワの除去に励まれている事なのでありましょう。

まあ、最新のYes高須クリニックの若返り術などになると、なかなか一般庶民には手の届かぬ高根の花なのでしょうが、昔から一般的に行われてきた身近な若返り法の一つ、白髪染めなら手軽に始められます。確かに白髪が頭髪に出てまいりますと、その人物全体の印象が老けた、じじむさいものになってしまいます。そこでお金のある方は美容院なり理容院などでカットのついでに髪を染めてもらい、貧乏人は自宅のふろ場などで、真冬などは寒さに身震いしつつも、自らビゲンヘアカラーなんぞで御髪の染色を行うわけなのでございます。ただ、やはり日々成長する髪の毛を染めるということは、ある程度の頻度でもってマメに行わねばなりません。ずぼらをかましてほったらかしにしてると、かえって毛根の白髪の露出が目立ってきて、如何にも貧乏臭いみじめな印象を与えます。頻繁に自ら毛染めをするなんて無精なわたくしにはとても手に負える作業ではございませんから、これはパス。

第一、顔が年寄りなのに頭髪のみが黒々カラスの濡れ羽色というのも、なにやら昔の韓国の大統領みたいで、実に不自然な感じがいたします。ですから、芸能人なんかは、一部分の頭髪に白髪を残しつつ染めるみたいな、パートカラーの白髪染めを行われている方もおられるようですが、これなどさらに手の込んだ作業になりそうで、聞いただけで嫌気がさします。

また、頭髪ケアのもう一方の雄、薄毛、禿の隠蔽方法も忘れてはいけません。私なんぞもツムジ付近がかなり薄くなり、河童頭のザビエル爺さんになってきたので、その必要性を痛感しているものの、ズラやら植毛やらナヤミムヨーなど、どのような方法も見ても手間暇プラス結構なお金がかかりそうなのでハナから諦めざるをえません。一番可能性のありそうなのがテレビショッピングで見た、毛の薄いところにフリカケでも振りかけるように黒い粉を振りかけ、あたかもそこに黒い毛が密集してるかの如くにごまかす方法。実にお手軽でこれくらいなら横着者の自分にもできるかも分かりませんが、実は昔、この粉をふりかけている会社の先輩がおりまして、夏場になると黒い汗を流されていたのを覚えております。もちろん今は改良が進みそのような事も無くなっているでしょうが、どうもその印象が強く心に沁みついており、気乗りいたしません。

されば、今度は髪型によってこれをごまかす方法を検討してみましょう。一番一般的なのは九一分け。昔、竹村健一という評論家のオジサンがやってた髪型なんですが、もうこの髪型をしてること自体で、禿と言う事がばれてしまうほどポピュラーな禿隠しヘアースタイル。たまに、電車なんかに乗り合わせた人なんぞにこの髪型の人を見かけると、何で敢えて禿げてることの看板を掲げているかのようなヘアスタイルをしているのか不思議でなりません。第一この髪型ですと、突風が吹くたびごとに恐れおののかなければなりますまいて。

あと考えられるのが、今流行のツーブロックというヘアスタイルを流用する技。このヘアスタイル、毛の長い部分とバリカン刈りの超短髪部分に分かれているので、この短髪部分を禿げてる部分に当てはまるようにすればいいわけじゃないでしょうか。ただ、このツーブロック、写真とかで研究すると大体頭髪のすそ及び側面部分が短く、頭頂はふさふさと言うパターンがほとんど。唯一額から頭頂に向けての禿げ頭に適応できそうなのが、時代劇でお馴染みの、さかやきを剃り込むチョンマゲくらい。江戸時代だったら良かったんだけどねー。それともこのさかやき入りチョンマゲって、当時の禿隠しのすご技だったのかも。

さて、そこで怠惰で金も無いわたくしが安直に選んだ禿隠しの方法は実に簡単にしてかつ、お洒落を伴う一石二鳥のすご技。帽子を被るという手段。と言ってもそんなことは昔からみんなやってることで、何せ帽子の隠語は禿隠し。まあ昔から帽子は好きでよくかぶってるのでぜんぜん抵抗は無いのですが、そのせいで髪の毛が薄くなってきたという説もある。まあ、こうなりゃどっちでもええけど。

帽子のついでに老醜隠しの第二弾としては、ファッションアドバイザーの娘が教えてくれた技、首にスカーフやハンカチをまく手。どうしても年寄りになると、その老醜は首元に端的に現れます。なにやら皮がだぶつき、シワがより、イグアナか亀の喉元のような感じになったのを隠す狙いだとかで、ほらタケ先生もやってるよと、御年82歳のファッションデザイナー菊池武夫氏の写真を見せられ、なるほどと納得!

と言うわけで、今回は頭隠して尻隠さずじゃなくて、この帽子やストールと言った、装いの一つでその欠点を隠す技を、細工の工夫に使ったジュエリーのご紹介。

さてお立合い、こちらご覧いただいておりますダイアモンドプチネックレス。ダイアモンドの大きさがなんと1キャラットもある大層立派な品。ところがどうだこの値段!いくら中古品たって安すぎやしませんか?そう、それもそのはず色は無色透明ながらも内包物が一か所にかたまって黒く目立っている。鑑定書を取るまでも無くIクラスは当確。これを指輪にでも留めようものなら、あたかも頭頂に突然円形脱毛が生じたかの如く目立ってしまって商品価値が著しく減少するのは明らか。そう言う事ならその欠点を隠せばよろしい、とメーカーの制作担当者は何と爪の大きな一点留めのペンダント枠に留めたのでありましょう。その結果、黒い内包物のほとんどが爪下に隠れ、一見すると非常に綺麗で透明感のあるダイアモンドのペンダントの出来上がりとなったのでございます。

ルーペで覗いたら確かに爪下からはみ出したインクルージョンが見えますが、着用したものを肉眼で見た場合、爪のおかげで欠点は見事封印され、一見すごく高品質のダイアモンドペンダントネックレスに見えるというわけ。ハリー・ザビエル中野とミドルネームの加わった河童ハゲのわたくしが、帽子を被った途端に、あたかも岡田将生に見えるが如く!

ちょっと誇大広告が過ぎました故、訂正の上お詫び申し上げますが、こんなん上手に買わんとあきませんわ、奥さん!

掲載ページはこちら → https://item.rakuten.co.jp/douxperenoel/11003480/

 

 

人生の伴侶 バイザヤードネックレス

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歳を重ねるごとに、なんて気取った言い回しがございますが、なに単に老いぼれてくるだけの事。まあそうなると皆様一様に食べ物の好み、嗜好というモノも変化してまいるようでございます。

私も一応人並みに幼少の頃、なんてお上品なもんじゃございませんが、餓鬼の頃がございまして、そんな時分はいつも扁桃腺なんかを腫らしては高熱を出し学校を休みがちな、随分と虚弱な子供でございました。

また、虚弱な小児にありがちな、かなりの偏食で、魚、野菜類が一切ダメで随分親に苦労を掛けたものでございます。そう言った傾向は普通、思春期を境に結構改善に向かうものらしいのですが、私の場合はこれが社会人になってもさらに続き、職場の社員食堂なんかでも、A定食、B定食、日替わり定食なんてものにウスターソースをぶっかけ同僚等が喜び勇んでこれらをむさぼり食らっているサマを横目で睨みながら、独りきつねうどんやざるそばなんかを侘しくすすったものでございます。

さて、そういった偏食傾向が徐々に改善されていったのは、なんとお酒のおかげ。

社会人になるまではお酒とて別に旨いとも思わず、今の若い人のように積極的に飲み会なんぞに集い、羽目を外すなどと言う事も無く、家でおとなしくアニメ「アルプスの少女ハイジ」を見ながらカルピスを飲むくらいが関の山。

しかし社会に出るとそんなわけにはいきません。会社員になると仕事終わりにはちょっとしたことで「ちょっと行こか」「ぴゃっと行こか」「とりあえず行こか」と上役先輩からお声がかかる。行くったってなにも連れションに行くんじゃなくて、勿論お酒を飲みに行くわけであります。

今ですと、そういった上司の誘いとて、昨今の若者は忖度なしで平気で断るようですが、何せ上下関係厳しい昭和の時代はそんなことはご法度。否応なしでお供しないといけません。そして、行ったら行ったで、これがまた飲めない酒を無理やり飲まされる。変に断ろうもんなら、「お前、俺の酒が飲めん言うんか、おう?」と凄まれる。もう吐くまで飲ませられることもたびたび。

しかし、そう言ったお酒の稽古、つか、地獄の特訓を重ねていきますと、最初は苦いだけだったビールがあら不思議、美味しく感じられるようになってくるではありませんか。さらにその酔い具合も、単に頭がくらくらしたり、痛くなってきたりしてたものが、何とも心地よい酩酊へと変わってくる。そして、上司や先輩に勧められるがまま口にした、何やら見るからに気味の悪いナマコやコノワタなんぞと言う珍味が何の抵抗も無く美味しく感じられるようになるともう一人前。一旦そうなると、これまでの自分がまるで嘘のように、たいがい何でも食べられるようになったから驚き。実際香港の支店に派遣された時も、あちらの変わった料理や食材、香辛料、香草がふんだんに使われたエスニックな味覚も全然平気で、日本人スタッフの中で唯一何でも食べられるヤツと言う事で、香港人スタッフにも大いに歓迎されたものでございます。

しかし、寄る年波薩摩白波、ジジイになってまいりますと今度は、いかにも年寄りっぽい、気難しい取捨選択が起こってまいります。もちろんそれは肉体の衰えからくる消化力の低下が大きく影響してくるのでありましょうが、そう言った胃にもたれそうだとか、胸やけしそうだとかだけじゃなく、ごちゃごちゃした味の変化より、よりシンプルで無駄を省いた究極の、みたいなところを求めてくるようになってきたのでございます。と申しましても何も特別な食材を取り寄せして、なんて贅沢をしようってことではないのです。どちらかっていうとその逆で、今まで見落としていた身近な食材を今一度振り返り立ち返り古きを訪ねて新しきを知る温故知新の味覚の再発見。

例えば、最近の好みで申しますと豆腐。しかも絹じゃなく木綿。これをどうして食べるかと言うと、どうにもしない。そのまま。ありのまま、Let it beでしょうか。しかもスーパーとかで売ってるトップバリューのニコイチとかでパックになってる安モンで結構。こやつの片割れを水を切ってひとまず皿にのせる。これに、ここだけ少し贅沢というか、こだわって、業務スーパーで売ってるプラスチックの容器に入っててそのままカリカリ砕いて振りかける事の出来る岩塩をば、カリカリ砕き振りかけながら食すわけでありますが、これが実に良い!イイイイイー!何に良いかと言うともちろん日本酒常温コップ酒と非常に相性が良い!こ奴ら双方をば交互に口に運べばもう無限地獄、いくらでもいける、とは言ってもイイ歳だからそこはちゃんと自制が働くのでございますが。酒だって別に「獺祭」みたいな洗練された飲み心地の、高級吟醸酒なんてヤツは無用。菊正宗ピン紙パックで十分。

昔の文豪、内田百閒先生はなんでも毎日昼は同じ近所の店から取る、特にどうと言う事も無い、駄蕎麦ばかり飽きずに食べていたらしいのですが、こうした特別じゃない凡庸性てのが良いんですよ。私みたいなのが言うと、貧民の僻み、負け惜しみに聴こえるかもしれませんが、最近ホントに余所行きじゃない普通のってのに魅力を感じるんです。この岩塩かけの丸かじりは他にも、ちくわ、かまぼこ、がんもどき、さつま揚げ等の練り物に、また人参、キュウリ、セロリ、アスパラ等の野菜にも試せそうで今後の展望が楽しみ。最後は、岩塩だけ舐るだけでいいなんてのになると本物。酒仙人になるのでしょうが。

さて、そう言った話の流れから行きつく先はご明察のとおりシンプルイズベストという結論の、これまたティファニーはバイザヤードのご案内。

まあ、こちらは岩塩かけて丸かじりってわけにはいきませんが、釣りはフナに始まりフナに終わるの例えのように、ジュエリーはバイザヤードネックレスに始まりバイザヤードネックレスで終わると言って過言ではない、優れものの宝飾品なのでございます。

まず大人になった第一歩、ファーストジュエリーとして多くのお嬢さんがまずその華奢な首にぶら下げ、その若さの輝きを一層引き立てるとともに、上品さ、清楚さの演出の手助けを致します。さてそれから始まる人生山あり谷あり。その過程で豪華なジュエリーで全身をデコレートできるお方もおらる反面、せっかくのバイザヤードネックレスすら生活費の足しに手放さざるを得ない、艱難辛苦に見舞われるお方もございましょう。さてどちらの道をたどりましても最後老境に差し掛かってまいりますと、前者は過度な装飾にも飽きて、いつでもどんな時でもTPOを選ばず使えるバイザヤードネックレスに、後者は何とか乗り越えた艱難辛苦、自分に対してのご褒美として泣く泣く手放したバイザヤードネックレスを失った時間を取り戻すかの如く再び買い求め、両者ともに落ち着いた老後を、もはや肌身離せぬお守りの如きものとなったバイザヤードネックレスの、そこだけが普通とは大きくかけ離れた眩いダイアモンドの輝きの庇護のもと、共に安らかに過ごされるのでございます。めでたしめでたし。

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至高のクズダイヤ

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作家の西村賢太さんが急逝されました。文壇の巨人、石原慎太郎西村京太郎両先生のご逝去のはざまで、なにやらとばっちりを食った感じであまり大々的に報道もされませんが、まだ54歳という若さで私よりずっと若く、存命ならばまだまだ、文芸の道で活躍されるはずだったろうに、まことに惜しまれる死であります。

この方、中学卒業後、数々の肉体労働に従事しつつ、唯一の娯楽を読書に見出し、しかしその半面、文学とはおよそ無縁な無頼の生活を送り、その中で逮捕歴二回というなかなかの荒くれ者。そのような荒んだ生活の中でも創作活動だけは几帳面に続け、これが功を奏して起死回生の芥川賞受賞という異例ずくめの経歴の持ち主なのであります。

作品内容は、無頼派、破滅型とその作風から呼ばれるように、その中学卒業から現在に至るまでのすさんだ生活を包み隠すことなく赤裸々にさらけ出した私小説。

お笑いの方面では、クズ芸人という分野が最近クロちゃんとかナダルなんて言う人の活躍によって確立されたようですが、その段でいくと、彼こそはまさにクズ作家。もう自身のダメな生活ぶりとか姑息な心根、さもしい根性、スケベな下心などを包み隠さずというよりむしろ露悪趣味的にひけらかし、どうだ最低だろ俺って、と開き直って見栄を切ってみせているかのような作風。

実際物語を読み進むうちに、あまりのクズっぷり、下衆野郎ぶりに苦笑がこみ上げてきて、それがクセになってしまうのが氏の作品の魅力。

元来、私小説などと言うと、どうもウジウジとしたネクラなイメージがついて回るのですが、この人の作品は、そんな雰囲気をすら突き抜けて、可笑しみさえ感じられるほど。何せ同じ芥川賞受賞作家でありパンクロックミュージシャンでもある町田康氏が文庫本の帯の推薦文で「激烈におもしろい」と書かれているからには、きっと激烈に面白いに違いあるまい。

ならば、世間の規範、道徳から大きく外れた、クズ人間の見本のような犯罪者の成れの果て、たとえば刑務所の受刑者などに一律に自分に関する作文を書かせたら同様の面白い小説ができ上るかと言うとさにあらず。どのような人間にも己惚れと言うものがある上に、思い上がり、勘違いがこれにプラスされ、実際自分自身への採点は世間の評判よりも高く評価しがち。大概の人間の自分に関して書いたもの、例えば自伝なんて言うものは、自画自賛、自慢話のオンパレード。例え犯罪者であってもそういったところは同じあるいはそういった自分自身に対する過剰な思い上がりのせいで犯罪を犯すと言ったこともございましょう。

ところがこの西村氏逮捕二回の経歴にも関わらず、極めて自分を冷徹な目で見つめ、まるで他人事のようにそのクズさ加減、ダメ男ぶりを惜しみなく披瀝しておられます。これはなかなか並みの人間にできる事ではございません。クズ人間の癖に大ぼらをふき、いかに自分は凄い人間かを吹聴する人間は履いて捨てるほどおりますけどね。

こういったクズ芸人やクズ作家の方々のように、他人を貶めたり、あげつらったり、批判したりせず、あくまでも自己を生贄にして、人間の業の深さを暴いていく捨て身の表現方法に、表現者としての潔さを感じるのはわたくしだけでありましょうか。

と、言う事で今回はクズ野郎ならぬ、クズダイヤのお話。

今でこそパヴェセッティングや中石飾りとしての脇石に使われる小粒のダイアモンド、いわゆるメレダイアを称してクズダイヤなどと呼ぶ人はおりますまいが、わたくしが宝石屋に入社した昭和の時代には、こうしたメレダイアはクズダイヤと呼ばれる事がございました。実際我々売る側がそうした商品をわざわざ貶めるような表現はいくら何でもいたしませんが、お客さんの側が値引き交渉を有利に進める手段としての常套句によく用いられておりました。

「んなもんな、なんぼ石目のっとるちゅたかてやで、所詮クズ石やんけ。んなもん値打なんかあらえんがな、正味の話、ちゃう兄ちゃん?」

などと、わたくしがまだ駆け出しの宝石屋新入社員のころ、当時まだ大阪に広く生息いたしおりました地域特有のガラの悪いおっちゃんによく言われたものでございます。

「何言うてはりますのん大将、腐っても鯛言うてね、いくら小まい言うたかてダイヤはダイヤや、クズなんて言うたらバチ当たりまっせ。よう見てもたら分かりますけど、この小さなダイヤかてきちんと58面体のブリリアントカットになってますんや。そんなガラスが割れた破片同様、ダイヤを砕いたカケラを集めてひっ付けたように言うてもうたらかないまへんな。

なんせダイヤモンドのカット言うのんは全部人間の手ぇでやってますんや。せやからね、ダイヤが小さくなればなるほど大変なんですわ、もう熟練の技が要求されますねん。分かりますやろこの道理。大将も昔ご飯残したらお母ちゃんに叱られましたやろ。お米の一粒一粒にお百姓さんの苦労が詰まっとる言うて。もうそれ以上にこの細かい芥子粒みたいなダイヤモンドの一個一個にはダイヤモンドカッターの職人魂が注入されてますんや」

と、あたふたしてビビりまくっている新入社員のわたくしに、当時の店長が助け舟を出してくれたものです。

さて、こちらのギメル社製パヴェセッティングに留まっておりますクズダイヤは、もうこれ以上ないというくらい最高のクズダイヤ。例えばこの中の一つをランダムに選び、魔法の力で10倍ほどの大きさに拡大したと致しましょう。するとたちまち婚約指輪に留められるクラスのダイアモンドが出来上がるという寸法。しかも、その大きさでそのクラスのダイアモンド、高品質とはいえ、手に入れようとすれば比較的安易に手に入るのに比べ、この小さいサイズの高品質のメレダイアというのは、なかなかおいそれとは手に入らない。一個でも何かの拍子に硬いものにでも当てて、飛ばして紛失しようものなら大変。近いクラスでごまかせれば構わない言う人は贔屓の宝石屋か百貨店さんに頼めば何とか間に合うでしょうが、同品質でないと納得できないとおっしゃる、こだわりのジェムマニアの方はもうギメルさんに直々お願いするしか手がない。そんなにすごい西村賢太級のクズダイヤなんでございますよ。

何?例えが変?いやーあれだけのブリリアントなクズ作家はもう出ませんから、希少価値としては同等と言う意味でございます。まったく惜しい才能でございます。合掌

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Spring is in the air

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まだ肌寒い日が続きますが、春はもうすぐそこ。

新しい出会いがありますように、てなこと言うとギャグになる歳になってしまいました。

ハリー中野でした。

 

さんごの紅はおなごの血ぃの色え

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考えれば、今からもう四十年も昔になってしまいましたが、DCブランドムーブといって、国内の服飾デザイナーが軒並み自らのオリジナルブランドを立ち上げ、それに当時の若人の人気が集まり、皆こぞってそんなブランドの服を買いあさると言った風潮が生まれたのでございます。

そのようなブランドのお店は、それまでの既存の洋装店のイメージとは大幅に異なり、コンクリート打ちっぱなし風のアートなインテリアの中央に、唐突に宙に浮いた一枚物の板を使ったテーブルが出現し、その上に洋服のコーディネート一式が大胆に陳列されていて、さらにはそのバックには環境音楽などと呼ばれるアンビエントな雰囲気の曲を流すあたかも美術館のような演出。徹底したイメージ戦略に則った販売方法を取っていたのであります。

もちろん接客に当たる売り子も、それまでの無粋な事務員風制服から、自らのブランドのワードローブでかっこよく装い、動くマネキンとしての機能が与えられ、その名もハウスマヌカンなどと呼ばれ一種憧れの職業ともなっておりました。実際そういった風潮を揶揄し、おちょくった、「夜霧のハウスマヌカン」なんて言う歌さえ発売され、そこそこのヒットを記録したことを覚えております。

そう言ったブランドの主だったところと言えば、コムデギャルソン、ケンゾー、イッセーミヤケ、ビギ、タケオキクチ、ニコル、ピンクハウス、ワイズ、コムサデモード、ジュンコシマダ、アーストンボラージュ等々。未だに健在なブランドもあれば消滅してしまったところもあるようで、四十年の時代の趨勢を感ぜずにはおれません。

わたくしも当時は二十代、お姉ちゃんにモテたい盛りの独身チャラ男でしたから、安月給の中からなんとか資金を工面し、こういったブランドの服を購入し、夜な夜な、これもその頃流行りのディスコティークへと繰り出したものでございます。

こういった洋服を身にまとうには、最初はそういったお店の、文化服装学院やモード学院なんかを出たハウスマヌカンのお兄ちゃんやお姉ちゃんに言われるがままに購入に及んでおりましたものが、そのうち自分でもファッション雑誌を購入し色々と研究していくうちに、今度は自らが自分の好みでコーディネートしていきたくなってくるのが人情。

タケオキクチのジャケットにビギのシャツ、メルローズのパンツにチャーチのウィングチップの靴、そしてノックスの中折れ帽。今でこそ帽子を被る人も増えましたが、その頃は皆無に近く、せいぜいが定年退職前後の爺さんくらいでしたからずいぶん奇異な目で見られましたねー。会社の上司には「お前はチンドン屋か?」などと叱責されたものでございます。

さて、頭の先からつま先まで決まったところで、どうもネクタイがなかなか決まらない。いろんなブランドを物色するも、これはと言うものが見つからない。

ネクタイ訪ねて三千里、様々なお店を訪ね歩き、今でいうところのセレクトショップ、確かテイジンメンズショップだったかと思いますが、で出会いましたのがイギリスの女性デザイナー、マーガレット・ハウェルのネクタイ。今のハウエルの商品ラインナップをネットでチェックしてみたところ、現在のネクタイの柄はいかにもイギリスっぽいオーセンティックな柄が多く見受けられるのですが、当時は非常に奇抜というか、まるで着物の柄か、日本画のような和柄が多く、それが実にぶっ飛んだ感じで、いっぺんに気に入り、二三本まとめて購入致しました。

その結果、会社の上役や先輩はおろか、同僚社員からも、お爺さんのを借りてきたのかとか、京都西陣のお土産か、などとからかわれ嘲笑の的。しかしそういったDCブランドのお店のお兄さん、お姉さんたちには大ウケ。「あーっ、ハウエルですかー良いとこ目ぇつけましたねー!」なんてプロから褒められて鼻高々。もちろんそういった柄がDCブランドのお洋服のアートなデザインとの相性が不思議なくらいバッチシ合い、女の子のウケも上々の首尾。

さてそこで今回、ファッションコンシャスはそこそこ高いも、手元不如意で古着しか買えぬ情けない落ち目のわたくしではございますが、昔取った篠塚ならぬ杵柄、お洒落番長とまでは行きませんが、お洒落チンピラ、半グレのわたくしが強くおすすめいたしたいのが、こちらの珊瑚の指輪なのでございます。

およそ凡庸なジュエラーならこういった、櫛笄簪と言った和の伝統と切っても離せぬ珊瑚という宝石材を目にした途端、和の装いに頭が行き、お着物をお召の節には是非なんぞとつまらぬことを言うのでありますが、そんな売りか方こそは自ら墓穴を掘るがごとき愚行。なんとなれば、昨今、お着物をお召になる方など、ほんの一握りの少数派。ほとんどの女性は人生において着物を着る経験は、成人式と結婚式のお色直しのみ。せっかくのこんなに美しい風情のある宝石をそんな狭いカテゴリーに閉じ込めてはあまりにも気の毒、罰が当たるというもの。

さて、こちらダイアが細かく彫留されているリング枠にこじんまり収まっております赤珊瑚の珠。いかにも南天の実のような真っ赤に熟した様子が実に和の風情を漂わせる、魅力的な宝石なのですが、こういったものを唐突に西欧風ファッションの中にイレギュラーに組み込むことによって、装いの中に生まれる予定調和的退屈さをつき崩す、一種料理に用いるスパイスの様な働きが期待できるのでございます。

伝説のジャズピアニストにして偉大なコンポーザーでもあるセロニアス・モンクの演奏スタイルは、初めてそれを耳にした人には不協和音混じりの稚拙な演奏に聴こえかねません。あるいは、伝説のロックギタリスト、ジミ・ヘンドリクスの暴力的な雑音、ノイズとも言える演奏スタイル。この二人の音楽に共通しているものは、見かけ上のイレギュラー、変則的なものの根底にある美しい芸術性なのであります。

それと同様、イレギュラー、異質なものを敢えて自らの装いの中にわずか加えることによって、全体の本質、ファッションコンセプトをより鮮明に浮かびあがらせるというお洒落上級者の必殺ワザ。

ひとつこちらの指輪でお試しになりませんこと?

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