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ハリー中野の宝石コラム

パパラチアはモルディブの海に沈む夕陽の色

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「真っ赤な太陽」とは、いまからもう半世紀も前に歌謡界の女王「お嬢」こと美空ひばりがグループサウンズの雄、ブルーコメッツを従え、大胆にも当時流行りのミニスカートをば腰に巻き、ビヨンセもかくやとばかりのセクシーな腰つきで熱く歌った和製ロック?のタイトル。

「真っ赤に燃えた太陽だから、真夏の海は恋の季節なの」という歌詞で始まるこの歌。

しかし実際、真夏の空にある太陽って真っ赤なの?実際は眩し過ぎて直視できませんが、色で表すとすれば光そのものの色、真っ白なんじゃなかろうばい?

そもそも太陽が赤く見えるのは夕日の時に限られるのではないでしょうか。それも真っ赤、深紅というよりもどっちかというと、朱色とかオレンジ色のような若干黄色が混ざったような、いわゆる茜色というやつ。

童謡「赤とんぼ」で歌われる茜色の空の色は、いかにも日本の秋の風情が漂い、郷愁を誘う色でございますね。

しかし、ところ変われば品変わるなどと申します通り、この夕日も見る場所が変わるとがらっと違った風に見えるというから驚き桃ノ木。

 

この世の楽園、インド洋に浮かぶサンゴ礁の島国、モルディブ。天国の島とも呼ばれるほどの絶景に恵まれ、人として生まれたからには、一生のうち一度は行きたい言われるほどの人気の観光スポット。あるいはハネムーンカポー達の憧れのデスティネーション。

 

さて、その天国の島で拝む夕日の色こそが、これからご紹介いたします、パパラチアサファイアのこの何とも言えない美しい色として例えられているのでございます。

まさにモルディブが浮かぶ、インド洋に沈む夕日の色と評されるパパラチアサファイアの色は、帯橙ピンクなどと呼ばれます通り、橙(だいだい)色つまりオレンジ色を帯びたピンクなわけで、日本で見られる素朴な茜色とはまた一味ちがう微妙な色合い。この色はまたお釈迦様に非常にゆかりの深い、蓮の花の色にも例えられます通り、まさに西方浄土に沈むゆく、心が洗われるような有難い夕日の色な訳でございますね。

 

こちらのパパラチアサファイアの指輪。中石にはちょっとアンバランスな三角形のパパラチアサファイアが使われております。なぜ、正三角形でなく変形の三角かと申しますと、もとの原石の形に出来る限り沿った、宝石の目減りをなるだけ減らそうとした努力の現れ。つまり原石からの歩留まりが高いカットを行った結果なのです。

そうして生まれましたアシンメトリーの宝石の形に合わせ、この宝石が生きるようなデザインのリング枠を拵えなければなりません。

その結果、出来上がりましたのがご覧のデザイン。こういった高級素材のリングにありがちな、ありきたりの左右対称のオーソドックスなデザインでは無く、如何にも現代的なこのモダンなフォルム。三角形のパパラチアサファイアをホワイトゴールドの枠が、さらに三角を基調として幾重にも取り囲む。さらにメレダイアも全ての方向に入れるのではなく、わざと三角の一辺方向だけを地金のままの状態でおいてあるという凝りよう。

入荷当時、この卓越した中石とデザインのバランスの妙を見るにつけ、これはきっと有名デザイナーの名前を冠した作家物に違いあるまいと思ったのですが、刻印を探すもそれらしき形跡が見当たらない。ただし金性の表示が750とございますから、海外で作られたものかと推測できます。やっぱりこの辺の感性というものはインポート品独特。宝飾品文化の歴史が古い分、一日の長というものが伺えますね。

さて、この希少なパパラチアサファイアでございますが、今から20年ほど前になりますでしょうか、マダガスカルから良質なパパラチアサファイアが多く産出されたという事で、大量に市場に出回ったことがございます。しかし、実はこれがベリリュウム拡散処理という人工的に着色した処理石。当時は大手鑑別機関もこれを看過し、大問題に発展したことがございました。

ほんだら、これも中古やし怪しいんちゃうの?と訝る向きも多いかと存じますが、ご安心下さい。こちらは製品化するにあたって、もちろんベリリュウム拡散処理も看破する最新の鑑別技術により、新たな鑑別書を日本最大の鑑別機関、中央宝石研究所にて取り直しております。

天然本物のモルディブの夕日の色を、日本に居ながらにして是非ご堪能頂きたいものでございます。

掲載ページはこちら → https://item.rakuten.co.jp/douxperenoel/01506502/