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ハリー中野の宝石コラム

ハリー・ウィンストン(HARRY WINSTON)伝説からの教訓

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“King of Diamons”

そう呼ばれた米国伝説のジュエラー、ハリー・ウィンストン。ウィキペディアによると、ウクライナからの移民として、アメリカに移り住んできた両親の元で育った彼は、父親が始めた小さな宝石屋で働き始めます。


彼が12才の時、質屋のウィンドウにかざられた2キャラットのエメラルドがハリー少年の目をとらえます。彼はこれを25セントで購入し、2日後これを父親の店で300ドルで販売したそうです。


この逸話は、彼が若くしてすでに宝石の真価を見きわめる眼力を備えていた、天才ジュエラーとしての片鱗を雄弁に物語っているのでありますが、もう一つ重要なポイントが含まれているのです。


このエメラルドをハリー少年に販売した質屋は、最初一体いくらでお客さんからこのエメラルドを買取ったのでしょう?


質屋とて商売、損して売るはずもなく、15セント?10セント?あるいは枠の地金だけの価値で買い取ってて実質価値はゼロ?


ハリーはお店でこれを小売価格300ドルで売ってる訳ですから、質屋に手放したお客さんも、それに近い金額で商品として購入しているはず。それが実際ただ同然の値段で査定されてしまっているのです。


この話は20世紀初頭の話で21世紀の現代においてはこんな馬鹿げたこと有る筈がない、と思うのは全く見当はずれ。今でも実際宝石の価値を適正に評価し買い取ることの出来るお店は、20世紀初頭と変わらず実に少ないのです。


事実、正直に「宝石の価値は分からないので、枠の地金部分の価値で買い取ります。宝石は枠から外してお返ししますから」という買取屋さんもあるそうですが、宝石のルースだけ手元に残っても、一般の人はどうしようもないですよね。


というわけで、宝飾品を手放す場合は慎重に、宝石、宝飾品買取に定評のあるお店を選んで、更には売り急ぐことなく、いくつかのお店で相見積もりを取ったうえで処分を検討いたしましょう。お店によって、驚くくらい査定額の開きがあることを知ってびっくりしますよ。

 

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