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ハリー中野の宝石コラム

ナスターシャの瞳 キャッツアイ

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今月の7日、ハリウッドの俳優ディーン・ストックウェル氏が85年の生涯を閉じました。

彼は幼少の頃より子役として活躍し、大人になっても、数多くの映画に出演し、名脇役として存在感のある演技でその出演作に深い色どりを添えてきました。名前は聞き覚えが無くてもそのお顔を見ると、あーっ知ってるって方も多いかと存じます。

その数多くの出演作の中でも、特にわたくしの印象に強く残っていますのが、ドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダース監督の名作「パリ、テキサス」の中で演じた、主人公トラヴィスの実直な弟役。

「パリ、テキサス」というこの映画、実は私の好きな映画ベスト5にも入るのでございますが、1984年製作とありますから、まあ毎度の事ながら古い映画の話で恐れ入ります。

映画のストーリーは、4年前に若い妻と幼い一人息子の家族を捨て去り失踪した男、トラヴィスがテキサスの砂漠で行き倒れになっているところを発見されるところから始まります。その所持品から身元が判明し、実の弟つまり、亡くなったディーン・ストックウェル演じたウォルトの元に連絡が入ります。

ウォルトは早速とる物もとりあえず、車で自宅のロサンゼルスから遠く離れたテキサスまで兄を迎えに行きます。しかしこのイカレた兄貴、なかなか一筋縄ではいきません。弟と再会した当初はまったく口もききません。さらに何度もウォルトの元から逃げ出そうとするのです。しかも仕事を抱えたウォルトが時間の節約にと、飛行機に二人で搭乗しようとすると、その飛行機からも逃げ出す始末。まあなんとか苦労の末、長い道のりをようやくウォルトの自宅にまでたどり着くと、そこには4年前に捨てたトラヴィスの一人息子がウォルト夫妻の子供として育てられています。

しかし実直なウォルトは本当の父親が見つかったからにはと、我が子の様に慈しみ育てている妻の反対を押し切り、その息子に真実を告げ、何とか二人の親子の絆を回復させようと色々苦心いたします。さて、その甲斐あってか、親子の絆を取り戻した親父と息子は、ウォルトの妻からの情報を元にヒューストンに居てるらしいという二人の妻であり母であるジェーンを探す旅に一緒に出かけます。

その間、色々あってドラマは複雑に展開するのですが、結局家族は再び巡り合い、誤解は解け、ようやく家族の再出発と言う段になって、この駄目親父トラヴィスはまたまた姿をくらまし、THE ENDとなる結末。ハッピーエンドと思わせてのこの不条理な結末。そして映画全体を通してバックに流れるライ・クーダ―の何とも切ないスライドギターの音色。そしてこうしたロードムービーの見どころ、アメリカ中西部の様々な幻想的な、目を見張るような美しい景色。そしてその若く眩いばかりの美しいさゆえに、老いたトラヴィスに逃げ出さずにはいられないほどの激しい嫉妬心を起こさせた妻役が、まさに適役と言えるナスターシャ・キンスキー。とまあ魅力満載の映画ですが、なにぶんわたくし経験不足ゆえ男女の愛に関してのコメントは差し控えさせていただいて、今回取り上げたいのはこのトラヴィス兄弟の愚兄賢弟ぶり。

と申しますのも、私事でまことに恐縮ですが、手前ども兄弟もまったくこのトラヴィスとウォルトのような典型的な愚兄賢弟の兄弟、つまりアホな兄貴に賢い弟という組み合わせなのでありまして、いつも弟に世話や迷惑のかけっぱなしな愚かな兄こそが、誰あろう、かく申す私なのあります。別に威張らいでもええがな。

以前にもブログで少しご紹介した通り、マンガ家になるだのロックギタリストになるだの、若い頃から全く地に足のつかない夢まぼろしを追いつつも、ただ漫然と日々を過ごし、結局人生何事をも成しえず、今日いまに至った愚兄の私。それに引きかえ、弟は幼少よりこつこつと真面目に勉学に励み、優秀な成績を納め、名のある大学に進学したうえ、堅い会社に就職し、定年まできっちり一つの会社で勤めあげ、今でも某大学の職員として勤勉に勤めているしっかり者。昨年の母親の死に際しても、葬儀その他もろもろから、後のややこしい整理全般も全て一人で引き受けてやってくれたのでございますから、愚兄はまったく面目なく、頭が上がりません。

という訳で今回のディーン・ストックウェル氏のご逝去に際しては、何やら弟と重なるような人物の役を演じられたせいもあり、ご冥福を祈らずにはおれません。更には我が実弟におかれましては、いつまでも頼りがいのある賢い弟でいてくれるよう、その健康長寿をば祈らずにはおれません。

 

さて、という事で本日のご紹介は、失踪おやじトラヴィスの美しい妻を演じましたナスターシャ・キンスキーに因みまして、キャッツアイの指輪でございます。

ナスターシャ・キンスキーと言えばその猫目顔からキャットピープルという西洋版化け猫ストーリーの映画に抜擢された事でも有名。

化け猫と言いますと本邦では、鍋島の化け猫騒動が有名でございますが、その他にも「ゲゲゲの鬼太郎」に鬼太郎の彼女として登場するねこ娘。この化け猫、日本では結構ポピュラーな妖怪なのですが、西洋の方でも、古くから化け猫は生息しているようで、こ奴らはキャットピープルと呼ばれるそうでございます。

さて、ナスターシャ・キンスキーが演じたキャットピープルの女性は人間の男性と愛し合うとなんと豹に変身し、その相手の男を食い殺さないと元の姿には戻れないという呪われた身の上。

いやーこない綺麗な女性とやったら食い殺されても本望やけどなー、ワシやったら。

ええ歳こいてアホな事いうとったらあかんでアニキ!

あっ!弟の声や。マズい、また叱られた。

という訳で、こちらにご覧いただいておりますのは、キャットピープル、ナスターシャの眼窩で燦然と妖しい光りを放っていた瞳と瓜二つ、まさに金色に輝くキャットピープルのキャッツアイでございます。

キャッツアイと一言で申しましても、実際にはこれは宝石における猫の目状を呈する光の特殊効果の総称でありまして、こうした猫の目模様が出る石は、その石の種類にかかわらず全てキャッツアイなのでございます。

ただその中でも、このクリソベリルという宝石に浮かぶ猫の目が何と言ってもキャッツアイとしての評価が断然高く、人気も一番。なぜなれば、ご覧の通り、この宝石は妖しく光る猫の目そっくりそのままだからなのです。

ただし、その中でも良し悪しの評価が分かれるのは他の宝石と一緒。クリソベリルキャッツアイの評価のポイントは何と申しましてのこの真ん中の瞳にあたるラインがまっすぐ、途切れることなく上下端から端までスッと一本、まっすぐに通っている事が重要。ホームページの写真でご確認いただけますよう、実物は本当に途中で瞳が切れて三白眼になることもなく、ぴっしっとした、食べられてもかまわない、いや、食べられたいほど魅力的なナスターシャの瞳を呈しているのでございます。

さて、愛し合った男を食い物にしている世の多くの奥様方よ、さらに多くの恩恵がご主人から授かりまする様、キャットピープルの守り石クリソベリルキャッツは要らんかね?

掲載ページはこちら → https://item.rakuten.co.jp/douxperenoel/01001383/