ホーム>スタッフブログ>ハリー中野の宝石コラム>東洋の神秘ヒスイの魅力
ハリー中野の宝石コラム

東洋の神秘ヒスイの魅力

2021228171659.png

 

今からおよそ三十年程昔、どういう運命のいたずらか、わたくし香港に二年程住んでおりまして、宝石関係の仕事という事も手伝って、数多の宝石を目にする機会がございました。

香港と言いますとアジアにおける宝石産業の中心地。定期的に香港島のワンチャイにあるコンベンションセンターでは大規模なジュエリーショーが毎年華々しく開催されています。

 

さて、その香港にあって香港の人々、いえ、全ての中国人に一番愛されている宝石がヒスイなのです。中国の人々にとってヒスイは身を守るお守り、幸運を運ぶチャームとして、多くの人々が指輪やペンダントとして肌身離さず身に着けているのでございます。

 

香港の九龍半島にはジェイドマーケットというところがございまして、名前の通りヒスイ製品から、その他色んな種類のアクセサリーやお土産品を売っているのですが、こちらはあくまで観光客相手のお土産物が中心で、実際ヒスイとして売られている石の9割以上は本ヒスイではないとの事。

まあ、これはお国による見解の違いによるところが大きいのですが、あちらではとりあえず緑の石は何でもヒスイ、玉(ギョク)なんだそうで、ヒスイ類似石のクリソプレーズ、アベンチュリンクォーツから染色の白ヒスイ、瑪瑙や水晶などあらゆるヒスイ類似石、模造石がヒスイとして売られているので注意しなければいけませんよ。

 

しかし宝石の本場香港、もちろん何もそんな怪しげなヒスイばかり売ってるわけじゃございません。というか、実際良いヒスイを仕入れようとするならば、香港に行かねば良いものは買えないというくらい。

実のところ良質のヒスイは、今何かと騒がしいミャンマーで産出されるのですが、伝統的な政情不安ともあいまって、それがまわりまわって結局は世界中から買い手の集まる香港へとたどり着くって寸法。

 

しかし、このヒスイと言う石、色石の中にあって一番良し悪しの判定が難しい、業者泣かせの石なのです。

香港当時に、あちらの大手宝石商社の王社長に聞いたところ、

「ヒスイの良いものの見極めが一番難しい。これが出来るようになったら本物の宝石商ね、がんばんなさい」と早稲田大学卒業の流暢な日本語ではげまされました。

 

さて、それでは、今回ご紹介のこちらのヒスイの指輪でございますが、こちらをこれから存分に賛美してまいりたいと存じます。

 

ヒスイの良し悪しを見る第一番目は、その石の透明感。ヒスイという石はダイアモンド、サファイアやエメラルドなどの単結晶の宝石と異なり、細かい結晶の粒が固まってできた集合体という岩石のような体裁をとる鉱物。ですから、完全に透明な石と言うものは存在いたしません。しかしその中のあってもやはり透明感、透け生地のものが高く評価さこいれるのです。理由はもちろんその方が美しいからですね。

 

昔、バブル時代、石は大きいし、色もちゃんとグリーンが乗ってるんだけど、まるでペンキで着色したかのような透明感の無いヒスイを良く売ったものですが、こういうのはいただけない。いい加減なこと言って騙してごめんなさい当時のお客様。

 

そして色なのですが、これは個人の好みにも大きく左右されるところではございますが、私の宝石のバイブルGIAのジェムリファレンスガイドによりますと、インペリアルジェイドと呼ばれる最上級のヒスイとは、エメラルドグリーンの色が鮮やかで均質、そして半透明、こういうのが最上級のクォリティーであるとあります。たぶん昔からロウカンという風に呼ばれるタイプのヒスイでございますね。

そして、もう一つの人気の色味がアップルグリーンと呼ばれるやつで、彩度の高い黄緑色。ちょうど青りんごのような感じの色ですね。もちろんこちらも半透明に近づけば値打ちが上がる。

さて、こちらの指輪に留まった石はどうかと申しますと、色味はアップルグリーンと言うにはちょっと濃い。ただ、エメラルドグリーンかと言うと、確かにこんな色味のエメラルドのあるにはあるが、理想のムゾーエメラルドの色から比べれば、黄緑と言わざるを得ません。ですからちょうど真ん中ら辺の、程よい色目と言えなくもない。

そして、透明度なんですが、これはなかなかのもの。石の表面には色ムラは無いのですが石の内部に少し色の薄い部分がある様なのですが、それがほんのりと透けて見てとれる感じで、本来のムラが逆に透明感をアピールするかのような、良い風情を醸し出しておりますね。

もちろん石の形もシンメトリーがバランス良くとれたオーバルシェイプで、ドームの高さの均一な盛り上がりをみせる、ナリの良いカボッションカットでございます。

写真でご覧いただいてもこのヒスイの美しさは充分にお分かりいただけると存じますが、この本来不透明であるはずのヒスイが醸し出す、えも言えぬ透明感が、神秘的な美しさと相成り、見る者をして陶酔の極みに至らしめるところまでは残念ながら伝わるまいと、面映ゆいばかりでございます。

この美しいヒスイにふさわしく、美しいラージメレダイアトータル1.48キャラットにて取り巻きましたるこちらの素晴らしい指輪。是非あなた様の家宝としてお収め願いたく、ここな白髪のコウベをば垂れ、七重の膝を八重に折り、御願い奉る次第でございまする。

掲載ページはこちら → https://item.rakuten.co.jp/douxperenoel/11003679/

 

トラックバック(0)

トラックバックURL: https://www.maruyo78.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1830