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ハリー中野の宝石コラム

グリーングリーングラスオブホーム

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お盆も過ぎますと季節も晩夏という事で、忍び寄る秋の気配がそこかしこに漂い始め、侘しいような、心細いような気分がふつふつと湧き上がってまいります。

この情感を、夏のはじまりとともに燃え上がり、その季節の終焉とともに終わりをつげた切ない恋の想い出と重ね合わせ、叙情豊かに歌い上げたのがユーミンこと松任谷由実がまだ荒井の姓を名乗っていた頃の名曲、その名もずばりの「晩夏」。

しかし、このような叙情効果も暑い夏があればこそ引き立つわけで、今年のような梅雨のような長雨、豪雨続きだと、もうまるっきり季節感が薄れてしまい、そう言った季節の移ろいを愛でる、あるいはそれに託し屈託の想いを歌にする、なんて悠長な事は言っていられません。

 

イギリスのSF作家J ・Gバラードがその作品「沈んだ世界」で描いた世界は、地球規模の気温の上昇により、極地の氷がすべて溶解し、地球上のほぼすべての都市が水没していまうという、ぞっとするような内容。

照り付ける灼熱の太陽の下、熱帯の植物が繁茂する高温多湿の残された土地で、何の有効な手立てもなく、滅びの道を歩む人類の様子がたんたんと描かれています。

最近の日本列島を襲う異常気象を目の当たりにし、昔読んだSF小説の不気味さがふと蘇ってまいりました。

バラードの小説では、ありきたりのスペースオペラのように、人類が目の前に迫った困難、危機を打ち破り、希望の明かりを見出す仕掛けなど一切見られず、実存主義の不条理小説の様に、人類に降りかかる艱難辛苦がリアルかつドラスティックに描かれ、読む人の心の内に不安を増殖するのです。

しかし、これはあくまで人類の視点に立てばこその感情で、実は地球は単に自らの、人に例えるなら免疫作用のような自己防御の働きにより自分の身を守っているだけなのかもわかりません。

スタジオジブリの名作「風の谷のナウシカ」の中で描かれている逸話。

最終戦争後の荒廃した地球で、腐海と呼ばれる猛毒を噴出する菌類の広がる地層奥深く、実は空気の浄化がその菌類によって粛々と行われているというエピソードもこういった生きている星、地球自体の有機体としての免疫のプロセスを暗示しているのではないでしょうか。

 

「国破れて山河あり」と漢詩の一節にある様に、人類の盛衰とは無関係に、まったく別の次元で地球は自らを修復する活動をダイナミックに行っているのです。

地球温暖化に伴う、大雨大洪水もそういう見方をすれば単に地球自身の修復作用、文字通りの自然治癒の活動なわけで、そんな修復作業を起こすきっかけは、さて誰が作ったのでしょうか。

 

SFの世界だけでなく、荒廃した大地をまず始めに癒す働きを担うのが、バラードの小説でも登場する緑豊かな植物の働き。

例えば、人口減少のせいでしょうか、近ごろなにかと目につく街中の廃屋。

住人のいない家屋というものは、その鬱蒼と草生し蔦絡まる様子で一見してそれと分かります。

こういった光景、人の眼から見れば荒廃したありさまという事になるのでしょうが、例えば神の眼で眺めたとすると、ヒトの傷が血液で覆われ凝固し、かさぶたとなり傷を癒すように、自然が本来あるべきカタチへ回帰しようという、癒しの過程と映るのではないでしょうか。

実際こいうった家屋に侵食してくる緑の草木を目にしましても、我々は例えば害虫などを見て怯え嫌悪するような感情は不思議と起こりません。それどころか、観光として訪れる風光明媚な景勝の土地などでは、その緑豊かな風景そのものを愛でる事が目的。

例えば、「目には青葉山ほととぎす初鰹」などと昔の有名な俳句に詠われておりますように、緑の木々が人々の心に与える癒し、安らぎの効果は計り知れません。

それはきっと我々も自然の一部で、独り人類だけが自然からかけ離れて地球上に存在しているのではないという証なのでありましょう。

 

ということで、今回は着ける方に癒しの効果を約束する、緑鮮やかなのジュエリーのご紹介という運びとなっております。

ご覧いただいておりますリングは鮮やかなグリーンガーネットが横二列に規則正しく並び、それを細かいダイアモンドが豪華に縁どり、グリーンと相性のよいゴールドの枠がしっかり支える構造となっております。

ガーネットと聞いてまず思い浮かぶのは、赤色系統のアルマンダイトやロードライトガーネット。しかし実際に魅力的なのはグリーンのガーネット。こちらのグリーングロッシュラ―ライトガーネットや非常に希少なデマントイドガーネットの類。

特にこちらのグリーングロッシュラ-ガーネット、別名ツァボライトとも呼ばれるこの石は、その緑色がエメラルドのそれとやや異なり、黄色味が強く鮮やかで照りもあり、如何にも葉緑素をふんだんに含んだ肉厚な植物の葉っぱのような色合い。

19世紀末から20世紀初頭に活躍したフランス人画家アンリ・ルソーが描く不思議な雰囲気をもつ絵画の中に、数多く出てくる熱帯のジャングルの鮮やかで印象的なグリーンがまさにこの色、この雰囲気。

見る者をして、その世界に思わず引き込まれそうになるルソーの絵画空間同様、グリーンのガーネットに引き込まれ、熱帯のジャングルを感じて頂ければ、何処からともなく、化鳥や野生動物の鳴き声がこだましてくるかも分かりませんよ。

 

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